冬は特に要注意！バイクのエンジンがかからない「カチカチ病」ってどんな病気？

スタートボタンを押してもセルモーターが回らず、バイクのエンジンがかからなくなってしまう「カチカチ病」とは、どのようなトラブルなのでしょうか。

■冬は特に注意!? エンジンがかからなくなる「カチカチ病」とは

　寒い日が続き、本格的な冬の訪れを感じます。あまりの寒さにバイクに乗る頻度が、減ってきた人も多いでしょう。

　そんな中、久しぶりにバイクに乗ろうと思った際に、エンジンがかからず焦った経験がある人は多いと思います。

　そんなエンジントラブルの原因はさまざまですが、そのひとつが「カチカチ病」と呼ばれるもの。

　カチカチ病とは、どのようなトラブルなのでしょうか。

カチカチ病というのは、エンジンのスタートボタンを押してもセルモーターが回らず、文字通り「カチカチ」という音だけが聞こえるようになるトラブル

　カチカチ病というのは、エンジンのスタートボタンを押してもセルモーターが回らず、文字通り「カチカチ」という音だけが聞こえるようになるトラブルのこと。

　スタートボタンを押し、セルが回るのにエンジンが始動しない場合や、スタートボタンを押しても「カチカチ」という音すら聞こえない場合は、また別の故障が考えられます。

　前者の場合はスパークプラグや燃料系に問題があることが考えられ、特にプラグは消耗品であり値段も安いため、ひとまず交換してみるのも選択肢のひとつです。

　なお、後者の場合、キルスイッチが作動している、もしくはサイドスタンドをかけつつ1速に入れたまま始動しているなど、単なる操作ミスの可能性も十分にあります。そのため、故障を疑う前に、操作ミスがないかを確認してみると良いでしょう。

　本題のカチカチ病は、操作ミスで起こることはありません。カチカチ病を発症する原因はいくつか考えられますが、代表的なのはバッテリー電圧の低下です。

　では、なぜバッテリーが弱るとカチカチ病を発症するのでしょうか。

セルモーターを回す際には、一時的に大きな電力が必要になるため、バッテリーが弱っている場合、スタートボタンを押してもセルモーターは動かない

　セルモーターを回す際には、一時的に大きな電力が必要になります。そのためバッテリーが弱っている場合、スタートボタンを押してもセルモーターは動きません。しかし多少の電気は流れるため、セルモーターの回路のスイッチ的役割を果たす部品であるセルリレーは作動します。

　その作動音が「カチカチ」音の正体。普段はエンジンの始動音に紛れて聞こえにくくなっているものの、セルモーターを動かす際には必ずこの音も鳴っています。

　キーをオンにした際のヘッドライトが暗い、ホーンの音が弱々しいなどの症状があれば、ほぼ間違いなくバッテリーが弱っていると考えてOK。バッテリーが原因の場合は、バッテリーを充電するか、新品に交換することでカチカチ病は治ります。

「カチカチ病」の原因はバッテリー弱り

　ちなみに、バッテリーの寿命は一般的に2年から3年ほどと言われています。充電か交換かは、バッテリーの状態や使用年数に応じて判断すると良いでしょう。

　そのほか、セルリレー本体が故障しており、セルモーターにうまく信号が伝わっていない場合もあります。その場合はセルリレーを交換することで症状は改善されます。

　出先でカチカチ病を発症した場合、押しがけをすることでエンジンが始動し、ひとまず帰れる状態になることがあります。ただしそれはバッテリーに最低限の電力が残っていた場合。押しがけしてもエンジンがかからない場合は、ロードサービス等の救援を待つしかありません。

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　冬はバッテリーが弱りやすくなる季節です。それにともなってカチカチ病も増加傾向。前述した通り、バッテリーが弱っている場合はヘッドライトが暗くなる、ホーンの音が弱々しくなる等の症状が出ます。

　電圧計がなくても、こうした症状の有無で簡易的にバッテリーの状態を確認することができるので、カチカチ病を発症する前に、バッテリーが弱っていないかをチェックすると良いでしょう。