ペダルを漕がなくても進む自転車っぽい「電動自転車」に要注意!! 電動アシストの正しい知識を
バイクのニュース / 2024年2月3日 8時10分
「電動自転車」=「モペット」は自転車ではなくバイク(モーターサイクル)です。自転車のつもりで運転して良い乗りものではなく、正しく安全に乗るには知識が必要です。
■見た目は「電動アシスト自転車」、実際は電動の「モペット」
先日、都内で「電動自転車」を無免許で運転中に信号無視をして自転車に乗る女性に衝突し、怪我をさせたとして無免許危険運転致傷などの疑いで20代の男性が書類送検されたという報道がありました。
東京都内で男性が「モペット」(ペダル付きの電動自転車)に乗り、女性が乗る自転車に衝突。女性に怪我を負わせ、無免許危険運転致傷などの疑いで書類送検された(写真はイメージです)
「電動自転車」はいわゆる「モペット」などと呼ばれる乗りもので、よく「電動アシスト自転車」と混同されがちなのですが、まったくベツモノです。
見た目はペダル付きで、自転車のようにペダルを漕いで進むこともできますが、モーター(電動機)の力だけで自走することも可能です。なかには時速30キロ近いスピードを出すことができる車種も存在します。
名前にこそ自転車が入っていますが、分類としては「バイク(モーターサイクル)」の仲間です。したがって「電動自転車」を自走させる場合にはウインカーなどの必要な装備を揃え、ナンバープレートの掲示、運転免許所持やヘルメットの着用、自賠責保険への加入が必須になります。
一方の「電動アシスト自転車」(e-BIKE)は、あくまで搭載しているモーターは乗っている人を補助し、人がペダルを漕がなければ走行できず、ペダルを漕ぐのを止めれば補助機能も停止します。
そして日本では、時速24キロ以上に達したらアシストしてはいけないという法律があるため、モーターが搭載されていても最高速度を上げるわけではなく、基本的には「自転車をラクに乗る」ための機能しか備えていません。自転車の延長線上にある乗りもので免許などは必要なく、誰でも乗ることができます。
条件を満たさずに公道を“バイクとして”走行している「電動自転車」は明らかに道路交通法違反であり、“自転車のつもり”で乗り回すことは他の人を巻き込む事故に発展する可能性が大きく、全国的にも取り締まりは強化されているようです。が、思うように進んでいない現状もあるようです。
見た目がガソリンエンジンを搭載するモペットと違い、「電動自転車」は「電動アシスト自転車」とほぼ変わらないため、一瞬で見分けることは困難でしょう。
また、ペダルを漕いで進んでいるのか、バイクとして自走しているのかも見分けがつかず、それも判別しづらい要因になっているようです。
そして「電動自転車」を購入する際も、専門店を介さずインターネットなどで気軽に入手できるので、必須条件を知らずに乗って違反するユーザーの存在も無視できません。
実際に事故を起こした後で「知らなかった」と言っても後の祭りです。今回の事故で書類送検された男性は「周りの人も使っているので取り締まりは受けないと思っていた」と語ったそうですが、法律違反以前に、まずは安心・安全に心を砕くべきでしょう。
自転車を含め、自分が運転する乗りもののすべては、他人を事故に巻き込むだけでなく、自分自身の命を危険にさらす可能性があることを理解する必要があります。そのためには、手に入れたいと思う乗りものについて見た目や機能性だけではなく、関連する法律など周辺の知識も確認するべきでしょう。
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