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カワサキバイクの代表格「Ninja(ニンジャ)」40周年!どんな歴史を辿ってきたのか?

バイクのニュース / 2024年2月23日 9時10分

カワサキを代表するスポーツバイクシリーズ、「Ninja(ニンジャ)」。2024年で40周年を迎えるなど長い歴史があるバイクですが、これまでにいったいどのような歴史を辿ってきたのでしょうか。

■カワサキの代表バイク「ニンジャ」は、どんな歴史を歩んできた?

 カワサキを代表するスポーツバイクといえば「Ninja(ニンジャ)」は、2024年で40周年を迎えます。大排気量モデルから250ccまでバリエーションが豊富で、ライダーのレベルに合わせてチョイスできる幅広いラインナップがニンジャの魅力ですが、いったいどのような歴史を辿ってきたのでしょうか。

2024年で40周年を迎えた「Ninja(ニンジャ)」シリーズ2024年で40周年を迎えた「Ninja(ニンジャ)」シリーズ

 ニンジャの名称がつけられた元祖となるバイクは、1984年にリリースされた北米仕様モデルの「GPZ900R」です。最高出力81kW(110PS)/9500rpm、85N-m(8.7kg-m)/8500rpmを発揮し、市販車として初となる時速240km/hオーバーを実現して、当時の世界最速マシンとして大きな注目を集めました。

 名称となったニンジャの意味はもちろん日本発祥の「忍者」のことなので、日本人がつけたネーミングだと思いきや実はそうではありません。

 命名のルーツは北米カワサキの現地スタッフがGPZ900Rを見て、名前を『Ninja』にしたいと言い出したのが始まりです。そもそもなぜニンジャだったのか、疑問に思うかもしれません。

 当時のアメリカでは映画やテレビ番組などで忍者のキャラクターが多く登場していたため、爆発的な忍者ブームが巻き起こっていました。そのため、「Ninja」という言葉がアメリカで当たり前になっており、「それってNinjaみたいだね」というような会話が日常的に使われていたそうです。北米カワサキのスタッフも、初めてGPZ900Rを見たときに忍者をイメージしたのかもしれません。

 正式名称で売り出したい日本のカワサキは、当然ながら名称の変更に反対します。しかし、北米カワサキが一歩も譲らない姿勢をみせたため、北米モデルだけ特別に「ニンジャの名称でいきましょう」とOKが出たというわけです。

US(北米)仕様には、「Ninja」のロゴがサイドカバーに入っているUS(北米)仕様には、「Ninja」のロゴがサイドカバーに入っている

 なお、当時の写真を確認すると、北米仕様のサイドカバー部分にはNinjaのロゴが刻まれていますが、欧米仕様では同じ場所にGPZ900Rの文字が入っているのが確認できます。

 圧倒的な性能で世界を驚かせたGPZ900Rですが、その名をさらに広めるきっかけになったのが、1986年に公開された映画『トップガン』。主人公のトム・クルーズの愛車としてGPZ900Rが映画のスクリーンに登場したことで、Ninjaの知名度が一気に全米に知れ渡ることになりました。

 なお、ボディに刻まれた「Ninja」のロゴをよく見ると、整った字体ではなく周囲がギザギザしているロゴが使われているのがわかります。これは制作したロゴを北米カワサキにFAXで送信したところ、ギザギザが出た画像の荒い状態で届いたものが現地スタッフに非常に気に入られ、そのまま採用されたという経緯があるようです。

 つまり、ニンジャの名称とギザギザのロゴが使われるようになった背景は、北米カワサキのスタッフのわがままが発端となっているのです。そう考えると、もしアメリカでGPZ900Rが販売されていなかったら、カワサキを代表するバイクブランド「ニンジャ」は存在しなかったかもしれません。

■GPZ900R Ninja(ニンジャ)の後継モデルたち

 そして初代ニンジャが成功したことで、カワサキはGPZ900Rをベースにした後継モデルを次々と世に送り出します。

1988年に登場した「Ninja ZX-10」1988年に登場した「Ninja ZX-10」

1986年に登場した「Ninja1000R」、1988年の「Ninja ZX-10」、さらに1990年の「Ninja ZX-11」など、北米仕様のみニンジャの称号が与えられていました。ちなみに欧州名は、順に「GPZ1000RX」「ZX-10」「ZZ-R1100」となっています。

 いずれもGPZ900Rを上回る性能を発揮していましたが、初代ニンジャの人気が高いこともあってセールスを超えることはできなかったようです。

 一方日本国内ではどうだったかというと、当時はバイクの排気量を750ccまでとする自主規制がありました。そのためカワサキは1984年に、初代ニンジャと同じ車体とデザインを有する「GPZ750R」を販売します。ただ、国内モデルの車名やボディには「Ninja」の文字は付けられていませんでした。

 しかし、翌年の1985年に登場したシリーズモデルの「GPZ400R」は、1989年モデルから「Ninja」のロゴが車体に入れられるようになります。また、1987年登場の「GPX250R」の後期型も「Ninja」のロゴが採用されるようになり人気を博しました。

 このように、カワサキを代表するスポーツモデルは、「ニンジャ」の愛称がライダーの間で徐々に浸透していきました。ただ、国内モデルで正式に「ニンジャ」の名称が付けられたのは、初代が発売されてから10年後の1994年に登場した「Ninja ZX-9R」が最初です。

 その後、2000年代に入ると、スポーツモデル以外の「ニンジャ650」や「ニンジャ250R」にもニンジャのネーミングが採用されるようになりました。そして現在では、カワサキのフルカウルモデルのラインナップといえば「ニンジャ」という構図が生まれるようになったのです。

初代ニンジャのGPZ900Rは、形式のA1からA16まで時代の変化にあわせて進化しながら生産が続けられた(写真:ZX900-A16)初代ニンジャのGPZ900Rは、形式のA1からA16まで時代の変化にあわせて進化しながら生産が続けられた(写真:ZX900-A16)

 なお、初代ニンジャのGPZ900Rは、形式のA1からA16まで時代の変化にあわせて進化しながら生産が続けられました。しかし、世界的に強化された排ガス規制によって2003年に生産終了となり、20年の歴史に幕を閉じました。

 現代におけるスーパースポーツの先駆けとして、かつて世界最速の称号を手にした初代ニンジャ。生産終了から20年以上経っても人気が衰えることなく、現在も多くのライダーに高く支持され続けています。

※ ※ ※

 カワサキを代表する「ニンジャ」が、デビューしてから40周年を迎えます。ニンジャは多くのライダーにとって、特別な存在であったからこそロングセラーモデルとなったのかもしれません。これからも、ニンジャがどのような進化を遂げていくのか、カワサキの動向に注目していきましょう。

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