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必要以上に気にし過ぎてない!? バイクの足つきをモータースポーツ総合エンターテイナーの濱原颯道が徹底解説

バイクのニュース / 2024年1月25日 12時10分

国内外で活躍するモータースポーツ総合エンターテイナーの濱原颯道選手が、「バイクの足つき問題」を解説してくれました。

■身長191㎝だからこそ分かる「バイクの足つき問題」

 皆さんこんにちは。モータースポーツ総合エンターテイナーを勝手に名乗っている、濱原颯道です。いまだに「モータースポーツ総合エンターテイナーって何?」と聞かれると、回答に困ってしまう私です。

 今回はバイク乗りの永遠のテーマである、「足つき」の話をしたいと思います。

 ちなみに僕は身長191㎝で体重は90㎏ほどあるので、足が付かないバイクはありません。だからこそ他の人よりも分かる事もあるので、それを書いていこうと思います。

モータースポーツ総合エンターテイナーの濱原颯道選手モータースポーツ総合エンターテイナーの濱原颯道選手

 なぜ今回、足つきについて書こうかと思ったかと言うと、僕は普段趣味でやっているハードエンデューロ(モトクロス形状のオフロードバイクで崖を登ったり急な勾配を駆け上がったりする競技)において、「足つき」はかなり重要項目であり、参加者はみんな、どうやって足つき性能を上げるかを考えています。

 つい先日、僕のお酒を飲む仲間兼バイク仲間であるAD/tacさんという方が、「ローダウンのメリット・デメリット」というブログを書いたので、僕はそれにただ影響されただけで、この記事を書こうと思いました。

 最初に、ローダウンといっても色々な手法があります。

 1番メジャーなのはサスペンションのストロークをカットし、サス長を短くする事。しかし僕的には「サスペンションのストロークカット≠足つきを良くする」ではないと思います。

 とはいっても、結果的に足つきは良くなる為、説明が難しいのですが、サスペンションのストロークカットをする人は、足つきを良くする事を目的にしている訳ではないという意味。

 僕のエンデューロバイクも前後ともローダウン加工をしていますが、それは足つきのためではなく、ディメンジョン的な意味で加工しています。

 この部分は、街中で乗った時のメリット・デメリットと、エンデューロ的なメリット・デメリットは大きく異なるので、別の機会にお伝えしたいと思います。

ちなみに僕が1000ccに乗ってもベッタリかかとがつく。自分の乗っていたJSB仕様は運動性能を上げるためにかなりシート高を上げていました。ちなみに僕が1000ccに乗ってもベッタリかかとがつく。自分の乗っていたJSB仕様は運動性能を上げるためにかなりシート高を上げていました。

 では本題である、僕の中で考えられる「足つきを良くする方法」について。

 イメージするバイクはオフロードマシンからロードマシンまで、なんでも大丈夫。座って運転している事を前提に、話をしていきます。

●ローダウン加工(サスペンションのストロークカット

 サス長を短くする事によって、足つきを良くさせる方法です。前後とも均等に低くなるイメージで、バイクが長くなったと感じますが、コンパクトに感じ易い方法。

 その他にリアのサスペンションを短くした事によって、スイングアームの角度が浅くなり(対置角と言われている)タイヤを路面に押し付ける力は減りますが、急激にグリップをしにくい分、アクセルを開けやすかったり、スライドコントロールがしやすくなったりする事もメリットです。

 デメリットは、フレームの下側を地面に擦りやすくなる事です。

●シート高を下げる(あんこ抜き)

 これはオン・オフ問わず最もポピュラー且つ、お金がそんなにかからない、足つきを良くする方法です。シートの中身を減らす事でシートの座面が下がることにより、必然的に足つきが良くなります。

 メリットは、足つきが良くなる事のみ。デメリットは、シートの座面のみが下がるので、ハンドルが高く感じたり、フロントタイヤに荷重を掛けにくくなる事。

 そして、ステップとシート座面の距離が近くなる事で、膝の曲がる角度が深くなり、バイクの上で立ったり座ったりなどの動作がやりにくくなる事。主にこの2つが、デメリットだと思います。

これはサスペンションのローダウン。なんとなく奥からの踏ん張りが強くなるので二次曲線的にサスペンションのストロークが固くなっていく感じこれはサスペンションのローダウン。なんとなく奥からの踏ん張りが強くなるので二次曲線的にサスペンションのストロークが固くなっていく感じ

