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ポルトガルとスペインで見た、電動バイクの浸透

バイクのニュース / 2024年3月7日 11時10分

2023年にヨーロッパのいくつかの国に滞在していたとき、電動バイクをよく見かけた街がふたつありました。ポルトガルのアルヴォルと、スペインのマドリードです。ヨーロッパでも、電動バイクは4輪に比べてまだまだ普及率が低いのですが、アルヴォルとマドリードは、それぞれ別の理由で電動バイク遭遇率が高い場所でした。

■局地的に浸透している? 電動バイクのある光景

 2023年の3月下旬から約6カ月、わたし(筆者:伊藤英里)はイギリスのロンドンを拠点に、ヨーロッパで開催されるMotoGPのグランプリを取材していました。半年の期間でポルトガル、スペイン、フランス、オランダ、イタリアなどいくつかの国に行きましたが、中でもポルトガルとスペインに滞在していたとき、電動バイクの普及という点で、印象的な光景がありました。

■ポルトガルの町、アルヴォルで見た電動バイク

 ポルトガルGPの取材のために滞在していたのは、アルヴォルという小さな町でした。調べてみるとリゾート地らしく、確かに、ホテルからいくらも歩かないうちに、ビーチに出ることができます。

アルヴォルの繁華街にあった、おそらくサッカーのグッズショップ。なぜか牛がサーフボードに乗っているアルヴォルの繁華街にあった、おそらくサッカーのグッズショップ。なぜか牛がサーフボードに乗っている

 入り江のようになっていて、波はとても穏やかです。ホテルのチェックインのとき、受付の女性は説明をしながら「ここは小さな“村”なのよ」と言っていました。確かに、繁華街らしい通りはあるものの、にぎやかに飲食店が並ぶのは、その周辺だけのようでした。

 スーパーマーケットに買い出しに行ったり、仕事の息抜きに散歩に出たりしているうちに、あることに気が付きました。坂が多いのです。しかも急な傾斜で、下ったと思えば足にむちを打って上り、上ったと思えば、また下りです。

 そうして過ごすうちに、もうひとつのことに気が付きました。電動バイクを見かけることが多いのです。

 早朝、ホテルの前でサーキットへ向かうべく支度していると、すーっとスクーターが通り過ぎます。それがあまりに静かだったので、電動バイクであることを後から理解しました。それからも何度か、電動スクーターがホテルの前を通り過ぎていくのを見かけました。

VORTEXという電動スクーター。何気なく海岸に停められていたVORTEXという電動スクーター。何気なく海岸に停められていた

 それに気付いて街を歩くと、駐輪しているバイクにも電動スクーターが多いことが分かりました。ホテルに戻って受付の女性に「この町は電動バイクが多いんですね」と聞くと、「そうそう」とうなずきます。「どうして電動バイクが多いのですか?」と聞くも、さすがにはっきりとした答えはなかったのですが、推察するに、アルヴォルでは電動スクーターが電動アシスト自転車のような役割なのかもしれません。

 以前、長崎にぶらり1人旅をしたとき、坂が多い長崎では自転車よりもスクーターが多く利用されていると、地元のバーのマスターに聞いたことがあります。

 地形という点で考えるならば、やはり坂が多いアルヴォルもまた、自転車よりも坂を上るのに便利で、クルマよりも手軽に乗れて、家で充電できる電動スクーターが普及しているのかも……。といっても、わたしはたった1週間滞在しただけ。これはあくまでも「かもしれない」という推察です。

 ただ、「多くの電動スクーターがアルヴォルを走っていた」ことは事実です。

■スペインのマドリードを走る、シェア電動スクーター

 ヨーロッパの道ではEVカーを多く見かけました。EVカーの普及という点では、とくにイギリスやオランダはかなり進んでいます。

マドリードでよく見かけたシェア電動スクーター。走っているところも度々見かけたのでよく利用されている様子。バイクはniuの電動スクーターだったマドリードでよく見かけたシェア電動スクーター。走っているところも度々見かけたのでよく利用されている様子。バイクはniuの電動スクーターだった

 では電動バイクはどうかと言えば、「あまり多くは見かけない」です。いくつかの国に行って滞在していると、ポルトガルのアルヴォルはイレギュラーだったのだな、と感じます。

 しかし、スペインGPの取材を終えた後に1週間滞在した、スペインの首都マドリードは違いました。ここではシェアタイプの電動スクーターが普及していました。いくつか同じようなシェアサービスを提供する会社があるようで、カラーリングの異なる電動スクーターが、当たり前に道を走り、駐輪していました。

 ちなみに、マドリードのバイク駐輪場は、東京では考えられないほど多いです。停める場所に困ることは、まず考えられません。また、街を走るバイクの数も多いです。とくにネイキッドモデルなど、日本では趣味性の高いバイクのタイプが移動の足として乗られていました。駐輪しているバイクも然りです。

また別の会社のシェア電動スクーター。このタイプもよく見かけたまた別の会社のシェア電動スクーター。このタイプもよく見かけた

 マドリードの光景は、バイクがいかに日常に溶け込んでいる存在かを伝えているようでした。だからこそ、こうした電動「スクーター」のシェアサービスが成り立つのかもしれません。

※ ※ ※

 ふたつの街は、それぞれの理由で電動バイクがよく走っていました。街ではありませんが、MotoGPのパドックでも、多くの電動スクーターが走っています。確かに電動バイクが普及するには多くの課題がありますが、たとえ局地的にだとしても、電動バイクが浸透している場所もあるということです。

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