AirTagでバイクが盗難の被害に？ 気をつけるべきポイントは

AirTagを使用したバイクの盗難がたびたび話題に上がりますが、具体的にはどのような手口なのでしょうか。また、自分のバイクに不審なAirTagが付けられているのを発見した場合、どのように対応するべきなのでしょうか。

■AirTagを使用した追跡に注意！バイク保管場所がバレて深夜に盗まれることも！？

　iPhone、Macなどで知られるアップル社が2021年に発売した商品「AirTag」は、持ち物を無くした際、音を鳴らしたり位置情報を利用したりしてすぐに見つけられる「忘れ物トラッカー」です。

iPhone、Macなどで知られるアップル社が2021年に発売した商品「AirTag」

　家の鍵や財布のように重要なアイテムにつけて、無くしてもすぐに見つけられるよう管理している人も少なくないでしょう。

　しかし、そんなAitTagが犯罪に使われるという事例がたびたび発生し、問題視されています。その犯罪の中には、バイクやクルマを狙う窃盗団の仕業と見られる事例もあるようです。

　では、どのような仕組みでAirTagがバイクやクルマの盗難に使用されるのでしょうか。

　AirTagは、持ち主から離れてしまった場合でも周りに近づいたiPhoneの通信を利用し、自らの位置をインターネット経由で持ち主に知らせます。これを利用し、窃盗団は盗難のターゲットとなるバイクやクルマの裏側等にエアタグを設置するのです。

目当てのバイクやクルマを見つけると、フェンダーの裏側などにAirTagを設置されることがある

　彼らは商業施設の駐車場やコインパーキング等で目当てのバイクやクルマを見つけると、フェンダーの裏側や地面に近い車体の裏側などにAirTagを設置します。所有者がそれに気づかずに保管場所まで戻ってしまうと、窃盗団に保管場所の位置情報が伝わってしまいます。

　商業施設の駐車場のように人通りが多いところでは盗めないバイクでも、閑静な住宅街や人通りの少ない駐車場に保管されている場合は盗める可能性が上がります。また、窃盗がおこないやすい0時過ぎ〜夜明け前にかけての時間帯では、ほとんどのバイク、クルマが自宅などの保管場所にあることも影響しています。

　また、バイク本体の盗難だけでなく、ストーカー行為の手段としてAirTagが用いられることもあるようです。

　実際に、高級車にAirTagが高級車に取り付けられており、ディーラーでの点検によって明らかになった例や、女性ライダーのバイクにAirTagが付けられていた例も報告されており、本来の使い方ではない、犯罪になるようなAirTagの使い方がされていたのは事実です。

　では、バイクやクルマを所有する側としてはどのような対策ができるのでしょうか。

アップルは2022年のアップデートで、持ち主から離れたAirTagが、一定時間自分と一緒に移動していると、スマートフォンにアラートが届く機能を追加した

　アップルは2022年のアップデートで、持ち主から離れたAirTagが、一定時間自分と一緒に移動していると、スマートフォンにアラートが届く機能を追加しました。これにより、盗難やストーカーの手段としてのAirTagの使用は、やや難しくなったと言えるでしょう。

　バイクに乗っている際に万が一そのアラートを見つけた場合、自宅にはそのまま戻らず、バイクの販売店などに立ち寄って不審なAirTagがないかどうか確認する必要があります。アラートの通知を開くとAirTagから音を鳴らすことも可能なため、発見の際に活用すると良いでしょう。

　そのまま捜査を続けていくと、AirTagのトラッキング機能をオフにすることができます。AirTagを発見した後は慌てずトラッキング機能をオフにし、最寄りの警察署に相談するとよいでしょう。

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　バイクの盗難にAirTagが使用される手口は存在するものの、不審なAirTagに関するアラート機能が実装されたことにより、盗難に使用されるリスクは減ったと言えるでしょう。

　しかし、AirTagを悪用した盗難が完全になくなった訳ではありません。万が一バイクにAirTagが貼り付けられているのを発見した場合は、正しい手順を踏んで対応する必要があると言えるでしょう。