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従わないと違反になる? 商業施設でたびたび見かける「右折入庫禁止」の看板

バイクのニュース / 2024年5月2日 10時10分

商業施設の駐車場で、たびたび出入り口付近に「右折入庫禁止」と書かれた看板が掲げられているのを見かけます。この看板の従わないと、なんらかの違反に問われてしまうのでしょうか。

■「右折入庫禁止」の看板を発見!これって従わなきゃダメ?

 ショッピングモールやホームセンターなどの大型商業施設で、駐車場の入口に「右折入庫禁止」の看板が掲げているのを見かけた事がある人は多いと思います。多くの商業施設では施設側の車線から左折して入庫するようにするために、反対車線から右折して入庫する事を禁止しています。

 駐車場の入口には警備員を配置しているところも多く、右折入庫をしようとすると、迂回するように指示されることもしばしば。しかし、警備員を配置するのは混雑する土日だけという施設も多く、平日には看板があるにも関わらず右折入庫するクルマが後を絶ちません。

 公道から右折して施設の駐車場に入る事を禁止する「右折入庫禁止」の案内に、従う法的義務はあるのでしょうか。

商業施設に設置されている「右折入庫禁止」の看板は法的な効力は一切ない商業施設に設置されている「右折入庫禁止」の看板は法的な効力は一切ない

 そもそも交通違反の取り締まりの対象となるのは、国土交通省や各都道府県の公安委員会が公道に設置している道路標識に従わなかった場合です。

 たとえば身近な標識には、逆三角形に「止まれ」と書いてある「一時停止」の標識や、一方通行の出口に設置されている「車両進入禁止」などの標識があります。

 これらは「本標識」と呼ばれるもので、さらに、主にその下に設置されている「補助標識」も含めて公道に設置されている道路標識は、法的な効力を持っています。そのため道路標識の指示を無視すれば、警察の取り締まりの対象になり、内容に応じて罰則が科せられることになります。

 一方、商業施設に設置されている「右折入庫禁止」の看板は、公道ではなく私有地に設置されているもの。これは、施設側の判断で個別に設置している看板なので、法的な効力は一切ありません。つまり強制力はないものの、施設の利用者に協力を促すために設置されている案内標示という訳。

 警察が交通違反を取り締まることができるのは主に公道で、施設内は私有地となるので対象外で、施設内でトラブルが発生したとしても、死傷事故や悪質行為など、よほど大きな事件でないかぎり警察は民事介入できません。そのため、たとえ商業施設の案内表示を無視したとしても、警察に取り締まりを受けることはありません。

■「右折入庫禁止」の理由

 では なぜ看板を掲げてまで右折入庫を禁止しているのでしょうか。

 これには、事故を防止するのと、右折待ちによる渋滞の発生を防止する、2つの理由が考えられます。

 商業施設の出入り口はクルマの往来が激しく、歩道の歩行者を見落とす可能性が高いため、左折入庫に限定しているケースがほとんど。また警備員は、入ってくるクルマと出ようとするクルマを同時に誘導しなければならず、右折で入庫するクルマがあると混乱を招くおそれがあるというのも理由の一つとなっています。

右折して施設に入ろうとした場合、対向車が次から次へと来るので右折待ちによる交通渋滞が発生する可能性がある右折して施設に入ろうとした場合、対向車が次から次へと来るので右折待ちによる交通渋滞が発生する可能性がある

 さらに、右折して施設に入ろうとした場合、対向車が次から次へと来るので右折待ちによる交通渋滞が発生する可能性があります。これが常態化すれば、付近の道路を利用する人から施設側にクレームが入ったり、警察から施設に対して改善するよう指導される事になりかねません。

 そのため施設側は私有地である駐車場内だけでなく、施設の外にも事故や渋滞が発生しないように気を配る必要があります。来店客に安全に利用してもらうために、「右折入庫禁止」の看板を掲げているというわけです。

 では、「右折入庫禁止」の案内を無視して事故を起こしてしまったら、どのような影響が考えられるのでしょうか。

左折で入ろうとしている車両の前に割り込むように右折して接触事故が起きた場合は、右折入庫側の車両の過失の割合が大きくなる可能性がある左折で入ろうとしている車両の前に割り込むように右折して接触事故が起きた場合は、右折入庫側の車両の過失の割合が大きくなる可能性がある

 たとえば、左折で入ろうとしている車両の前に割り込むように右折して接触事故が起きた場合は、右折入庫側の車両の過失の割合が大きくなる可能性があります。

 とは言え道路上で起きた事故か、施設内で起きた事故かでも変わってくるため、現場の状況によってケース・バイ・ケース。そのようなときでも、ドライブレコーダーで映像が残って入れば動かぬ証拠となるので、バイクにもできる限り装着しておいたほうが安心です。

 なお、商業施設の前の道路に「車両横断禁止」の標識がある場合は、左折して施設に入るのはOKですが、右折して施設に入るのは違反になります。

 もし違反行為が認められた場合は「指定横断等禁止違反」が適用され、違反点数1点に加え二輪車は6000円、原付は5000円の反則金が科せられます。

 違反の有無にかかわらず右折入庫で事故を起こした場合は、過失割合で不利になる可能性が高いので、施設が設置する案内は必ず守るようにしましょう。

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