まさか雪上ライディングのプロ!? 雪国でも活躍する郵便配達バイクの謎
バイクのニュース / 2025年2月7日 9時10分
気温が下がり、雪が積もったり路面が凍結したりする冬は、バイクにとって厳しい季節のため、乗るのを控えるライダーも多いと思います。しかし、雪国では冬場であっても郵便バイクが活躍している姿を度々見かけます。いったいなぜ、クルマではなくバイクを利用しているのでしょうか。
■雪国では冬でも郵便バイクが大活躍!
気温が下がる冬はバイクにとって厳しい季節といえますが、天気がよく防寒対策さえしっかりとおこなえば、ツーリングを楽しむことが可能です。
しかし、雪が降ってしまうと状況は一変。クルマは冬用タイヤを装着すれば、雪道でもなんとか乗り切ることができますが、2輪で走行するバイクの場合、スリップして転倒してしまう危険性が高まります。
さらには事故につながる恐れがあるため、無理をして雪道をバイクで走る行為は避ける事が基本。そもそもバイクでの雪道の走行は、“ほぼ”不可能といっても良いでしょう。
ところが雪国の郵便配達では、雪が降っていてもバイクがメインで活躍中。実際に、初めて冬に雪国を訪れた人のなかには、雪が降る中を赤いバイクが走る光景を見て「驚いた」という声が聞かれます。
雪国の郵便配達では、雪が降っていてもバイクがメインで活躍している(写真提供:JP CAST)
なお郵便配達で主に使われているバイクは、ホンダの「スーパーカブ プロ」がベースとなっている、通称「郵政カブ」と呼ばれているMD(Mail Deliveryの略称)シリーズ(都心部などでは電動モデル「BENLY e:(ベンリィ イー)」も導入されています)。
これは郵便局の配達のためにホンダが設計と販売をおこなっている特別仕様車で、一般には出回らない希少なバイクです。
雪国の郵政カブには、手を寒さから守るハンドルカバーが取り付けられていて、グリップヒーターも標準装備されているとの事。
郵便物を常につかむ必要がある配達員は厚手のグローブが使えないため、これらの防寒装備は北国の郵便配達では必須アイテムとなっています。
そのため、スーパーカブのような軽くて足つき性がよく、バランスの取りやすいバイクだからこそ、雪道でも安定して走行できるのです。
雪国の郵便配達バイクが雪道を走れる最大の秘密はタイヤ(写真提供:JP CAST)
そして、雪道を走れる最大の秘密はタイヤ。主にバイク用のチェーンとスノータイヤ、あるいはスパイクタイヤを履いて、冬の間は雪対策をしています。
バイク用のスノータイヤは「IRC」「ダンロップ」「ブリヂストン」などが製造しており、積雪する地域での郵便配達に欠かせない存在です。
なお、ラインナップは小型バイク用の小径ホイールやスーパーカブなどの細いタイヤが中心で、大型バイク用のスノータイヤは販売されていません。
また、どのようなタイヤを装着するかは、地域や路面の状況によって異なります。例えば積雪が多い地域ではチェーンとスノータイヤを装着することが多く、気温がマイナスになり路面が凍結しやすい地域では、スパイクタイヤをメインに装着するといった具合。
さらに、郵便配達員の卓越したライディングテクニックも雪道走行に貢献しており、日本郵政グループが運営するメディア「JP CAST」が公開する記事、「寒い! 滑る! 見えない! 零下20度の極寒地、北海道北見市を駆ける配達員が語る運転の心得とは?」によれば、配達員は「冬道での走行中は、凍結路面でのスリップや転倒などの不測の事態に備えながら安定した走行をするために、運転姿勢やバランスを保つことに細心の注意を払っている」とのこと。
雪国の郵便配達員は毎日のように雪のなかで配達業務にあたっているので、滑りやすいポイントや雪道での運転のコツなどが、自然と身についているのかもしれません。
雪道で転ばないためのテクニックだけでなく、実際に転倒したときの対処の仕方や、バイクの起こし方なども、雪道を走る配達員は心得ている
なお、ひとりでおこなう配達中のトラブルには、自ら対応するのが基本。前述の記事によれば、配達員たちはトラブルに備えて「転倒しないためのテクニックだけでなく、実際に転倒してしまったときの対処法、安全な転び方やバイクの起こし方なども心得ている」とのこと。
また配達する場所は市街地の平坦な道だけでなく、舗装されていない道路も走るため、雪道ならではの厳しい状況にたびたび直面することも少なくありません。
そうなると、雪道では転倒の危険が潜んでいるバイクよりも、冬の間だけクルマで配達したほうが安全な気がしますが、なぜ冬でもバイクを使って配達しているのでしょうか。
その理由は、クルマでの配達は効率が悪いから。配達員は大量の郵便物を持ち、一軒一軒住宅を回って配達します。そのたびにクルマの乗り降りをしていると効率が悪いだけでなく、体力もかなり消耗してしまうことは明白です。
広い道の住宅街だけでなく山間の中にある一軒家や狭い路地裏にも入って配達しなければならない為、バイクであればそうした場所でも無理なく走ることができ、クルマよりも迅速かつスムーズに配達ができるとの事でした。
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