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石畳や路面電車の線路も滑らず力強く加速! リスボンでBMW電動CE02が機動力の高さ見せつけた!!【速報】

バイクのニュース / 2024年2月5日 12時50分

BMWがポルトガル・リスボンにて開催した「CE 02 インターナショナル・メディアローンチ」(国際発表会)に、バイクライターの青木タカオさんが参加しました。まずは速報ですが、濃厚なレポートが届きましたので、お伝えいたしましょう。

■3弾目となるBMW MotorradのEV二輪

 電動のニューモデルとして『CE 02』が発表されたのは、2023年7月にドイツ・ベルリンでおこなわれたイベント「Pure&Crafted」(ピュア&クラフテッド)でのこと。以来、日本の公式ウェブサイトにも掲載され、日本でも発売予定とされてきました。

 そして1月下旬、BMW Motorradはポルトガル・リスボンで「CE 02 インターナショナル・メディアローンチ」を開催。いよいよ我々が購入できる日が、間近に迫ってきているのでしょう。

BMW Motorradはポルトガル・リスボンで「CE 02 インターナショナル・メディアローンチ」に参加したBMW Motorradはポルトガル・リスボンで「CE 02 インターナショナル・メディアローンチ」に参加した

 EVバイクはすでにコミュータータイプが販売され、配達業務などにも導入されています。その一方で、ホビーユース向けはまだ珍しく、原付の枠を超えたカテゴリーではBMW Motorradが積極的に電動モデルをリリースしてきました。

『Cエボリューション』を2016年に発表し、2022年には『CE 04』を市場に投入。今回の『CE 02』は、それに続く第3弾と言えます。

■フルパワー仕様は軽二輪枠に相当

 現地では最高出力11kW(約15PS)のフルパワー仕様と、4kW(約5.4PS)に出力を抑えた仕様があり、後者はクルマの免許にも付帯するAM免許でヨーロッパ(EU/EEA内)では乗ることができます。

『CE 02』の試乗会では、最高出力11kW(約15PS)のフルパワー仕様のモデルが用意されていた『CE 02』の試乗会では、最高出力11kW(約15PS)のフルパワー仕様のモデルが用意されていた

 ジャーナリスト向け試乗会で用意されたのは、11kWを発揮するモデルで、最大トルク55Nm(5.6kg-m)、最高速度は95km/hに達します。

 日本における電動バイクの免許区分は定格出力で定められ、『CE 02』は6.5kW。1.0kW超~20kW以下は「軽二輪」扱いとなり、ガソリンエンジンなら高速道路にも乗ることができる126~250ccのクラスに当てはまります。

■フレンドリーな車体サイズ

 前後14インチの足まわりを持つ車体は、見た目のサイズ感も軽二輪クラスに相当するもの。全長1970mmで、たとえばホンダならフロント14/リヤ13インチの『ADV160』(全長1950mm)とほぼ同じ長さ。

 前後12インチの『グロム』(全長1760mm)より大きく、『CB125R』や『CB250R』(全長2020~2040mm)といった前後17インチのフルサイズ車と比較すると、若干ながらコンパクトな印象です。

 またがると小さすぎず、それでいて気負わず乗れる、街乗りに丁度良いと感じるサイズ感です。車体重量は132kgしかなく、取り回しに苦労することはありません。

シート高は750mmと低く、身長175cm/体重65kgの筆者だと、地面に下ろした両足はカカトまでベッタリ届くシート高は750mmと低く、身長175cm/体重65kgの筆者だと、地面に下ろした両足はカカトまでベッタリ届く

 シート高は750mmと低く、試乗車にはクッション厚を増した+10mmのハイシートが取り付けられていました。より快適で、乗り心地の良いシートです。

 写真の通り身長175cm/体重65kgの筆者だと、地面に下ろした両足はカカトまでベッタリ届き、足つき性に優れることがわかります。

 スケートボードのように座面が真っ直ぐ平らなシートは、前後移動がしやすく自由度が高い。ステップもフロントとリヤ、どちらも使えます。

 トランスミッションはなく、シフトチェンジペダルはありません。操作は右手のアクセルグリップをひねるだけ。レバーでブレーキをコントロールでき、右が前輪、左が後輪となります。

ゆったりと流すならリラックスできるフロントのペグに足を置き、スポーティに走るときはバックステップになるパッセンジャー用のペグという具合に使い分けることができるゆったりと流すならリラックスできるフロントのペグに足を置き、スポーティに走るときはバックステップになるパッセンジャー用のペグという具合に使い分けることができる

