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【インタビュー】普通二輪免許で乗れるトライアンフ「400」シリーズ その本質を知るべくスペインへ!

バイクのニュース / 2024年2月15日 12時10分

トライアンフ「SPEED 400(スピード400)」と「SCRAMBLER 400 X(スクランブラー400エックス)」は、2023年6月に本国イギリスで発表され、日本では2024年1月26日に発売開始された排気量400ccクラスの話題の新開発モデルです。発売直後にスペインで行なわれたワールドローンチに参加し、イギリス本社のスティーブ・サージェント氏にその本質を聞いてみました。

■400ccクラスに新型2モデルを投入したトライアンフ

「トライアンフから400ccクラスのモデルが発表される」。2023年6月、そんなニュースが飛び込み、世界中で話題になりました。そのタイミングで僕(筆者:小川勤)は「スピード400」と「スクランブラー400X」の発表会が行なわれるイギリスへ飛び、現車を確認。発表会では試乗はできませんでしたが、その質感の高さに随分と驚かされました。

「TR(トロフィー)」シリーズと名付けられたエンジンは、排気量398.15ccの新設計。40psを発揮するDOHC4バルブの単気筒です。フィンガーフォローワーバルブトレインなどスポーツバイクならではの機構を設け、高回転でのパフォーマンスも重視しています。最大トルクは37.5Nm、ミッションは6速です「TR(トロフィー)」シリーズと名付けられたエンジンは、排気量398.15ccの新設計。40psを発揮するDOHC4バルブの単気筒です。フィンガーフォローワーバルブトレインなどスポーツバイクならではの機構を設け、高回転でのパフォーマンスも重視しています。最大トルクは37.5Nm、ミッションは6速です

 そして2024年初頭にこの2台は日本にも上陸し、発表会も実施されました。発表会の直後からトライアンフのWEBサイトへのアクセスが急騰しているそうです。

 確かに、これまで400ccクラスと言えば国産メーカーが力を入れていたセグメント。そこへ見た目はもちろん、価格もパフォーマンスも魅力的なトライアンフの存在は、多くのライダーに大きなインパクトを与えたことでしょう。

 国内の発表会では、僕も「スピード400」と「スクランブラー400X」にそれぞれ10分ほど試乗。ただ、バイクは新車で各部にアタリがついておらず、なかなか本質を見極めるのが難しかったのが正直なところ。

 早々に切り上げてその2日後にワールドローンチが開催されたスペインのバレンシアを訪れました。トライアンフの新章がスタートするこのタイミングで、本国のスタッフにも色々と話を聞いてきました。

■スタイルはクラシック。ハンドリングはとてもスポーティ

 試乗はバレンシアの市街地を抜けワインディングへ、途中ダートも走るルートです。エンジンは「スピード400」と「スクランブラー400X」ともに共通で、市街地では3000~6000rpmを常用するイメージ。単気筒らしいパルス感のあるエキゾーストノートを楽しみながら、スロットルを開けます。「単気筒らしい」と言いつつもレスポンスは並列ツイン並みに良く、かなりの速さも披露してくれます。

ワールドローンチが開催されたバレンシアで、トライアンフ新型「スピード400」に試乗する筆者(小川勤)。前後17インチホイールを装備し、ワインディングロードではかなりの速さも披露してくれましたワールドローンチが開催されたバレンシアで、トライアンフ新型「スピード400」に試乗する筆者(小川勤)。前後17インチホイールを装備し、ワインディングロードではかなりの速さも披露してくれました

「スピード400」の車格はかなりコンパクト。車重171kgでシート高790mmの車体は、どんなシチュエーションでも扱いやすさが光ります。一方の「スクランブラー400X」は車重180kgでシート高は835mmと、数値を見ると高めですが、シート幅が狭いため身長165cmの僕でも不安なシチュエーションはありませんでした。

