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使いすぎには注意が必要!? 半クラッチの使いすぎが良くないってほんとなのか?

バイクのニュース / 2024年4月11日 9時10分

MTバイクには、クラッチをつなぐ、切るといった基本操作のほかに「半クラッチ」の操作があります。半クラッチはかなり便利な操作ですが、使いすぎはあまりよくないと言います。いったいなぜなのでしょうか。

■半クラッチの使いすぎってバイクによくない!?その理由とは

 MTバイクを運転するときに、初心者ライダーにとってむずかしいのがクラッチ操作です。クラッチをつなぐ、切るといった基本操作のほかに「半クラッチ」の操作をなかなかマスターできず、苦手意識がある人も多いのではないでしょうか。

基本操作のほかに「半クラッチ」の操作がある基本操作のほかに「半クラッチ」の操作がある

 半クラッチとは、クラッチを完全につないだり切ったりせずに、エンジンの動力が半分くらいの力で後輪に伝わった状態のことをさします。クラッチの操作は左ハンドルに備わっているクラッチレバーでおこないますが、レバーを完全に離すとクラッチがつながり、レバーを深く握るとクラッチが切れる仕組みです。

 半クラッチは、このクラッチレバーの中間あたりを微妙に調整しながら握り、右手のスロットル操作をコントロールしながらおこないます。なお、クラッチを急につなげたり、エンジンの回転数が足りなかったりすると、エンジンに動力がうまく伝わらずに「エンスト」してしまいます。

 半クラッチは、バイクを発進させる時や渋滞での低速走行時、上り坂といったエンジンの回転数が低くなる状況で使用すると効果的です。うまく使えば、シフトチェンジをしなくても大きなトルクを生み出せるので、スムーズに走ることができると言います。

 だからといって、状況に応じた適切なシフトチェンジをせずに半クラッチばかりを使っていると、クラッチ板が故障してしまう可能性があるので注意しなければなりません。

 クラッチ板とは、フリクションプレートとスチールプレートと呼ばれる2種類のプレートが交互に並べられたパーツのこと。この2つのプレートがクラッチレバーの操作によって密着するとクラッチがつながり、離れるとクラッチが切れる仕組みになっています。

半クラッチを使いすぎると、このクラッチ板が摩耗してプレート同士が滑ってしまい、正常にエンジンの動力をタイヤに伝えられなくなる半クラッチを使いすぎると、このクラッチ板が摩耗してプレート同士が滑ってしまい、正常にエンジンの動力をタイヤに伝えられなくなる

 半クラッチを使いすぎると、このクラッチ板が摩耗してプレート同士が滑ってしまい、正常にエンジンの動力をタイヤに伝えられなくなるおそれがあるというわけです。

■クラッチの摩耗は故障の原因になるのか?

 クラッチが摩耗して劣化した状態になると「クラッチ滑り」と呼ばれる現象が起こり、さまざまな故障の前兆がみられるようになります。

クラッチが摩耗して劣化した状態になると「クラッチ滑り」がおこり、クラッチを交換する必要があるクラッチが摩耗して劣化した状態になると「クラッチ滑り」がおこり、クラッチを交換する必要がある

 たとえば走行中にエンジンの回転数が急に上がるケースや、シフトチェンジがスムーズにできなかったり、スロットルの操作に対して加速の反応が遅れたりなどの症状がみられるようです。このような症状が出始めてクラッチが滑っているような感じがしたら、クラッチ板の故障を疑ったほうがよいかもしれません。

 そのまま無視して走り続けていると、症状がさらに悪化してバイクが完全に動かなくなってしまうことがあるので、クラッチを交換する必要があります。

 バイクショップにお願いした場合クラッチ交換の修理費用は部品代と工賃を合わせて4〜5万円ほどが相場。クラッチは消耗品でもあるため、上述の症状を感じたらなるべく早めに修理に出すようにしましょう。

バイクショップにお願いした場合クラッチ交換の修理費用は車種にもよりますが部品代と工賃を合わせて4〜5万円ほどが相場ですバイクショップにお願いした場合クラッチ交換の修理費用は車種にもよりますが部品代と工賃を合わせて4〜5万円ほどが相場です

 では、半クラッチの使いすぎを抑えて、クラッチの寿命を延ばすにはどのような運転をすればよいのでしょうか。

 半クラッチを使うのは主に発進時が多くなりますが、クラッチの消耗を抑えるには半クラッチの状態をできるだけ短くすることが重要になってきます。具体的には、半クラッチの状態で必要以上にスロットルをひねって、エンジンの回転数を上げすぎないことです。

 また、走行中のシフトチェンジの際に、エンジンの回転数に合わせたギア操作をすることも重要です。とくに上り坂で高いギアのまま強引に登ろうとしたり、2速発進をしないようにするだけでもクラッチへの負担を軽減できます。シフトチェンジは少し面倒でも、必ず状況に応じた適切なギアに入れて走行するように心掛けましょう。

※ ※ ※

 バイクのライディングの上達を目指すには、「半クラッチ」を上手に使いこなすテクニックが必要になります。ただし、半クラッチに頼りきりになり使いすぎてしまうのは、クラッチ板の故障や寿命を縮めてしてしまう原因になるので、注意が必要です。

 とくに初心者のうちは、半クラッチの感覚を覚えるのがむずかしく感じるかもしれません。半クラッチをマスターするには見たり聞いたりするよりも、実際にバイクに乗って操作するのが上達の一番の近道です。バイクの運転に自信のない人は積極的にバイクに乗るようにして、一日も早く半クラッチをマスターしましょう。

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