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通学に電動スクーターを利用したい!メリットとデメリットはある?

バイクのニュース / 2024年2月17日 9時10分

昨今、徐々に「電動スクーター」が各メーカーから登場し始めました。春から新生活を迎えるにあたって、通勤通学の足としてスクーターの購入を検討している人もいるかもしれませんが、もしも通学に電動スクーターを利用する場合、何かメリットデメリットが生じるのでしょうか。

■電動スクーターを通学に利用するメリット・デメリットとは?

 春から新生活を迎えるにあたって、通勤通学の足としてスクーターの購入を検討している人もいるかもしれません。

 これまで、50ccの原付バイクをはじめとしたスクーターといえば、ガソリン車というのが常識でした。しかし、最近では「電動スクーター」と呼ばれるバイクが各メーカーから、いくつか登場しています。

ホンダの原付一種電動スクーター「EM1 e:」ホンダの原付一種電動スクーター「EM1 e:」

 これまで国内の電動スクーターは法人をメインに販売されており、一般向けモデルではヤマハの「E-Vino」だけでした。しかし、2023年8月にホンダから「EM1 e:」が発売されたため、現在では国内メーカーで一般の人が買える原付一種電動スクーターは2車種(※ビジネス用/三輪車を除く)あります。

 なお、電動スクーターに乗るには出力電力に応じた運転免許が必要。ガソリンバイクは排気量で区分されていますが、電動スクーターは「定格出力」で区分されています。

 定格出力とは、原動機が最良の状態で安定して出力し続けるために必要な電気の量のことです。定格出力が大きくなるほど、大きなパワーを発揮することができます。

 排気量50cc以下のバイクに乗ることができる原動機付自転車免許、いわゆる原付免許は、電動スクーターになると定格出力0.6kW(キロワット)以下のモデルが該当します。現在、一般向けに販売されている2車種は、いずれも定格出力0.6kW以下になるので原付免許を取得すれば運転できます。

 ちなみに、電動スクーターもガソリンバイクも交通ルールは同じです。「制限速度30km/h」や、指定されている交差点では2回信号に従って曲がる「二段階右折」をおこなう必要があります。また、運転するときは必ずヘルメットを着用し、2人乗りは禁止です。

 電動スクーターは、ガソリン車のスクーターと見た目はほとんど変わりません。しかし、構造がまったく異なるので使い勝手や乗り心地などが大きく違います。

 では、通学で電動スクーターを利用する場合、どのようなメリット・デメリットが挙げられるのでしょうか。

 まず、電動スクーターはガソリンバイクと比べて、燃料代が安くすみます。燃費はライダーの体重や道路の状況、バイクの性能などで変わってきますが、たとえばガソリン車の場合、現行モデルの原付スクーターで1Lのガソリンで約50kmほど走行できます。

ヤマハのE-Vinoはフル充電で約32km(30km/h 定地走行テスト値〈標準モード〉)走行可能ヤマハのE-Vinoはフル充電で約32km(30km/h 定地走行テスト値〈標準モード〉)走行可能

 一方電動スクーターの場合、ヤマハのE-Vinoではフル充電で約32km(30km/h 定地走行テスト値〈標準モード〉)走行可能で、1回の充電で約15円ほどの電気代になっています。また新型のホンダのEM1 e:は、フル充電で約53km(30km/h定地走行テスト値)走れる上に1回の充電でかかる電気代は約50円程度となっており、ガソリンバイクとの燃料代の差は歴然です。

 出費を抑えたい学生など、できるだけ燃料代を気にせずバイクを楽しみたいという人には、電動スクーターが最適と言えるかもしれません。

 また、バッテリーを家に持ち込んでコンセントにつなぐだけで充電できるので、ガソリンスタンドにわざわざ出向いて給油する必要もなくなります。ガソリンスタンドが自宅から遠いなど、毎回給油しに行くのが面倒な場合にもおすすめと言えそうです。

 さらにモーターで動く電動スクーターは、ガソリンバイクに比べて非常に音が静かなのが特徴。一般のバイクのように、エンジン音やマフラーからの排気音がないので、早朝や深夜でも近隣に迷惑をかける心配がありません。

 このように、通学に利用する上でさまざまなメリットがある電動スクーターですが、まだ課題もいくつかあるため、なかなか普及が進まないのが現状のようです。

 もっともネックとなっているのが1回の充電で走れる距離、いわゆる航続距離が短いこと。航続距離の目安を知るには、ガソリン車の場合は「燃料タンクの容量 × ガソリン1Lあたりの燃費」で計算します。これに当てはめて現行の原付一種スクーターを見ると、ほとんどの車種で1回の給油で250kmほど走れる計算です。

 一方原付一種電動スクーターは、1回の充電でホンダのEM1 e:は約53km(30km/h定地走行テスト値)、ヤマハのE-Vinoにいたっては約32km(30km/h 定地走行テスト値〈標準モード〉)しか走行することができません。ただこれは、通学や買い物など近距離の移動をメインに乗る場合は問題なさそうです。しかし、休日に少し遠出したい場合などには向いていないかもしれません。

ホンダのEM1 e:は、約6時間で充電が完了ホンダのEM1 e:は、約6時間で充電が完了

 また、電動スクーターは充電に数時間かかるのもネック。たとえば、ヤマハのE-Vinoではフル充電に約3時間かかり、ホンダのEM1 e:は約6時間で充電が完了します。

 ガソリンバイクの場合はガソリンスタンドまで行く手間はかかりますが、給油自体は数分で完了するのですぐに走り出すことが可能です。しかし毎日電動スクーターに乗る場合、寝ている間に充電したり、予備のバッテリーを用意したりなどの手間がかかります。

 費用面はガソリン車よりも抑えやすいですが充電の手間がかかってしまうので、通学で毎日利用する場合はなかなかハードルが高いと言えるかもしれません。

※ ※ ※ 

 電動スクーターは、航続距離が短く充電に時間かかるなど、まだ課題が多いというデメリットがあります。しかし、通学など近場の移動がメインの人にとっては、燃料代が安くて家で気軽に充電できるのは魅力に感じるかもしれません。

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