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400年間崩れずに残る「八王子城」の石垣 整備が行き届いた城跡に感動

バイクのニュース / 2024年1月25日 11時10分

1590年に落城した「八王子城」は、その後約400年間放置されていましたが、国の史跡に指定されて以降、発掘調査により当時の城の構造や生活の様子が見えてきました。国史跡「八王子城跡」(東京都八王子市)をスーパーカブで訪れ、城主の北条氏照(ほうじょううじてる)の居館があったとされる「御主殿」跡を散策しました。

■山城巡りの醍醐味、発掘・再現された石垣が見事!

 東京都八王子市にある関東屈指の山城、国史跡「八王子城跡」をスーパーカブで訪れました。急峻な山の頂に「本丸」が設けられた「八王子城」は、1590年の落城から400年後、1990年に八王子市の事業のひとつとして整備が行なわれたそうです。

スーパーカブで国史跡「八王子城跡」を訪れた。クルマや大型バス、バイク用の駐車場や散策ルートなど、整備が行き届いているスーパーカブで国史跡「八王子城跡」を訪れた。クルマや大型バス、バイク用の駐車場や散策ルートなど、整備が行き届いている

 広大な敷地面積の「御主殿(ごしゅでん)」跡や、そこへ到るまでの古道、出入り口の壮大な石垣や階段などが検出され、また「御主殿」を囲む大規模な石垣も発見されました。

 そこで専門家による整備計画として、古道から「御主殿」までの通路形態を再現するため、「曳橋(ひきばし)」と呼ばれる木製の橋が架けられました。「曳橋」は土台が残っていただけなので、現在の技術で戦国時代の雰囲気を考慮して作られたそうです。

 橋を渡ると櫓や門跡があり、大規模な石垣は400年間土の中で崩れずに残っており、目の前に見えるのはほぼ築城時の姿とのこと。

 様々な形に切り出された石を特殊な技法で積み上げる「野面積み(のづらづみ)」は、近江の「穴太衆(あのうしゅう)」に代表される職人の手によるもの。様々な形の石は独自の技術によって積み合わされ、隙間の多い見た目に反して外乱に強く、また水はけにも優れる、まさに当時最強の「盾」だったことを思うと、いつまでも眺めていたくなりました。

「御主殿」の「虎口(こぐち)」も技巧を凝らしていました。城や曲輪(くるわ)の出入口となる「虎口」は橋を渡った位置から「御主殿」内部までの高低差9m区間を「コの字」型に折れ曲がった階段通路として、敵の侵入を遅くする工夫が見られます。

 踊り場の跡には礎石が見つかっており、これにより物見や指揮のための櫓門があったことが想定されたそうです。排水のための石組側溝も発見されており、ほぼ当時のままとのこと。

廃城から約400年間、土の中で眠っていた石垣と石の階段。修復はされているものの、野面積みの石垣が強固な「盾」であったことを、改めて思い知らされる廃城から約400年間、土の中で眠っていた石垣と石の階段。修復はされているものの、野面積みの石垣が強固な「盾」であったことを、改めて思い知らされる

 櫓門跡を抜けると、見えて来たのは大きな平地です。これが「八王子城」の中心と言える場所で、北条氏照の居館があった「御主殿」跡と呼ばれています。大型の礎石建物跡や庭園、石敷通路、水路などの遺構が検出されたとのこと。

 目の前のこれらの礎石、庭石などは忠実に再現されたものだそうですが、近隣で採取された「八王子城」と同種の硬質砂岩を使用することでリアルな情景となっています。

 訪れた時も工事整備が行なわれており、見学者に対して環境がしっかり整えられている城跡だと感じました。さらに詳しく知りたい人は、ガイド付きの散策も面白いかもしれません。

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