くしゃみで事故!? 花粉症の季節は運転に注意!
バイクのニュース / 2024年2月20日 9時10分
ツーリングシーズンである春は、暖かな陽気に誘われてバイクで出かけたくなるものです。しかし花粉症のライダーにとって、春の訪れは喜んでばかりいられない悩ましい季節。バイクに乗る上で注意すべきことはあるのでしょうか。
■花粉の飛散がスタート!バイクに乗る上で気を付けたいことは…
春がだんだんと近づいてくると、暖かな陽気に誘われてバイクで出かけたくなるものです。しかし花粉症のライダーにとって、春の訪れは喜んでばかりいられない悩ましい季節。バイクを運転している最中も、つらい花粉症の症状は容赦なく襲ってきます。
花粉の飛散時期は地域や植物の種類によって変わってきますが、春の花粉症の主な原因となるのは「スギ」と「ヒノキ」の2種類。
春の花粉症の主な原因となるのは「スギ」と「ヒノキ」の2種類
東京23区を含めた関東地方は自然が少ないイメージがあるかもしれませんが、実は毎年花粉が大量に飛ぶエリアとされています。スギやヒノキなどの樹木の花粉は、風に乗って数十kmから条件が整えば数百km以上も飛来するため、山間部から大量の花粉が都市部にも到達するというわけです。
つまり山にツーリングに行くだけでなく、街中でバイクを走らせるだけでも花粉を大量に浴びてしまうので、花粉症のライダーとって油断は禁物。
花粉症になると、繰り返すくしゃみや目のかゆみに加え、水のような鼻水・鼻づまりなどの症状が現れます。さらにこれらの症状が悪化すると、眠気やだるさ、頭痛が生じたり、集中力が落ちたりイライラしたりする症状が現れることもあります。
また花粉症は日常生活に支障をきたすだけでなく、バイクの運転にも大きく影響を及ぼすおそれがあるので注意したいところです。
たとえば運転中にくしゃみが出ると、その反動でうっかりハンドルやブレーキ操作を誤って車線をはみ出したり、ガードレールに衝突してしまうなどの事故を誘発するおそれがあります。
JAF(日本自動車連盟)によると、時速60km/hで走行中にくしゃみをして0.5秒間まぶたを閉じた場合、その間に約8mの距離を進むそうです。そして花粉症の場合、くしゃみが連続して続いてしまうのが怖いところ。くしゃみをする時はどうしても目を閉じてしまうので、その回数分前を見ないで運転する時間が増え、事故を起こす可能性が高くなるというわけです。
さらに花粉症の症状には、運転の注意力が散漫になったり、判断力が低下したりするおそれもあります。たとえば、たえず流れ出る鼻水に気を取られたり、我慢できない目のかゆみや涙目・かすみなどの症状で、飛び出しなどを避けるためのブレーキ操作が遅れる可能性があり大変危険です。また赤信号や一時停止線などを見落とすなど、意図しない交通違反をしてしまう可能性も。
では、花粉症ライダーがバイクに乗るときの対処法として、どのようなことが挙げられるのでしょうか。
花粉症は、スギやヒノキなどの花粉が鼻や口、目から体内に入ることで、アレルギー反応を起こして症状が現れるというもの。つまり体が花粉を体内から出そうとして、くしゃみや鼻水などの症状が起こるということです。
そのため、花粉の侵入口となる鼻や目などを徹底的に塞ぐのがポイント。なお、「自分は花粉症じゃないから関係ない」と思っていても、ある日突然花粉症を発症する可能性もあるので要注意です。
バイクの場合は風を浴びながら走るため、すき間の多い不織布のプリーツタイプのマスクよりも、顔にフィットする立体型のマスクのほうが花粉の侵入を大幅に防ぐことができる
まず、花粉症対策の定番といえるのがマスクです。厚生労働省によると、マスクを着用するだけで吸い込む花粉の量を3分の1から6分の1まで減らし、鼻の症状を軽減できる効果が期待できるとしています。
バイクの場合は風を浴びながら走るため、すき間の多い不織布のプリーツタイプのマスクよりも、顔にフィットする立体型のマスクのほうが花粉の侵入を大幅に防ぐことができます。また、立体型マスクはフィット感が高いためマスクと顔の間から息が漏れにくく、シールドやメガネが曇るのを防ぐメリットもあります。
ちなみにバイク用のマスクも販売されており、ネックウォーマーとマスクが一体になったタイプや目出し帽タイプ、高機能フィルターを備えたタイプも存在するようです。普通のマスクで効果が得られない人は、これらワンランク上のマスクを試してみるのもよいかもしれません。
目の対策としてはサングラスの着用が効果的ですが、普通のタイプだと大きくすき間があるので完全に花粉を防ぐことができません。そこで、レンズの内枠にウレタンスポンジのフェイスパットを装備した「ライディンググラス」がおすすめ。目の周りをフェイスパットが密着して、花粉や細かいゴミなどの侵入をしっかりガードしてくれます。
また、視力が悪くてメガネを使っている人は、バイク用のゴーグルを使用するのも一つの手です。一体型のオーバーグラスタイプであれば、メガネの上からそのまま装着ができます。
さらに、より花粉をシャットアウトするためにフルフェイスのヘルメットを装着すれば、顔が花粉に触れずに走行できます。マスクとサングラスに加えて、フルへイスヘルメットで顔を2重3重と守れば、より強力に花粉の侵入を防ぐことが可能です。
そして家に帰宅した後も症状が出ないよう、走行中の服装はウールやフリースなどの花粉が付きやすい素材は避け、表面がつるつるした化学繊維の素材を選ぶとよいでしょう。ポリエステルやナイロンなどの素材は、手でサッと払うだけで簡単に花粉を払い落とせるので花粉症対策として最適です。
※ ※ ※
なお、花粉症の内服薬はくしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状を改善する効果がありますが、注意したいのが眠気や倦怠感などの副作用です。道路交通法では、薬の影響で正常な運転ができないときは車両の運転を禁止しています。
バイクを運転するときに薬を服用して副作用が心配なときは、薬の説明書をよくチェックして安全を確かめてから乗るようにしましょう。
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