 ゆったりと流すならリラックスのできるフロントのペグに足を置き、スポーティに走るときはバックステップになるパッセンジャー用のペグという具合に使い分けることができました。

 開発責任者に、どちらのステップを利用することを想定しているのか聞くと、「状況や好みによって、ご自由に」とのこと。気分次第にケースバイケースで、フットポジションを変えて走行ができるのです。

 座面が平らなシートによって、着座位置も自在に調整でき、ライポジの自由度がとても高い。駆動輪にトラクションが効率よく掛かる場所を探したり、アップハンドルに合わせた楽な姿勢になるポジションを見つけたり、立ったり座ったり。乗車姿勢だけでも追求すればキリがなく、いろいろなポジションで乗ってみました。

■スマホとのリンクが前提

 スマートキーが採用され、ポケットにキーフォブを入れておけばイグニッションをONにできます。注目ポイントのひとつは、スマートフォンのBMW Motorrad Connected アプリでBluetooth接続ができ、ナビ機能などを使うことを前提にしていることです。

注目ポイントのひとつは、スマートフォンのBMW Motorrad Connected アプリでBluetooth接続ができ、ナビ機能などを使うことを前提にしている注目ポイントのひとつは、スマートフォンのBMW Motorrad Connected アプリでBluetooth接続ができ、ナビ機能などを使うことを前提にしている

 モバイルフォンを取り付けるためのホルダーや、充電するためのUSB Cポートがハンドルまわりに予め用意され、スマートフォンを取り付けた状態でコックピットまわりがデザインされています。つまり、スマホが後づけでジャマな存在ではないのです。

 見た目にスッキリと、モバイルフォンがコクピット周りに収まっていて、機能的にもナビの他、走行記録やバッテリーの残量情報(航続可能距離)などをディスプレイすることができます。

 さらに車体側のハンドルスイッチにて、ナビ画面を切り替えるなどスマホ・アプリを操作可能。グローブをはめた手で、タッチパネルが操作できないなんて心配はありません。

■レスポンス異なる3つのモード

 車体側のメーターパネルでは、バッテリー充電レベルや航続可能距離、走行スタンバイ、速度、各種インジケーターを見やすく表示し、「PURE RIDE」画面に切り替えればスピードを大きく表示するなど賢い多機能メーターとなっています。

車体側のメーターパネルでは、バッテリー充電レベルや航続可能距離、走行スタンバイ、速度、各種インジケーターを見やすく表示車体側のメーターパネルでは、バッテリー充電レベルや航続可能距離、走行スタンバイ、速度、各種インジケーターを見やすく表示

 スロットルレスポンスの異なる3つの走行モードが設定され、「FLOW」はソフトで穏やか、「SURF」は中間、「FLASH」にするとダイレクトで右手のスロットル操作によりリニアに反応します。

 いずれの走行モードでもMAXパワーは変わらず、異なるのはピークに達する5000rpmへ到達するまでのレスポンスです。

■動きの良い前後サス

 電動らしく、最大トルクは1000rpmと早い段階で発揮。体感的にも、停止からのスタートダッシュが鋭く、ストップ&ゴーを繰り返す街乗りはもっとも得意とするところ。身のこなしが軽く、キビキビ走ります。

体感的にも、停止からのスタートダッシュが鋭く、ストップ&ゴーを繰り返す街乗りはもっとも得意とするところ体感的にも、停止からのスタートダッシュが鋭く、ストップ&ゴーを繰り返す街乗りはもっとも得意とするところ

 リスボンの旧市街はアップダウンが多く、狭い路地がほとんど。スペースがあれば、クルマが隙間なく縦列駐車され、残された走行スペースは実質1~1.5車線分しかないところが珍しくありません。

 石畳の道が多く残り、さらに路面電車のための線路も敷かれています。トラムの分岐点では線路が複雑にクロスし、そこを二輪車で斜めに横切るのは恐怖心を感じるほどですが、前後14インチと大きめのホイール径と、ソフトに動くインナーチューブ径37mmの倒立式フロントフォークのおかげで、ハンドルをとられることなく、レーンチェンジもぐいぐい敏速におこなえます。

■空転せず力強くダッシュ!

