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国道1号「道の駅」空白地帯に開業目指す 浜松市で盛り上がる「日本一バイクに配慮した道の駅」構想とは

バイクのニュース / 2024年2月27日 17時10分

日本の東西をつなぐ国道1号の中でも、静岡県の「道の駅 掛川」(掛川市)から「道の駅 潮見坂」(湖西市)までの約70kmには「道の駅」がありません。加えて静岡県が「遠州灘海浜公園」に作る野球場の基本計画を2024年6月に明らかにすることから、にわかに浜松市での「道の駅」構想が加速。日本一バイクに配慮した道の駅を実現しようとあわただしくなりました。一千何百番目かの道の駅登録を目指して、浜松市が盛り上がっています。

■元開発技術者が呼びかける、「バイクのふるさと浜松」にふさわしい「道の駅」

 2024年2月21日、「AJ静岡」(静岡県オートバイ事業協同組合/川嶋登志久理事長)の組合総会で、元バイクメーカーの技術者が熱弁を振るいました。人気のエンデューロモデルなどの開発に45年間携わった浜松市在住の松木閲央さんと、浜松市選出の市議会議員らです。松木さんが訴えた“WBR”とは何でしょうか。

「ようこそバイカーの道の駅へ」をコンセプトにしたWBRプロジェクト「ようこそバイカーの道の駅へ」をコンセプトにしたWBRプロジェクト

「WBRって聞きなれない名称だと思うのですが、私が作ったコンセプトで『Welcome Biker
Roadstation』の略。直訳すると、ようこそバイカーの道の駅へ。この活動で、第2の故郷となったこの地にご恩返ししたいなと思って活動を続けています」

 バイクショップの経営者が集まる総会で松木さんが切り出したのは、「バイクのふるさと」を掲げる浜松市にふさわしい、WBRな道の駅の開業でした。

「県西部の沿岸地域には、『道の駅 掛川』から『道の駅 塩見坂』まで、約70kmにわたっては道の駅がありません。混んでいるところでは20km間隔ぐらいでできているのに、なぜだろうと。ただ、どうせ新しく作ってもらうなら、バイクのふるさと浜松なので、日本一バイクに配慮した道の駅をお願いしたいと」

 バイク専用の屋根付きのある駐車場で、イベントスペースのある本館や、試走路、バイカーズアウトレット……。松木さんの頭の中には、すでに具体的な構想が詰まっています。

「まあ、こんなものは簡単にできるものではなくて、妄想と言われても仕方がないのですが……」

 しかし、その夢物語が実現しそうな動きが昨年から始まりました。

■日本一バイクに配慮した道の駅実現に向けて、朝活ならぬ「朝カフェ」も開催

 きっかけは、静岡県が浜松市西区に建設を検討する「浜松新球場」構想でした。国道1号に面した「遠州灘海浜公園」に予定されるこの新球場は、一時はドーム方式で2万人ほどの収容人数まで検討されたことがあるランドマーク的な施設です。

新しい道の駅は浜松市内の国道1号沿いに予定されている。場所は未定だが、遠州灘海浜公園から半径2km以内を予定する新しい道の駅は浜松市内の国道1号沿いに予定されている。場所は未定だが、遠州灘海浜公園から半径2km以内を予定する

「遠州灘海浜公園内に予定される球場の整備に合わせて、賑わい創出や沿線道路の混雑緩和の観点ということで、浜松市が半径2km内を目安に候補地を考えています」(浜松市企画調整部企画課)

 2023年度は1500万円の事業費が支出され、2024年度には3000万円の予算が2月議会で審議中です。ただ、道の駅の特徴を決めるのはこれからです。

「2024年度からの2年間をかけて基本計画を作る予定です。浜松市はバイクのふるさと事業も展開しているので、バイクユーザーにも配慮したいとは考えていますが、進め方も決まっていません」(前同)

 バイクショップの経営者らを前に松木さんが熱弁をふるった理由は、このチャンスに「日本一バイクに配慮した道の駅」の構想を盛り込んでもらうためでした。

 松木さんは浜松市の構想が具体化する以前から、すでにある周辺の道の駅に『ようこそバイカーの道の駅へ/Welcome Biker
Rordstation』のコンセプトに理解を求めました。賛同を得た道の駅ではバイクユーザーを集めたイベントを開催したり、提案を続けてきました。

「バイク乗りは朝が早い。日が昇ると走り出して、道の駅でうどんを食べたり、コーヒーを飲んだりしたい。でも、例えば施設の開業が朝10時だったので、今までそれができなかった。朝カフェとして早くから開いてもらったら、今年はものすごく盛り上がったんです」

 こうした活動が、地元のバイクショップにも知られていました。

 地元自治体がきっかけとなって進む道の駅構想ですが、運営に関わる公共と民間の割合はさまざまです。構想から完成までには数年間かかるプロジェクトで、「日本一バイクに配慮した道の駅」が実現するかは、まさにこれからですが、松木さんの話は賛同の拍手に支えられていました。

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