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ワクワク感が止まらない!BMW Motorrad「M1000RR」は公道走行可能なカリカリのレーシングスペック レーシングライダー石塚健の市販車インプレッション

バイクのニュース / 2024年1月31日 12時10分

レーシングライダーの石塚健選手が試乗した、BMW Motorrad「M1000RR」の乗り味をレポートしてくれました。

■久しぶりのBMW Motorradは「M1000RR」

 皆さんこんにちは!レーシングライダーの石塚健です。

 今回試乗したのは、BMW Motorrad「M1000RR」の新型2023年コンペティションモデル!

 以前編集長に次は何に乗りたいと聞かれた時に、BMW Motorradに乗りたいとリクエストしていたのですが、念願叶ってBMW Motorradの3車種に試乗してきました!

 その為、ここから連続でBMW Motorradのインプレが続きますので、是非ご覧いただけると嬉しいです。

BMW Motorrad「M1000RR」とレーシングライダー石塚健選手BMW Motorrad「M1000RR」とレーシングライダー石塚健選手

 僕はレーシングライダーとしてこれまで、BMW Motorradと共に多くのレースに参戦してきました。

 全日本選手権や世界耐久選手権、鈴鹿8耐での優勝もBMW Motorradの強みを活かして成し遂げたものでした。

 そのため、他メーカーに比べても個人的には馴染みがあるBMW Motorradの車両ですが、今回試乗した2023年モデルのM1000RRは初乗り。

 しかも今回はサーキットではなく公道という事で、今までの感覚とはまるっきり別物になりますが、以前の記憶を蘇らせつつお伝えしていこうと思います!

 という事で、この新型M1000RRの旧モデルとの大きな変更点は、カウリングやエアロパーツなどの外装類が改良されて、空力性能が更に向上したというところ。見た目は全体的に、幅が広くなった印象です。

BMW Motorrad「M1000RR」の鋭い加速感とパワーを楽しみながら走行する石塚健選手BMW Motorrad「M1000RR」の鋭い加速感とパワーを楽しみながら走行する石塚健選手

 カウルは軽量かつ丈夫なカーボン!しかもメーター回りやホイールまでカーボン、カーボン、カーボン!という感じで、高級感満載。めちゃくちゃカッコ良いです。

 エンジン出力は同等ながら最高速度をアップさせ、更にコーナーでのバンク時にもダウンフォースが大幅に増加されています。

 ウイングレッドのサイズもかなり大きくなっているので、存在感もアップしています。

 そしてカーボン製のブレーキ冷却エアダクトと、新たにフロントマッドガードが装備された事により、サーキット走行においては、ブレーキの温度を最大10度も低下させてくれるとのことです。

■やっぱりサーキットを走りたい!

 前振りが長くなってしまいましたが、早速跨っていきたいと思います。

 まず、足つき性ですが決して良いとは言えません。シート高832mmとかなり高く、身長165㎝の僕は両足のつま先がなんとか地面に着くくらい。

 サスペンションやシートそのものの違い等、様々な要因はあると思いますが、僕がレースで慣れ親しんだS1000RRや旧モデルのM1000RRに比べても、若干高く感じます。ただ、数値的には同等なので、どこが違うのかは不思議です。

BMW Motorrad「M1000RR」の足着き。シート高832mm、身長165㎝の僕が跨ると両足のつま先がなんとか地面に着く程BMW Motorrad「M1000RR」の足着き。シート高832mm、身長165㎝の僕が跨ると両足のつま先がなんとか地面に着く程

 それでは走行していきます。

 まず、半クラッチにした途端に勢いよくズズズッと前に出ていき、やはりサーキットで走らせるのとは感覚が違い、公道だと若干怖さを感じるくらいでした。

 高回転まで引っ張っていくと、とにかく速い。どこまでも伸びていくなぁという感じです。

 それから乾いた排気音がたまらなくイケている。ブレーキの効きも凄く良いので、走るのはもちろんの事、曲がる、止まる、全てのパフォーマンスが驚くほどクイックで繊細でした。

 ポジション的にやはり長距離運転には不向きな前傾姿勢ですが、そんな時に便利なのがアクティブ・クルーズ・コントロール。

 スティックをポチッと1回押すだけで速度を固定でき、前走車との車間距離を保つことができるので、長距離運転、高速道路を走る際には使ってみて欲しい機能です。

BMW Motorrad「M1000RR」の鋭い加速感とパワーを楽しみながら走行する石塚健選手BMW Motorrad「M1000RR」の鋭い加速感とパワーを楽しみながら走行する石塚健選手

 それから嬉しい装備がグリップヒーター!

 この撮影日はとても寒かったのですが、手元が冷えないだけでかなり快適。気持ちに余裕が生まれ、安全性も格段に上がると思うので、とても有難い。

 正直なところ、このM1000RRはサーキットでの200㎞/hから300㎞/hの領域で本領を発揮するバイクだと思うので、公道では持っているポテンシャルの半分くらいしか体感出来なかったかな?というところではありますが、究極のマシンであることは感じられた上に、そんなマシンを操っているというワクワク感が本当に楽しかったです!

 カリカリのレーススペックを公道で走らせている。そんなイメージでした。

BMW Motorrad「M1000RR」とレーシングライダー石塚健選手BMW Motorrad「M1000RR」とレーシングライダー石塚健選手

 そんなM1000RRの印象をシンプルに表すと、「速い!」、「目立つ!」、「カッコイイ!」、「デカイ!」、「楽しい!」です。

 次回はサーキット走行をしたいなと言う感じ。そしてまた、いつかこの車両でレースに出たいなと思いました。

 BMW M1000RRの売価格(消費税込みは、ベーシックモデルが384万9500円、Mコンペティションパッケージが448万8500円です。
 
 この記事を見て、少しでもM1000RRに興味を持ってもらえていたら嬉しいです。

 気になった方は是非、お店で試乗してみてください。くれぐれも、立ちゴケには要注意です!

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