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今では考えられない!昭和のバイク事情(ルール)

バイクのニュース / 2024年3月29日 9時10分

令和6年の現在、ヘルメットの着用義務やヘッドライトの点灯義務などバイクを安全に乗る上でさまざまな交通ルールが定められています。しかし、昭和の頃は今では考えられないようなルールが定められていたと言います。いったいどのようなルールが定められていたのでしょうか。

■昭和はヘルメットの着用義務がなかったってホント?

 現在はバイクを安全に乗る上でさまざまな交通ルールが定められていますが、昭和まで遡れば今では考えられないようなルールが定められていたようです。

 たとえば、1965年まで日本の道路では、バイクの運転手がヘルメットを着用することは義務付けられていませんでした。この時期を振り返れば、当時のバイク文化と社会において、健康や安全に対する意識が現在とは大きく異なっていたと考えられます。

現在はバイクを安全に乗る上でさまざまな交通ルールが定められている現在はバイクを安全に乗る上でさまざまな交通ルールが定められている

 昭和のバイク用品は、現在ほど技術的に高度なものではなく、ビンテージ品や中古品が主流でした。そのなかでも、ヘルメットは単なるアクセサリー、あるいはファッションアイテムとしての側面が強かったのかもしれません。

 また運転中の安全を守る用品としての認識は、それほど一般的ではありませんでした。そのためヘルメットを探す人々は、保護機能よりもデザインやステッカーなどを重視していたと考えられます。またヘルメット着用の義務化は1965年から始まりましたが、当初は高速道路での装着が努力義務だったようです。

 そして1972年には、最高速度40km/hを超える一般道でもヘルメット着用が限定的に義務化されました。しかし、当時は罰則がなく注意だけで済んだと言われています。

 また1975年からは、政令指定道路区間において51cc以上のバイクに対しヘルメット着用が義務化。さらに1978年には、すべての道路で51cc以上のバイクにヘルメット着用義務が施行されました。

1986年には、50cc以下の原付バイクもヘルメット着用が義務化され、すべてのバイクがすべての道路でヘルメットを着用することになった1986年には、50cc以下の原付バイクもヘルメット着用が義務化され、すべてのバイクがすべての道路でヘルメットを着用することになった

 そして1986年には、50cc以下の原付バイクもヘルメット着用が義務化され、すべてのバイクがすべての道路でヘルメットを着用することになりました。この背景には、バイク事故による負傷や死亡率を減少させるという強い動機があったとのことです。

 昭和時代を振り返ると、バイクは交通手段として広く普及していたものの事故による重大な頭部損傷が社会問題となっていたことがわかります。そうしたなか、国や自治体はバイク乗りの安全を確保するため、ヘルメット着用を法律で義務付けることにしました。

 この義務化において、重傷事故の多くがヘルメット非着用者によるものであったことが大きな推進力になったと言われています。また、ヘルメットを着用しないことに対する罰則も導入されたことにより、ヘルメット着用の重要性を社会に浸透させ、運転者が安全装備を身につけることを促しました。

 現在では、ヘルメットの着用はバイクを運転するうえでの基本中の基本とも言えますが、これは昭和の時代からの安全対策が現代まで受け継がれ、さらに進化してきた結果だと考えられるでしょう。

■昭和時代にはウィンカーのないバイクが存在した?

 昭和時代のバイク事情を振り返ると、現代では当たり前のウインカーが装備されていない車種が存在したことに驚かされます。

1960年代、ウインカーは方向指示の基本的な手段として認識されておらず、手信号で合図するのが一般的だった1960年代、ウインカーは方向指示の基本的な手段として認識されておらず、手信号で合図するのが一般的だった

 その当時、ウインカーは方向指示の基本的な手段として認識されておらず、手信号で合図するのが一般的でした。特に旧型のオートバイや原付において、この特徴が顕著に見られます。

 昭和のバイク文化では、ウインカーのない状態で道路を走ることは珍しくなく、その状態での運転は現在の安全基準からは想像もつかないほど危険な行為と言えます。しかし、当時のライダーたちはそれを普通のこととして受け入れ、自動車や自転車と同様に道路を走っていました。

 そして時代が進むにつれて、ウインカーはバイクの基本装備として普及し始め、現在ではすべてのバイクに標準装備されています。ウインカーは、1960年代後半から1970年代初頭にかけて、多くの国で道路交通の安全基準が厳しくなり始めた時代に搭載されるようになったと言われています。

 1969年以前に生産された車種であれば、ウインカーがなくても車検が通ることからも、1970年前後を境にウインカーが標準装備として広く採用され始めたことがうかがえます。

※ ※ ※

 昭和時代のバイクとその文化は、今日では見ることができない希少な風景となりました。ヘルメットの着用やウインカー搭載の義務化などの変化は、社会全体の安全への取り組みがどのように進化してきたかを示しています。

 現代の交通ルールがなぜ施行されたのか、そしてそれを守ることがどれだけ重要であるかを考え、今一度安全への意識を見直したいものです。

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