 ちなみに、この2つのデメリットを消しつつシート加工のみで足つきを良くする方法があります。

 それは「シートの角を削ぎ落とす」事。バイクはシートの座面が広いほど足を開かないと跨げないので、その分足つきが悪くなります。

 僕の友達に、筋トレをし過ぎて太ももの内側が太くなり、シートの角にさらに当たるようになってしまい、足つきが悪くなったという方がいるのですが、そのくらいシートの形状は足つきに影響します。

 とは言っても、この方法ではシートの座面の上辺がシャープになる分お尻と触れ合う面積が減り、ピンポイントでお尻を攻撃して来ますが、それは我慢してください。

 あんこ抜きをしていないので、シートの座面とステップとの距離関係も変わらないので、バイクの上で立ったり座ったりするのもし易い上に、足つきも改善します。

 なお、この方法は削るほどスポンジが厚くないバイクに乗っている人は、諦めてください(笑)

●プリロードを抜く(イニシャルを抜くとも言う) 

 サスペンションは人間が跨ってない状態でも、スプリングに対して縮める方向にテンションがかかっています。

 それをプリロードと呼ぶのですが、このプリロードを緩めると1Gと言われている、人間が跨った時の高さが変わります。これを、サグ出しという名称で呼ぶ方もいて、乗る人の体重によってその辺を細かく調整するのですが、ひとつのスプリングで出せるサグには限りがあります。

 なお、プリロードを抜けば抜くほど足つきは良くなるのですが、本来サスペンションが持つ適正な反発感はどんどん減っていきます。そうなるとタイヤの押し付けも減りますし、いつサスペンションが踏ん張り出すのかも読めない状況になってしまうので、注意してください。

これは僕のCR250Rで、エンデューロで使っているもの。フロントはローダウンせずリアサスペンションのみローダウン。ホイルベースが外車に比べて短いのでローダウン加工をしてもバランスよく見えるこれは僕のCR250Rで、エンデューロで使っているもの。フロントはローダウンせずリアサスペンションのみローダウン。ホイルベースが外車に比べて短いのでローダウン加工をしてもバランスよく見える

●バネレートを下げる 

 先ほどのプリロードと似ているのですが、サスペンションのスプリングを弱くすると沈み易くなり、その分足つきが良くなります。しかし、これで「足つき良くなった~」と思うのは本当に大きな間違いで、僕も以前やっていた手法なのですが、愚かな行為でした。

 いざバイクを降りようとした時など、サスペンションが無負荷状態になった際、すごく伸びて来ます。この状態を僕はお尻にまとわりつく感じと表現しており、サスペンションは基本的に沈む方向がメインの仕事なのですが、柔らかくして沈んだ分、伸びる方向の距離も増えてしまいます。

 そして、お尻とシートの座面に空間を作りたいような時にピタッとくっついてしまい、立ちゴケなど誘発する危険性が高まるのです。

 一方で、この方法は体重が軽い人が自分に合った適正レートに下げる分には問題ありません。

 体重的には適正な状態のバイクの足つきを良くするために、バネレートを下げることが間違い。文章では説明しきれないので、しっかりと説明して欲しい人は、僕のスクールに来てください。

 他にもローダウンリンクなどと言われるものもあるのですが、足つきを良くするために行う加工は基本的にデメリットが多いもの。そんなデメリットよりも「足がつく方が安心」という人もいると思うので、その場合はその道のプロに相談するようにしましょう。

これが記述してある「角を落とす」加工をしたシート。センターの部分は高く、ステップとの距離を稼げているので立ったり座ったりがしやすいが、シャープな分足つき性能が良くなっているこれが記述してある「角を落とす」加工をしたシート。センターの部分は高く、ステップとの距離を稼げているので立ったり座ったりがしやすいが、シャープな分足つき性能が良くなっている

 このように、足つきを良くするための方法はたくさんあります。メリット・デメリットが分かっていれば、自分に合った足つきの良さを生み出す手法は思い浮かぶかと思います。

 バイクは全てのトータルバランスが良い時ほど、楽しめる乗り物です。しかし、極端に足つきのみを良くしたいがために、フロント周りとの協調性もないまま、走っているようなバイクをよく見かけます。

 信頼できてバイクのことに詳しい人に見てもらったり、自分が運転している時の写真を横から撮ってもらったりして違和感があれば、そこから調整して行くのが良いかと思います。本当は、プロの人に教わるのが手っ取り早いんですけどね。

 いかがでしたか?足がつくから安心感が出て、よりバイクに乗りたいという気持ちが高まるという意見も分かりますが、バイクはなるべくノーマルの状態で乗るのが良いよという記事でした。

 僕みたいな、ほとんど足つき問題には無縁の体型をしている人に言われても、響かないかもしれませんが、少し意識してもらえると嬉しいです。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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