バイクで踏んでもいい!道路に引かれた緑色の線の意味とは?
バイクのニュース / 2024年2月16日 9時10分
道路に引かれた線の色として、白やオレンジ色を思い浮かべる人が多いはず。しかし最近になって、一部の道路では「緑色の線」が引かれていると言います。この線は、バイクで踏んでしまっても問題ないのでしょうか。
■最近道路に引かれ始めた「緑色」の線…これって何?
道路に引かれた線は、白色もしくはオレンジ色というのが一般的です。しかし最近になって一部の高速道路には、見慣れない「緑色の線」が引かれている区間があります。
高速道路に初めて緑色の線が引かれるようになったのは関越道下りの東松山IC付近で、2021年7月から導入され始めたようです。第一走行車線(一番左側の車線)の両側の白線の内側に実線で引かれていますが、そのほかの車線には引かれていません。
緑色の線は「車線キープグリーンライン」という名称で、法令上の意味はなくNEXCO東日本が独自に設置したラインです
運転中に突然見たことのない色の線が出てくると、ルールが分からず驚いてしまう人もいるかもしれません。この高速道路に引かれた緑色の線は、バイクで踏んでしまっても問題ないのでしょうか。
NEXCO東日本によると、この緑色の線は「車線キープグリーンライン」という名称で、法令上の意味はなく同社が独自に設置したラインになるそうです。緑のラインは東松山ICの合流地点のすぐ手前から現れ、本線上に約4kmにわたって延々と続きます。なお、ICから入り流入車線の途中から合流地点までにも同じラインが引かれているのが確認できます。
導入の目的について同社のホームページでは「車線キープグリーンラインに沿ってキープレフトを続けていただくことで、追越車線への車両の集中や無理な車線変更が抑制され、渋滞や事故の軽減が期待できます。また、ランプからの緑線に沿って走行すると自然と正しい方向で本線に合流できるため、逆走対策の効果も期待できます」としています。
つまり車線キープグリーンラインは、渋滞予防と逆走対策を目的として設置されているようです。
車線キープグリーンラインは、渋滞予防と逆走対策を目的として設置されている
そもそも東松山IC付近は、渋滞が起きやすい区間としてよく知られている場所です。渋滞の要因としては、東松山IC付近を過ぎたあたりから緩い上り坂が続くため、無意識のうちに速度が落ちやすく、それに伴い後続車が次々と追い越し車線に移り渋滞が発生しやすくなっています。
そのため、緑のラインが引かれた区間には「ここは上り坂」や「速度低下に注意」と書かれた看板が連続して現れます。渋滞時は「少しでも速く進みたい」という心理から追い越し車線で走りがちですが、東松山IC付近では上り坂の地形と右車線への車両集中により渋滞が常態化してしまっているというわけです。
緑色のラインの運用は、2017年におこなわれた実験がきっかけです。「左車線のご利用を」などと、走行車線の利用を横断幕や簡易LED表示板で呼び掛けた結果、渋滞抑制の一定の効果がみられました。その後、常設で実施できる対策として、緑のラインが考案されたそうです。
緑のラインは東松山ICの合流地点のすぐ手前から現れ、本線上に約4kmにわたって延々と続く
車線キープグリーンラインは法令上の意味はありませんが、緑のラインが引いてあることで「車線をはみ出してはいけない」という心理が働くのかもしれません。もちろんバイクで線を踏んで走っても違反になることはないので、安心してください。ただし、緑のラインが引いてある場所は渋滞しやすいポイントともいえるので、混雑しているときは率先してキープレフトを心掛けたほうがよさそうです。
ところで、バイクのキープレフトについては教習所で習いますが、ほとんどの人が車両通行帯の左端に寄って走行することだと思っているかもしれません。しかし道路交通法第20条によると、基本は一番左側の車線を走り、最も右側の車線(追い越し車線)は原則として通行禁止となっています。
つまり、道路交通法にはどこにも「車線の左端に寄って」走行するようには書かれていません。したがって、キープレフトを意識するというのは一番左の車線を走行することであり、無理に左側に寄らなくても違反で捕まることはないと言えます。
むしろ左側に寄って走ると、強引な追い抜きや幅寄せをされたりしてかえって危険です。また、道路の左端はゴミが溜まりやすいため、パンクの可能性が高まるリスクもあります。そのためバイクでキープレフトをするときは、一番左の車線を走行することだと覚えておくとよいでしょう。
ただし、センターラインのない道路では、対向車との接触の危険があるので左側に寄って走行しなければなりません。また、50ccの原付は交通の流れに乗れないため、道路の左側に寄って走行するのが基本です。
※ ※ ※
緑のラインは、法令上の意味はないので踏んでも問題はありません。しかし通常の車線では、踏んでしまうと違反になるラインがあるので注意が必要です。
センターラインでは白色の破線は、はみ出しOKですが、白色の実線は原則はみだし禁止。また、オレンジ色の実線は、駐車車両や工事などがある場合を除き、追越しのためのはみ出しが禁止されています。
一方、車線境界線のケースはどうなるのでしょうか。白色の破線・実線ともにラインを踏んでの車線変更や追越しが可能です。しかし交差点の手前などにあるオレンジ色の実線は、車線変更や追越しもNGでラインを踏むと違反になります。
同じような色や形のラインでも、引かれた場所によって意味が異なるので、勘違いして違反をしないようにくれぐれも注意してください。
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