1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

【MotoGP現場ぶら歩き】ここはサーキット? きらびやかなパドックと夜店の高揚感漂うスタンド裏

バイクのニュース / 2024年3月22日 19時10分

初めて取材に行ったMotoGP2024年シーズンのカタールGPは、新しいパドックとナイトレースに驚くばかりでした。そして地域的にレアな天候も……。カタールGPの“ぶら歩き”をお届けします。

■「ここは……パドックなのか!?」

 ルサイル・インターナショナル・サーキットで夜のパドックを歩いたとき、大きな衝撃を受けました。初めて訪れたカタールGPのパドックは、わたし(筆者:伊藤英里)が経験してきたどのパドックとも違っていたからです。

カタールGPはナイトレースなので、コース上はとても明るいカタールGPはナイトレースなので、コース上はとても明るい

 ルサイル・インターナショナル・サーキットは、2024年シーズンのMotoGP開幕戦カタールGPの舞台です。カタールGPは2007年から開幕戦、そして2008年からはナイトレースとして行なわれていましたが、2023年はサーキットの大改修工事のために開幕戦を外れ、シーズン後半にスケジュールされました。

 そして2024年は開幕戦に戻った、というわけです。つまり、大改修工事後の真新しいサーキットなのですが、パドックはまるで最新のショッピングモールのような明るさと設備でした。

 ピットが入る建物も、チームやサプライヤーが入る建物も、中東らしいクリーム色をしており、とても大きいのです。オフィスが入る建物は基本的に2階立てで、その前のスペースにはテーブルと椅子が並び、チームスタッフやゲストがくつろぎ、食事をしたりしています。

 これがヨーロッパのサーキットなら、パドックには大きなトレーラーが並び、移動式の巨大ホスピタリティが軒を連ねているところですが、中東カタールはヨーロッパから距離があるために、そのようなトレーラーもホスピタリティもありません。代わりに、各チームは割り当てられた常設のオフィスを使用しているわけです。

チームオフィスの前にはテーブルと椅子があって、ゲストやチーム関係者、ときにはライダーもそこに座り、リラックスしたり談笑したりしていたチームオフィスの前にはテーブルと椅子があって、ゲストやチーム関係者、ときにはライダーもそこに座り、リラックスしたり談笑したりしていた

 あまりにもきらびやかなパドックに、あっけにとられながら写真を撮っていると、それを見止めた知り合いの日本人が「すごいでしょう」と笑いました。曰く、2023年の大改修工事で今のようなパドックになったそう。

「以前はオフィスもプレハブ小屋で、風が吹けば屋根がばたついたくらい」だったそうです。そのパドックも体験してみたかった気もしますが、今のパドックのほうが便利で快適であることは間違いありません。

 それでは、と、金曜日の夜にスタンド裏に行ってみることにしました。

 巨大なグランドスタンドの裏は、パドックほど明るくはありません。広々としたスペースに、バイクメーカーのブースやグッズ販売ブースが並び、音楽アーティストのライブや子供向け補助輪付きのミニバイク体験、好きに色を塗れるバイク模型など、様々な「イベント」がそこかしこにありました。

補助輪付きポケバイを走らせるキッズたち。子供が楽しめるコンテンツがあるのは良いこと補助輪付きポケバイを走らせるキッズたち。子供が楽しめるコンテンツがあるのは良いこと

 その中を、やって来た観客が嬉しそうに、楽しそうに歩きます。そんな様子を、紐で連なる小さな電球がオレンジ色に照らしているのです。

「まるで、お祭りの夜店みたいだ」

 お祭りには、夜という特別な時間に、特別な場所や催しを楽しむという、そこにしかない興奮があります。そんな「特別な興奮」が、ルサイル・インターナショナル・サーキットのスタンド裏には満ちていました。

 そうして「カタールの夜店」を楽しんでいると……ふと、冷たいものが頬に当たったのを感じました。気のせいだろうと思っていると、また、ぽつり。「雨だろうか」なんて思っているうちに、ざああと強めの雨が降り始めたではありませんか。

 しばらく雨宿りをしてメディアが仕事をする部屋、メディアセンターに戻ると、ちょうど走行時間だったMoto2クラスはほとんどのライダーが走行できなかったようです。

金曜日夜に降った雨。しっかり本降りで、もちろんコースもウエットコンディションに。レアな雨らしい。すごい雨男か雨女がいたのだろうか……金曜日夜に降った雨。しっかり本降りで、もちろんコースもウエットコンディションに。レアな雨らしい。すごい雨男か雨女がいたのだろうか……

「カタールで雨という記憶はあまりないなあ」と思っていると、トイレでばったり会った知り合いのスペイン人が、やはりカタールGPでの雨は珍しいと教えてくれました。

 さらにそのあと取材をしたMoto2ライダー、小椋藍選手も「1年で数日しか雨が降らないらしいですよ。それがたまたま今日だったらしいです」と語っていました。なんともレアな雨が、ちょうどカタールGPの走行時間に降ったというのです。

 その後、土曜日も日曜日も、雨が降ることはありませんでした。

 カタールGPのルサイル・インターナショナル・サーキットは、わたしにとって、新しいサーキット体験になったのでした。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください