自転車の修理と言えば? 誰もが遭遇するであろう「パンク修理」を解説
バイクのニュース / 2024年1月18日 13時10分
自転車屋に修理に持ち込んでも、中の人がどういう作業をしているのかは意外と知らないもの。自転車の修理と言えば誰もが思い浮かべる「パンク修理」について解説します。
■疑うことから始める「パンク修理」
毎日乗るものだからこそ、どうしても発生してしまう自転車の不具合。どんなに大事に乗っていたとしても、予想外のアクシデントや経年劣化によって修理をしなければいけない状況は発生します。ただ、シンプルな構成・構造だからこそ、よほど致命的な不具合でなければ比較的簡単に修理ができるのも、自転車の利点のひとつです。
自転車のパンク修理に必要なもの
自転車屋へ修理に持ち込んでも、中の人がどういう風に作業しているのかは意外と知らないもの。そこで、今回は自転車の修理と言えば誰もが思い浮かべるであろう「パンク修理」について紹介します。
と、その前に、作業手順や方法は人によって異なる場合があります。自転車の修理はゴールとするべき場所は同じであっても、その人が修行した店や教えてくれた師匠や先輩によって手法が異なることはよくあります。別の店に行って「そういうやり方もあるのか」と修理方法を観察するのも面白いのですが、今回紹介する内容は、あくまで一般的な修理の概要だと思ってください。
さて、自転車のタイヤの中にはチューブと一体化したタイプも存在しますが、多くはタイヤの中に独立したチューブが封じ込められた構造になっており、そのチューブに穴が開くことでパンクという不具合が発生します。穴が大きい、あるいは裂けていると、チューブの補修が不可能なので新品に交換しますが、穴が小さい場合は、ゴム製の修理パッチを貼って穴を塞ぎ、空気漏れを防ぐ修理を行ないます。
作業工程としては、まず本当にパンクなのか? を確認します。空気を入れるバルブの頭に装着された袋ナットが緩んでいたり、その袋ナットを外して取り出すことができる「虫ゴム」という空気漏れを防ぐ弁にひび割れや破れがあると、空気は抜けてしまいます。それらに問題がある場合は修理・交換し、とくに問題が無いのにすぐに空気が抜けてしまう場合はパンクの疑いアリとして、チューブに開いた穴を探します。
チューブの空気がすっかり抜けていることを確認したら、タイヤレバーを使ってタイヤの中からチューブを取り出します。取り出したチューブを目視しても穴を見つけることはかなり困難なので、チューブに空気を入れ、バケツなどに入れた水の中をくぐらせます。そうすると、穴が開いている箇所からプクプクと泡が噴き出してくるので、場所を特定することができます。
この作業を一般的に「水調べ」と言いますが、パンク修理をしていて一番厄介なのが、水調べをしても空気が漏れている箇所が特定できないことです。確かに空気は抜けていくのに穴が特定できない……となると、ほかの不具合を疑う必要があり、修理工程を最初から繰り返すことになります。
自転車のチューブは、水の中に入れて30秒に一回ぐらいの割合でポコンと小さな泡が浮かんでくるような、とても小さな穴でも数日経てばまともに走行できないぐらいペシャンコになってしまうので、水調べは慎重に行なう必要があります。
穴の位置が特定できたら、修理パッチを貼り付ける下準備を行ないます。穴の周辺をパッチの一回り大きい範囲で、サンドペーパーなどのヤスリで擦ります。そうすることでチューブの表面の剥離剤をはがして凸凹を均すとともに、ツルツルしている表面をザラつかせて「ゴムのり」という接着剤が定着しやすくします。
ヤスリでキレイに表面をならすことが出来たらゴムのりを塗るのですが、ゴムのりは普段使っている接着剤とは全く別の使用方法になっています。
一般的な接着剤は、塗ってから乾く前に部品を貼り付けますが、ゴムのりは逆で、しっかり乾燥させた後にパッチを貼ります。また、接着剤で何かを貼り付ける場合、ついたくさん塗りたくなってしまいますが、ゴムのりは薄く均等な厚さで塗り、ムラなく乾燥させることがコツです。
ゴムのりがしっかり乾燥したことを確認したら、パッチを乗せて圧着します。タイヤレバーの腹で擦ったり、専用のローラーを使ったり、なかにはハンマーで叩く人などもいますが、とにかく強い圧をかけて、パッチの端に浮き上がっている箇所が一切無いように貼り付けることが出来たらOKです。
その後、再び水調べで修理した箇所から空気が漏れていないか、ほかに穴が開いている箇所がないかを確認し、タイヤの中にチューブを戻したら修理は完了です。
自転車修理の代名詞とも言える「パンク修理」は、もちろん自転車屋でプロの整備士に依頼すると確実ですが、最近では100円ショップで簡易の修理セットが販売されているので、DIY気分でパンク修理に挑戦してみるのも良いかもしれません。
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