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どう変わった? ホンダの歴史を伝える「ホンダコレクションホール」リニューアルから一般公開へ

バイクのニュース / 2024年3月6日 12時10分

ホンダの歴史を伝える施設「ホンダコレクションホール」(栃木県/モビリティリゾートもてぎ内)が設立25周年を迎えリニューアルされました。どのような内容になっているのでしょうか。

■膨大な所蔵車両の展示から、歴史物語を体感できる内容へ

 ホンダの歴史を伝える施設「ホンダコレクションホール」(栃木県/モビリティリゾートもてぎ内)が設立25周年を迎えてリニューアルを実施し、一般公開されました。その展示内容はこれまでとは路線をガラリと変えながらも、より深くホンダを知ることができる、次世代を見据えた演出がなされています。

エントランスにはホンダの歴史を代表する工業製品、2輪と4輪、パワープロダクツなどが展示されている。そこへ新たにホンダの小型ビジネスジェット機「Hondajet Elite II」の実物大インテリアモックアップモデルが加わったエントランスにはホンダの歴史を代表する工業製品、2輪と4輪、パワープロダクツなどが展示されている。そこへ新たにホンダの小型ビジネスジェット機「Hondajet Elite II」の実物大インテリアモックアップモデルが加わった

 戦後間もない1946年から始まったホンダの歴史は、創業者である本田宗一郎が描く大きな夢と幾多の挑戦によって、日本庶民の生活に根差し、また一方で世界のレースシーンへの参戦で頂点に立つなど、日本が世界に誇るメーカーと成りました。

 自社製の自転車用補助エンジンの販売ヒットから本格的なバイクの開発・生産へと至る時期、1984年に本田技研工業株式会社へと改組し、それから50年の節目に設立された施設が「ホンダコレクションホール」です。

 2023年で25周年目を迎え、「未来へと広がり続けるホンダの普遍のフィロソフィーを伝承する」をテーマに大幅なリニューアル・アップデートが実施され、2023年12月の閉館から約3カ月を経て、2024年3月1日に一般公開の運びとなりました。

リニューアル前の様子。25年間(1998~2023年)続いた施設の内容は、各フロアに立つと視界に膨大な展示車両が映り、その情報量に圧倒されるものだったリニューアル前の様子。25年間(1998~2023年)続いた施設の内容は、各フロアに立つと視界に膨大な展示車両が映り、その情報量に圧倒されるものだった

 これまでの「ホンダコレクションホール」を訪れた人なら、3階建てのホールに大量展示された貴重な所蔵車両に、きっと圧倒されたことでしょう。

 2輪と4輪、そしてそれぞれのレーシングマシンなどが大きく区分けして展示されていましたが、リニューアルされた内容を見ると、その様相はだいぶ異なります。

 まず、4つのエリア(2階と3階、北棟と南棟)に分けられた空間の入口に立つと、目の前に立つ3mを超える高さの壁が視界を遮り、奥まで見渡せないようになっています。壁にはその時代の「挑戦」や「想い」が言葉として記されています。

 色分けされたフロアカーペットは進む道を示し、歩みを進めると展示物が数点、中には1点のみというスペースが待ち構えています。背後には開発の経緯や挑戦から実現までの物語が完結に書かれているため、またこれまでの膨大な展示車両をバッサリ減らしたことによって圧倒的な情報量を抑えたことで、ホンダ製品への理解がダイレクトに伝わって来る演出がなされているのです。

 各展示スペースは間隔が広く確保され、向こうが透けて見えるパーテーションで区切られているので閉塞感は無く、開放的な空間演出となっています。

これまでの展示内容とは大きく異なり、背の高い壁が視界から入る余計な情報を遮りながら、各展示スペースへと誘う。壁には当時の言葉が記載されているこれまでの展示内容とは大きく異なり、背の高い壁が視界から入る余計な情報を遮りながら、各展示スペースへと誘う。壁には当時の言葉が記載されている

