対処法はある？ バイクがスリップダウンする主な原因を徹底解説

走行中にタイヤが滑り、転倒してしまう「スリップダウン」。安全なバイクライフを楽しむためにも、できるだけ転倒のリスクは避けたいものですが、バイクがスリップダウンする原因として、どういった状況が挙げられるのでしょうか。

■バイクのスリップダウン！いったい何が原因？

　バイクには転倒の可能性が付いて回ります。程度の大きさにかかわらず、ほとんどのライダーは過去に一度や二度、転倒を経験したことがあるのではないでしょうか。

　よくあるバイクの転倒パターンには、立ちごけと走行中の「スリップダウン」が挙げられます。

　立ちごけの原因の多くは、気の緩みやうっかりミスなどでバランスを崩してバイクを倒してしまうこと。ほとんどが停まった状態からの転倒なので、バイクに少しキズが付く程度で大事に至ることはほぼありません。

　そしてスリップダウンは、走行中にタイヤが滑って転倒してしまうこと。具体的には、タイヤと路面の接地面の摩擦抵抗がなくなり、横滑りがおきて路面からタイヤが離れてバイクが倒れてしまう転び方です。

　とくに危険なのが、前輪が滑って転倒するパターンで、ライダーが前方に投げ出されてしまうことが多く、大ケガを負ってしまうことも少なくありません。そんなバイクの転倒を完全になくす事は困難ですが、スリップダウンの原因や対処法を知っておけば、転倒のリスクを最小限に抑えることが可能です。

　では、バイクがスリップダウンする原因として、どういった状況が挙げられるのでしょうか。

マンホールや側溝の蓋、路面にペイントされた白線も滑りやすい場所

　スリップダウンの原因としてまず挙げられるのが、滑りやすい場所を走ってしまうこと。アスファルトで舗装された道路であれば滑ることはないと思うかもしれませんが、意外にもスリップダウンの原因となる箇所が多いので注意が必要です。

　いうまでもなく凍結した路面や雪道は、2輪で走るバイクはもちろん、クルマでもノーマルタイヤのままだと簡単にスリップします。そのほか、マンホールや側溝の蓋、路面にペイントされた白線も滑りやすい場所として挙げられます。

　また、路面に散らばった落ち葉や砂利なども気を付けたいポイント。これらの場所は乾いた路面でも滑りますが、雨で路面が濡れると一段と滑りやすくなるので要注意です。

　これらの場所を通過する際は路面の状況をよく確認し、なるべく避けて走行するようにしましょう。とくに雨で滑りやすくなっている場合は、カーブで曲がる際に車体をあまり寝かさないようにして、速度を控えめにすることも大切です。

　また、バイクのスリップダウンはカーブでも起きやすくなります。バイクはコーナリングの際、進行方向に車体を倒すことで曲がりますが、この時にバイクを倒しすぎてしまうと、タイヤのグリップ力をオーバーしてしまい、スリップしやすくなってしまいます。

　カーブでのスリップダウンを防ぐには、手前でスピードを十分に落としてから曲がるのが基本。なお、コーナリングの途中でブレーキをかけるとスリップしやすくなるので、なるべくブレーキは使わないようにしてください。

タイヤのメンテナンス不足もスリップダウンの原因になる

　そのほか、障害物や歩行者の飛び出しなどを避けようとして急ハンドルを切ると、バランスを崩してスリップすることも。急ブレーキかけた際にフロントタイヤがロックしてしまい、転倒するケースも少なくありません。

　スリップダウンを防ぐには、スピードの出し過ぎに注意して、普段から車間距離を十分に保つように心がけ、「急」のつく運転をしないことが重要です。

　なお、タイヤのメンテナンス不足もスリップダウンの原因になることがあります。とくに溝が減ってしまったタイヤは、スリップしやすくなるので注意しましょう。また、溝が残っている場合でも、何年も使い続けている古いタイヤは固くなってヒビ割れが発生し、本来の性能を十分に発揮できなくなります。

　タイヤは路面に直接触れているため、バイクの乗り心地を左右する重要なパーツです。タイヤの交換時期を知るには、溝の中にあるスリップサインを定期的にチェックし、スリップサインが出ているようなら、早めにタイヤを交換しましょう。

　またメーカーにもよりますが、タイヤの寿命は3年から5年と言われています。タイヤはまったく走らなくても、経年劣化によって定期的に交換が必要になるパーツです。メンテナンスを怠るとスリップダウンの原因になることがあるので、日頃から小まめにチェックして必要に応じて交換することを心掛けましょう。