自転車の歪みで身体が歪む!? 「曲がる」を支える3部品の重要性をチェック
バイクのニュース / 2024年1月27日 17時10分
自転車が自分の思い描く通りに曲がることができないのは、いざという時に大きなトラブルを引き起こすことになりかねません。また、正常に曲がらない自転車に乗り続けることが、人の身体に悪影響を与える可能性があることはご存知でしょうか?
■本来の自転車は、身体に変な負荷を与えません
自転車の基本的な動きは「走る」「止まる」「曲がる」の3つ。そのうちひとつでも損なわれてしまうと、正常に走行することはできません。タイヤやチェーンをはじめとする駆動系の「走る」や、ブレーキまわりの「止まる」については常日頃から多くの人が気をつけてメンテナスなどをしていると思いますが、意外と見落としがちなのが「曲がる」に関わるパーツのメンテナンスです。
自転車の歪みは、安全と健康に悪影響を及ぼす可能性がある
自分の思い描く通りに、正確に曲がることができない自転車は、いざという時に大きなトラブルを引き起こすことになりかねません。そしてまた、「曲がる」に関連する部品に不具合がある状態で乗り続けると、身体に悪影響を与える可能性もあります。
自転車の「曲がる」に関連する部品は、大きなところでは「フロントフォーク」、「ハンドル」、そして「サドル」になると思います。
「フロントフォーク」はハンドルと前輪をつなぐ役目を持った部品で、ハンドルを動かして行ったかじ取りを前輪に伝える重要な役割を果たしています。形状としてはその名の通り、歯が2本のフォークのようになっていて、2本の歯で前輪を挟んでいます。ちなみに、世の中には歯が1本だけの特殊なフロントフォーク(片持ち式)も存在しますが、今回は例外とします。
フロントフォークは基本的に2本の歯が平行になっていて、あらかじめ定められた「キャスター角」という角度でハンドルより少し前へ突き出すような形で取り付けられています。そうなっていることで自転車の直進性が確保され、まっすぐ進むことが可能になります。
一見すると「曲がる」とは関係なさそうに見えますが、2本の歯の平行がずれていたり、「キャスター角」が大き過ぎ、または浅過ぎたりすると、自転車は勝手に左右のどちらかに曲がり続ける状態になってしまいます。
そうなると思わぬところでハンドルが勝手に動いたり、カーブの大きさが思っているものと異なってしまったりと、悪影響を与えます。つまり、自転車の直進性と「曲がる」は表裏一体なのです。
なお、不具合が発生したフロントフォークについては補修・修理が困難で、基本的には部品の交換になるかと思います。
「ハンドル」については、取り付ける角度が重要になります。自転車のフレームと直角に、前輪の車軸と並行になるように取り付ける必要があります。それがずれていると運転にはかなりの違和感があり、実際にハンドルの可動域が想定と異なるので思うように曲がることができなくなります。
自転車を組み立てる際のハンドルの取り付け角度については、慣れた人でも意外と神経を使う作業です。ただ、ハンドルの角度調整は必要な工具さえあれば短時間で行なえる作業でもあるので、必要に応じてすぐに調整することができます。
なお、「角度がずれている」のではなくハンドル自体が歪んでしまい、左右対称ではない場合は、ハンドルを交換しなければいけません。歪んでいるハンドルも角度がずれているハンドルと同様に、想定外の動きを引き起こす可能性があるので、早急に交換することをオススメします。
そして「サドル」も、自転車の進行方向に向かって真っすぐ取り付けられている必要があります。「曲がる」とは関係なさそうですが、自転車が曲がる時はハンドルのかじ取りだけではなく、運転者の重心移動が大きな役割を担っています。
曲がったサドルでは自然な重心移動ができず、キレイなカーブを描くことができません。サドルは乗り降りを繰り返すことで、どうしても角度がずれがちです。一般的なサドルはその下にあるレバーを回すことで簡単に角度を直すことができるので、こまめにチェックしましょう。
ここで紹介してきた自転車の「曲がる」に関わる部品について、整備不良があると自転車の動きに不具合が出るのは当然ですが、その状況を誤魔化して乗り続けると、運転している人の身体、とくに腰や肩などにダメージが蓄積していく可能性があります。
進行方向にまっすぐ進まない自転車を無理矢理に直進させようとしたり、通常ならスムーズに曲がれるところを余計な力を加えないと曲がれない場合、身体には何らかのひねりが加わった状態になります。
身体をひねりながらペダルを漕ぐことは股関節の回転運動に負担であり、それが常態化すると、身体のバランスが崩れて痛みなどを感じることになります。
毎日乗っているとなかなか自転車の歪みに気づかないかもしれませんが、日常生活で身体の関節などに何らかの違和感がある場合は、自転車が原因という可能性もあります。
安全のためだけでなく、自分の身体のためにも毎日使う自転車に歪みが発生していないか、ぜひチェックしてみてください。
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