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源頼朝や北条早雲に重用された城砦 伊豆市の「大見城跡」へ

バイクのニュース / 2024年2月24日 13時10分

静岡県の伊豆市は、平成16年に修善寺町、土肥町、天城湯ケ島町、そして中伊豆町が合併したものです。そして中伊豆町は「上大見」、「中大見」、「下大見」という村からなり、現在では地名として使われていませんが、そこにはシンボルの「大見城跡」がしっかりと保存されていました。ツーリングや観光にも適した自然豊かな「大見の郷」へ、スーパーカブで訪れました。

■敵兵を退ける、山城らしさがいっぱい

 静岡県伊豆市の文化財に指定されている「大見城(おおみじょう)」へ、スーパーカブで訪れました。平安時代の末に、この地の豪族である大見氏の初代と言われている大見家政(いえまさ)、またはその息子の小藤太(ことうた)が築いたとされる山城です。

県道59号沿いにある「大見城址公園」の入口までやってきた。斜め向かいにある農産物直売所「季多楽(きたら)」の無料駐車場にスーパーカブを停めて散策開始県道59号沿いにある「大見城址公園」の入口までやってきた。斜め向かいにある農産物直売所「季多楽(きたら)」の無料駐車場にスーパーカブを停めて散策開始

 現地に設置された解説板によると、源頼朝の挙兵(1180年、石橋山の戦い)で、大見家政は敗走する頼朝を守るなどの活躍を見せ、頼朝の信頼も厚かったそうです。

 また「大見」と言えば、伊豆を平定した北条早雲(ほうじょうそううん)の家臣「大見三人衆」である佐藤広頼(さとうひろより)、梅原宣貞(うめはらのぶさだ)、佐藤七郎左衛門(さとうしちろうざえもん)の活躍を思い起こします。早雲に対抗した狩野氏(かのし)との戦闘において、「大見城」を中心に大活躍をしたと言われています。

 これまで「大見城」の他に、狩野氏の「狩野城」、大見三人衆が活躍した「柏久保城(かしわくぼじょう)」、北条早雲の居城「韮山城(にらやまじょう)」をスーパーカブで巡りましたが、「大見城」はそれらとの関係が深い、ゆかりの山城だと言えるのでしょう。

鳥居をくぐり歩を進めると「堀切」が現れた。これは尾根を分断することで尾根伝いに攻めてくる敵を防ぐための施設。木々に覆われて見えづらいが、左手奥から横矢を仕掛けられそうな危険地帯にいることが分かる鳥居をくぐり歩を進めると「堀切」が現れた。これは尾根を分断することで尾根伝いに攻めてくる敵を防ぐための施設。木々に覆われて見えづらいが、左手奥から横矢を仕掛けられそうな危険地帯にいることが分かる

 早雲は大見三人衆に、年3回の修復の普請を命じていることから、この城が戦略上重要だったことが分かります。

「大見城」は旧中伊豆町のやや北部、大見川と柳瀬川の合流地点にあり、標高220mの「城山(じょうやま)」と呼ばれる山の頂に築かれています。

 本曲輪は南北約20m、東西約15mの平地で、そこに至るまでに大小の平場(曲輪)、空堀、土橋など、敵の侵入を防ぐ遺構を間近に見ることができます。

 本曲輪にはイラスト入りで遺構の解説があり、とても分かりやすいものでした。中でも興味深かったのが「竪堀(たてぼり)」と呼ばれる堀で、等高線に対して直交して掘ることで、敵の横方向の移動を防ぐものです。

「堀切」や「ニの曲輪」を経てさらに登っていくと「本曲輪」が見えてくるが、途中にも敵の侵入を防ぐ施設が待ち構えている「堀切」や「ニの曲輪」を経てさらに登っていくと「本曲輪」が見えてくるが、途中にも敵の侵入を防ぐ施設が待ち構えている

 また、尾根を分断して、尾根伝いに攻めてくる敵を防ぐ「堀切(ほりきり)」は多くの山城で見られますが、ここにもしっかりと残されていました。

「大見城」の周辺には城に関する地名が多く残っています。城に井戸が無いため、平時は麓の「實成寺(じつじょうじ)」のある地帯が大見の居館だったそうです。

「本曲輪」に到着。大見川や麓の集落を見下ろすことが出来る絶景スポットだった「本曲輪」に到着。大見川や麓の集落を見下ろすことが出来る絶景スポットだった

 整備が行き届いた散策路や曲輪を歩いていると、木々が伐採されていてよく見渡せることに気付きます。これは当時、攻め上がって来る敵兵がよく見えるよう山肌に木を植えなかったことを再現しているかのようで、遺構も分かりやすく、麓の景観も抜群でした。

 小規模ながら山城の魅力が伝わる、魅力的なスポットでした。

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