 ハンドリングはタイヤサイズとフレームの違いが生み出しており、「スピード400」はその車名の通り、スポーティでバイク自身が曲がりたがる印象。

 対して「スクランブラー400X」はおおらかです。ツーリングの途中に林道などを組み入れたい方は迷わず「スクランブラー400X」を選ぶのが良いでしょう。

フロント19インチホイールを装備するトライアンフ新型「スクランブラー400X」は、ワインディングからダートまで、おおらかな乗り味で楽しませてくれましたフロント19インチホイールを装備するトライアンフ新型「スクランブラー400X」は、ワインディングからダートまで、おおらかな乗り味で楽しませてくれました

 また、ワインディングではかなりのアベレージまで試しましたが、スポーティさで2台に優劣はありません。スポーツ性のキャラクターは異なりますが、アベレージを上げても2台ともサスペンションやタイヤはしっかりと路面を追従。ブレーキやスロットルでの車体姿勢のコントロールも容易でした。

 400ccクラスと言うと、キャリアの浅いライダーに向けている印象が強いカテゴリーですが、この2台はベテランのダウンサイジングもしっかり想定。それを見越したハンドリングの作り込みがとても好印象でした。

■イギリス本社のスティーブ・サージェントさんに話を聞いてみました

 今回の試乗会には、トライアンフのチーフ・プロダクト・オフィサーのスティーブ・サージェントさんも参加。色々と話を聞いてみました。

トライアンフのチーフ・プロダクト・オフィサーのスティーブ・サージェントさん(左)と筆者(右/小川勤)トライアンフのチーフ・プロダクト・オフィサーのスティーブ・サージェントさん(左)と筆者(右/小川勤)

──「スピード400」と「スクランブラー400X」はインドのバジャージで生産していますね。インドでは昨年から先行発売していましたが、どんな声が上がりましたか?

「バジャージとパートナーシップを結んだのは、その生産能力からです。開発はイギリスで行なっています。現在はタイの自社工場やブラジルなどでも生産をしています。

 インドはとても大きなマーケットで、大きなチャンスがあります。乗った誰もがパワーに驚いていましたね。ライバルの350ccクラスはパワーが低いですから。

 またパワーだけでなく、非常に広いパワーバンドにも驚いていました。販売はとても好調で、現在は月産5000台ですが、2カ月後には月産1万台に増やします」

400ccクラスだけれど、一目でトライアンフとわかる高級感は誰もが納得のクオリティ。この高い品質と戦略的な価格をバランスさせることに、とても苦労したそうです400ccクラスだけれど、一目でトライアンフとわかる高級感は誰もが納得のクオリティ。この高い品質と戦略的な価格をバランスさせることに、とても苦労したそうです

──どの国での反応が良かったですか?また、どんなキャリアのライダーからの声が多かったですか?

「世界中で大きな反響がありました。25~35歳くらいの声が大きく、それは興味深いものでした。しかし、アメリカ、イギリス、フランスの年配のライダーからの声が想像以上に多かったのです。彼らはいま乗っているバイクが重くて、押し引きが難しいというのです。しかしトライアンフの新しい2台は軽くて、さらに低いのです。

 願わくば日本の声ももっと大きくなると良いですね(笑)」

──開発において、最も難しかったポイントは?

「競争力のある価格にすることが一番大変でしたね。なぜなら400ccクラスとは言え、誰もがトライアンフというブランドに期待をしているからです。質感とパフォーマンスの追求に尽力しました。トライアンフらしい質感とパフォーマンスを与えつつ、この価格を実現するのはとても大変でした」

トライアンフはインドのバジャージと2020年にグローバルパートナーシップを結びました。それがいよいよ形になり走り出しますトライアンフはインドのバジャージと2020年にグローバルパートナーシップを結びました。それがいよいよ形になり走り出します

──このエンジンを使った、他のバイクに期待していても良いですか?

「もちろん。私たちはこのTR(トロフィー)シリーズのエンジンを手に入れたんです。仕事をしていると『他にこのエンジンで何ができるだろう?』といつも考えます。

 将来のモデルも考えていますが、そのことを語るのはもう少し待ってください(笑)」

※ ※ ※

 インドで先行発売されていた「スピード400」と「スクランブラー400X」は、すでに生産体制を強化。世界中で話題となっているようです。

 2023年、販売台数を前年比21%も向上させたトライアンフ。「400」セグメントへ2機種を導入することで、2024年もその勢いは続きそうです。

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