 ちなみに、貴重な展示車両などは間近で見ることができるどころか、少し手を伸ばせば届いてしまうくらいの距離感です。それを隔てるのは、床から20cm程度の高さに張られた、足元にある1本の細いヒモ(のようなもの)のみです。

 リニューアルプロジェクト責任者によると、「じっくり見たい時に邪魔になるものは避けたい。来場者の良心を信じる」とのこと。実際に訪れた際は、その距離感に注意が必要です。

 各フロア2輪だけ、4輪だけ、レーシングマシンのみといった展示ではなく、ホンダのパワープロダクツとなる農業エンジンや耕うん機、世界基準の基礎となった画期的な安全装置を備えた芝刈機や除雪機、水中を汚さない4ストロークの船外機、信号機にも使われる非常用発電機など、その種類は多岐にわたります。ホンダが人の生活や環境にどれだけ配慮してきたのかを知ることができるのです。

量産市販2輪車として世界初のDOHCエンジンを搭載。世界GPへの挑戦から培われた技術が詰め込まれている量産市販2輪車として世界初のDOHCエンジンを搭載。世界GPへの挑戦から培われた技術が詰め込まれている

 2輪の展示は、主にレースからはじまった進化の歴史、そして市販車へのフィードバックが理解できるものです。時代や市場に合わせて、アイディアや技術を詰め込んで開発された当時の車両などは、バイクファンにはたまらない展示と言えるでしょう。

 4輪でも一般大衆車が多く見られます。空冷エンジンから水冷への移行、世界トップメーカーが諦めた厳しい排ガス規制への適合、苦肉の策で生み出したモデルが大ヒットとなるなど、「これまでにない発想で世の中を変える」という挑戦がひしひしと伝わってきます。

 2階から3階へ、4つのエリアを時代ごとに辿って行くと、レースで世界の頂点に立ったのみならず、ホンダの工業製品が世界をリードしてきた歴史にも気付くのです。

展示を見て回るだけでなく、ガイドツアーではスタッフの解説によって、より深く、ストレートにホンダの歴史を体感できる展示を見て回るだけでなく、ガイドツアーではスタッフの解説によって、より深く、ストレートにホンダの歴史を体感できる

 ホールを巡る際、新たに音声ストーリーガイドが用意されました。自身のスマートフォン、もしくは貸出用の機器で二次元コードを読み込むことで、ホンダの「夢と挑戦の物語」を聞きながら進むことができるほか、ガイドスタッフによるツアーを利用することも出来ます。

 ゴール地点となる3階北は、今までになかった展示エリアとなっています。ロボティクス技術の研究開発(ASIMOなど)や航空機(Hondajetなど)の世界への新規参入など、ホンダというブランドがこれまで以上の領域へ展開するための新設エリアとなっています。

 ほかにも、最新のパーソナルモビリティ「UNI-ONE」の試乗体験コーナーや、北棟と南棟を結ぶ2階と3階の特設エリアでは企画展が開催(年3回)されるなど、見どころは満載です。

最後のエリアには、リニューアルによって新たに設置された2000年代前後以降の、ホンダがこれまで以上の領域と夢への実現へと進む時代が表現されている最後のエリアには、リニューアルによって新たに設置された2000年代前後以降の、ホンダがこれまで以上の領域と夢への実現へと進む時代が表現されている

 創業者の想いを受け継いだ新たな物語が展開されている「新・ホンダコレクションホール」では、その時代に作られた展示物の「夢と挑戦の物語」を知り、各エリアの空間の変化も楽しめる内容となっているのです。

■ホンダコレクションホール概要
所在地:栃木県芳賀郡茂木町大字檜山 モビリティリゾートもてぎ内
営業時間:10時~16時30分(季節によって変動あり)
入場料:無料(別途モビリティリゾートもてぎへの入場料・駐車料必要)

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