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バイクの「アダプティブクルーズコントロール」機能って?いったい何がすごいのか

バイクのニュース / 2024年1月14日 13時10分

最近のバイクには、最新の電子制御システムが多数搭載されています。「アダプティブクルーズコントロール」もそのうちのひとつですが、いったいどのような機能なのでしょうか。

■これも電子制御システム?アダプティブクルーズコントロールとは

 最近のバイクはひと昔に比べて性能や安全性が格段に向上し、目覚ましい進化を遂げています。それには、最新の電子制御システムがバイクに搭載されるようになったことが大きな要因です。

 最新のテクノロジーのなかでも、一部の車種に搭載されている「アダプティブクルーズコントロール」。このバイクのアダプティブクルーズコントロールとは、いったいどのような機能なのでしょうか。

バイク用の「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」とは、ライダーの運転をサポートする機能バイク用の「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」とは、ライダーの運転をサポートする機能

 バイクの「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」とは、センサーとCPU(コンピューター)によって、スロットルとブレーキの操作が自動的におこなわれ、ライダーの運転をサポートする機能のことです。

 クルマの世界では、軽自動車にも搭載されているほど普及が進んでいる機能ですが、バイクでは一部の大排気量モデルのみに採用されています。

 ACCのすごいところは、一定の車間をキープしながら走ることができる追従走行機能です。

 バイクの前方にはミリ波レーダーという、クルマにも使われているセンサーが搭載されています。ミリ波レーダーから電波が照射され、前方を走るクルマから反射してくる電波を受信して車間距離を把握しています。

ACCは自動で車間距離をキープしてくれる上、速度と車間距離もライダー自身が任意で設定が可能ACCは自動で車間距離をキープしてくれる上、速度と車間距離もライダー自身が任意で設定が可能

 そしてACCは自動で車間距離をキープしてくれる上、速度と車間距離もライダー自身が任意で設定が可能です。

 たとえば、先行車がいない場合は、ライダーが設定した速度で定速走行をキープします。先行車が減速したときは車速に合わせて減速をおこない、先行車が加速すれば設定した速度まで加速して追従走行を開始します。また、車線変更などで先行車がいなくなると、設定した速度まで加速し定速走行を再びおこないます。

 車線変更の設定はメーカーによって異なりますが、3段階から5段階くらいまであり、距離ではなく時間差で調整されるのが特徴です。そのため、設定速度が高くなるほど車間が広くキープされる傾向があります。また、設定速度は30km/hから160km/hまでの範囲で可能です。

 なお、ACCで追従走行の際に、クルマの場合は先行車が停止すれば自車も停止します。しかし、バイクは停まれば転倒してしまうため、追従走行で停止するまでの機能は備わっていません。

各設定の操作はハンドルの横にあるスイッチボックスでおこなうことができる各設定の操作はハンドルの横にあるスイッチボックスでおこなうことができる

 各設定の操作はハンドルの横にあるスイッチボックスでおこなうことができ、ボタンを押して切り替えるだけで簡単に設定することが可能です。

 このようにバイクのACCは、車間距離を自動でキープするため、漫然運転や居眠り運転などによる追突事故の防止にも効果を発揮します。また、スロットルやブレーキの操作が自動的におこなわれるため、高速道路での長距離の移動や、渋滞時でストップ&ゴーを繰り返す状況などで、ライダーにかかる負担を大幅に軽減することができます。

二輪車として世界で初めてACCが搭載されたドゥカティ「ムルティストラーダV4S」二輪車として世界で初めてACCが搭載されたドゥカティ「ムルティストラーダV4S」

 ちなみに、二輪車として世界で初めてACCが搭載されたのが、ドゥカティの「ムルティストラーダV4S」です。

 最大の特徴は、後方にもレーダーセンサーが搭載されていること。後方から接近するクルマを検知すると、ミラーに取り付けられたLEDランプが点灯する死角検知機能を備えています。また、クルマが後方から接近している状況でウインカーを出すと、ミラーのLEDランプが高速点滅してライダーに危険が迫っていることを知らせてくれます。

クルーズコントロールを装備しているトライアンフ「Scrambler 1200X」クルーズコントロールを装備しているトライアンフ「Scrambler 1200X」

 ちなみにバイクの電子制御システムには、ACCとよく似た「クルーズコントロール」という機能もあります。これは、ライダーがあらかじめ設定した任意の速度をキープして走ることができる機能です。長距離の移動をサポートしてライダーの負担を軽減する効果がありますが、ACCのように追従走行機能はついていません。

 そのほかの電子制御システムには、滑りやすい路面での後輪が空転してスリップするのを防ぐ「トラクションコントロールシステム(TCS)」があります。濡れた路面やマンホールなどに後輪が乗り上げて空転してしまう状況を、ECU(電子制御ユニット)が、点火のタイミングや燃料噴射量、スロットバルブの開度をコントロールしてタイヤのスピンを抑えるシステムとなっています。

※ ※ ※ 

 バイクの「アダプティブクルーズコントロール」は、自動で追従走行をしてくれる革新的な機能です。そのため長距離ツーリングでは、あまり疲労を感じることなく走行することができます。

 ただし、いくら便利だからといってACCにすべての操作を任せてしまうような運転は危険です。ACCはあくまでも運転のサポート機能として利用し、ライダーはいつでも通常の運転操作ができるように準備しておくことを心がけるとよいでしょう。

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