 強い駆動力をスタート時から発揮する電動バイクですから、停止状態や極低速からの発進ではスロットルワークに気をつけなれけばなりません。

 最初のうちは慎重になっていましたが、150mmと図太いリヤタイヤは空転せず、しっかり路面を捉えて食いつくではありませんか。

石畳の道が多く残り、トラムの分岐点では線路が複雑にクロスし、二輪車で斜めに横切るのは恐怖心を感じるほどですが、150mmと図太いリヤタイヤは空転せず、しっかり路面を捉えて食いつく石畳の道が多く残り、トラムの分岐点では線路が複雑にクロスし、二輪車で斜めに横切るのは恐怖心を感じるほどですが、150mmと図太いリヤタイヤは空転せず、しっかり路面を捉えて食いつく

 フロント同様、リヤサスペンションもしなやかに動き、路面追従性に優れるのとともに、トラクションコントロールがすべてのモードで働き、タイヤをスリップさせません。

「FLOW」や「SURF」でも加速はシャープで気持ち良く加速しますが、もっともアグレッシブな「FLASH」に切り替えても、スロットルワークで神経質になる必要はありません。EVならではの強烈なダッシュを、滑りやすい環境であるにも関わらず堪能できるのです。

■都会で発揮する機動力の高さ

 行き止まりで、Uターンができないほどの狭い道に迷い込んでも、リバースモードが車体を簡単に後退させてくれるのも、電動ならではの強みになっているでしょう。

 車体が軽いので、両足をバタバタさせて後ろへ下がるのも容易いですし、押して歩くのも面倒ではありません。

交通量が多く、複雑に路地が入り組むリスボンが国際試乗会の舞台に選ばれたワケも合点がいく交通量が多く、複雑に路地が入り組むリスボンが国際試乗会の舞台に選ばれたワケも合点がいく

 交通量が多く、複雑に路地が入り組むリスボンが国際試乗会の舞台に選ばれたワケも合点がいきます。こうした軽快性とすばしっこさが『CE 02』の持ち味で、都会で活かせる機動力の高さを我々ジャーナリストらにBMWの開発チームは味わってほしいのです。

 もちろんABSを搭載。減速時は「FLOW」と「FLASH」で回生ブレーキが働き、エンジンブレーキの役割を果たします。

「FLASH」モードでは強力に回生ブレーキが効き、低速走行ならブレーキレバーを握らずともアクセルを戻すだけで、かなりの速度を落とすことができたことも報告しておきましょう。

■充電は家庭用電源で可能

 気になるのは走行可能距離です。WMTCモードで95kmと発表されています。リスボンではバッテリー消費に気遣うことなく、加減速を繰り返し、3段階のグリップヒーターも容赦なく使用。電源を入れたまま、しばらくナビ画面を操作するなどしましたが、60kmの走行を終えてもバッテリーはまだ21%の残量がありました。

 この時点でスマートフォンのアプリでは、残り18kmの走行が可能であると表示。さらにバッテリー残量が少なくなれば、「低電力モード」に切り替えるためのメッセージが表示され、任意で設定することができます。

 ハンドル右のボタンでシートのロックを解除でき、簡単にシートを取り外すことができます。シート下には、12Vリチウムイオンバッテリーを前後に2つ積んでおり、充電状態はメーター画面やスマホのアプリでいつでも確認することができます。

充電ポートは車体の左側にあり、保護キャップを外すとコネクターが姿を見せる充電ポートは車体の左側にあり、保護キャップを外すとコネクターが姿を見せる

 充電ポートは車体の左側にあり、保護キャップを外すとコネクターが姿を見せました。バッテリーを車体に積んだまま、専用の充電ケーブルを用いて、家庭用コンセントにてチャージが可能。クイックチャージャーにより、もし日本の家庭用100V電源を使った場合、140分で80%、210分で100%の満充電ができます。

■都市高速もこなす巡航力

 先導ライダーが案内してくれた試乗コースは、迷路のような旧市街も走りましたが、クルマの流れの速い幹線道路も走りました。

クルマの流れの速い幹線道路でも、高い速度域でのクルージングを快適にこなすクルマの流れの速い幹線道路でも、高い速度域でのクルージングを快適にこなす

 そこで気づくのは、ストリートバイクとみくびれない車体の落ち着きと安定感があり、高い速度域でのクルージングも快適にこなすことでした。

 スペックを見たとき、最高速度は100km/hに満たないので、交通の流れが速いシーンではどうなのか心配もありましたが、加速力に長け、クルマの流れをリードできます。

 首都高など、都市高速道路なら問題のないレベルと考えられます。首都圏や名古屋・大阪・福岡など、日本の都市部で乗るにはうってつけではないでしょうか。

 ポルトガルにて試乗したBMW Motorradの新型EV二輪車『CE 02』、まずは速報でお伝えいたしました。

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