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【MotoGP2024公式テスト】中上貴晶選手、有意義なオフシーズンを過ごしてポジティブに迎えたセパン

バイクのニュース / 2024年2月14日 7時10分

2023年シーズンのMotoGPを終え、2024年シーズンに向けて中上貴晶選手はどのように準備をしてきたのでしょうか。「ターゲットを見据えることが難しかった」という昨シーズン。中上選手はオフシーズンで心身を整え「すっきりした状態でスタートできています」と言います。

■開幕前公式テスト、光を見出し2024年シーズンへ

 2023年シーズンのMotoGPは、中上貴晶選手(イデミツ・ホンダLCR)にとってさらに苦しんだシーズンでした。チャンピオンシップのランキングは18位。ただ、ホンダの中で厳しい戦いを強いられたのは中上選手だけではなく、コンストラクターズランキングとしては、ホンダは全5メーカー中最下位の5位に終わっています。「ホンダとして」苦しいシーズンが続いていたのです。

中上貴晶選手(#30/LCR Honda IDEMITSU)は、ホンダに適用されたコンセッションにより、2月1日~3日のシェイクダウンテストから参加した中上貴晶選手(#30/LCR Honda IDEMITSU)は、ホンダに適用されたコンセッションにより、2月1日~3日のシェイクダウンテストから参加した

 2023年シーズンに行なってきた中上選手の取材の中で、厳しい表情を多く浮かべていました。そして、バイクの改善に苦悩していることも窺えました。2024年シーズンに向けて、セパンでのシェイクダウンテストを終えて公式テストが行なわれる前日、そんな昨シーズンについて、囲み取材で中上選手はこう語りました。

「自分が思い描くように走れないけど、どんどんレースは過ぎ去っていって、結果的に、周りから見たら後退しているように見えてしまっている状況でした。操るのは自分ですから、そういう責任感もありました」

「歯がゆかったですし、もやもやしながらレースをこなしていくのは難しかったです。後半戦はターゲットが無くて……、無かったというか見据えづらかったんですよ。『このくらい(の状態)だからこの位置にいたい』というのも見えませんでした。厳しい時期ではありました」

新しいエンジン、エアロなど含めテストを実施し、3日目は13番手新しいエンジン、エアロなど含めテストを実施し、3日目は13番手

 そんな「厳しい時期」を経て迎える2024年シーズン。どのようにフィジカルとメンタルを整え、準備を進めてきたのでしょうか、と質問しました。

「(2023年は)最初から最後まで厳しいシーズンだったし、過去を振り返っても、いちばん這い上がることができずに終わってしまったシーズンでした。体もメンタルもかなり追い込まれる時期がありました。ただ、怪我なくシーズンを終えられたので、(オフシーズンは)ゆっくり考えられる時間もあったし、2024年とセパンテストに向けてあらためて準備できたので、非常に有意義なオフシーズンを過ごすことができたと思います」

「体づくりも変わらずにやってきました。シェイクダウンテストから走るというのも決まっていたので、その分(トレーニング)。ここは3日間でもつらいけど、5日間走るというのを聞いて、より準備をしていかないといけないな、と思いましたし。追い込めるところは追い込んで準備してきたつもりです」

フロントフォークの空力デバイス、テールカウルの新しい形状の空力デバイスなどもテストされていたフロントフォークの空力デバイス、テールカウルの新しい形状の空力デバイスなどもテストされていた

 メンタル面では、2021年オフシーズンからスタートしたメンタルコーチとの取り組みを続けていると言います。0.1秒、0.01秒という、日常の生活ではそれと感じる間もないごくわずかな時間の世界で接戦を繰り広げるMotoGPライダーにとって、メンタルも戦いの重要な要素です。

「メンタルに関しては、引き続き、メンタルコーチと取り組みんでいます。自分のほんとに素直な気持ちや、シーズン中にどう思ったのか。どういう状態だったのか、よくなったのか回復したのか……。ほんとにいろいろあったんですけど、それを全てぶつけました。

 今後に対して、2024年以降どう対応していくのがベストなのか、担当の人と話しながら、自分の素直な気持ちと状態を伝えてセッションできました。メンタルコーチにしか話せないことがあるんです。家族にすら100パーセント、思ったことを話せるわけではないですから」

「すっきりした状態でスタートできているし、今のところ、自分だけではなくHRC全員が、『良くしなくちゃいけない』という動きがみられるのは、すごくポジティブです。ここの現場に来てもね。今はストレスもないですし、どう良くしていくのか、しか考えていないです」

セパンで囲み取材に応じる中上選手。キャップのデザインは今季のもので、梅結びをモチーフにしているセパンで囲み取材に応じる中上選手。キャップのデザインは今季のもので、梅結びをモチーフにしている

 2024年シーズン、ホンダのレギュラーライダーで最も長いホンダ歴を持つライダーとなる中上選手は、光を見出しています。

 エンジンはトップスピードが上がり、トルクデリバリーがスムーズになりました。全体的なパッケージとして、1周におけるパフォーマンスは上がったと、中上選手は評価しています。

 スピニングやリアのグリップ不足、ロングランにおけるタイムが安定しない、といった課題はまだまだあるものの、改善の方向性は見えてきたと語っていました。

「『ここが』って言えるようになってきましたね。『ここだけが良くなればタイムにつながるんじゃないか』と言えるようになってきたので、進化はしています」

※ ※ ※

 セパンでのテストを終えたMotoGPは2月19日、20日にカタールでの公式テストを実施します。これが、シーズン開幕前の最後の公式テストです。

 カタール公式テストを終えると、3月8日から10日、カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットで行なわれるカタールGPで、シーズンの幕が開きます。中上選手にとって、最高峰クラスで7シーズン目の戦いが口火を切ります。

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