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乗り方がヘンだから? バイクのタイヤの一部分ばかりが減る理由

バイクのニュース / 2024年4月28日 9時10分

バイクタイヤのセンターだけが異常にすり減っていたり、波打つようにすり減っていたりする現象を、「偏摩耗」と言います。いったいなぜ、偏摩耗になってしまうのでしょうか。

■タイヤが偏ってすり減る偏摩耗の原因はなに?

 バイクに乗り続けていくと、自然とタイヤがすり減っていきます。しかし、自然なすり減り方とは異なり、センターだけが異常にすり減っていたり、波打つようにすり減っていたりするケースも少なくありません。

 このように、偏った摩耗が生じていることを「偏摩耗」といいます。

 偏摩耗の主な原因は、タイヤの空気圧が適正ではないことやアライメントがずれていること、乗り方に癖があることの3つ。

 タイヤの空気圧が不足していると、走行中にタイヤにかかる負荷が一定ではなくなり、偏ってすり減りやすくなります。またバイクの重みでタイヤの中心部分がつぶれることで、中心部分が地面と接触しにくくなり、両側の摩耗が激しくなって、偏摩耗を起こすというわけです。

偏摩耗の主な原因は、タイヤの空気圧が適正ではないことやアライメントがずれていること、乗り方に癖があることの3つ偏摩耗の主な原因は、タイヤの空気圧が適正ではないことやアライメントがずれていること、乗り方に癖があることの3つ

 それなら、空気が減っていくのを避けるために、多めに空気を入れればよいのでは?と思う人もいるかもしれませんが、空気圧が高いと中心部分の負荷が大きくなり、センター部分の摩耗につながるので、空気圧が高すぎても偏摩耗は起こります。

 またアライメントのずれは、ホイールの取り付け角度が正しくないということなので、走行中に大きな衝撃を受けたり、縁石に乗り上げたりすると起こることが多いようです。

 そして乗り方の癖も、偏摩耗を起こす原因のひとつ。癖の一例としては、片側に重心が寄ったり、停車時にハンドルを回すことが多かったりなどが挙げられます。

 また、急加速や急ブレーキ、スピードが速いままカーブを曲がるなどの荒い運転も、偏摩耗を起こす要因。タイヤのすり減り方で自分の運転の癖がわかるので、定期的にチェックするとよいでしょう。

 では偏摩耗が生じた場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

変摩耗が進むとタイヤが破裂する可能性がある変摩耗が進むとタイヤが破裂する可能性がある

 まずひとつ目のデメリットは、安全に走行しにくくなること。偏摩耗は、タイヤの空気圧が適正でなく変なすり減り方をしているため、地面からの衝撃を吸収しきれません。そのため、振動が大きくなったりハンドルが取られやすくなったりします。

 また、直進での安定性も損なわれるためバランスが取れず、転倒しやすくなります。さらに、路面が濡れている場合にハンドル操作やブレーキがきかなくなる、「ハイドロプレーニング現象」を引き起こしかねません。

 そして2つ目のデメリットは、タイヤが破裂する可能性があること。偏摩耗が進むと、最悪の場合タイヤが破裂してしまう危険性があります。

 タイヤの破裂によってハンドル操作がきかなくなってしまい、予期せぬ動きによって周囲を巻き込む大きな事故につながってしまう危険性も高まるので注意してください。

 そして3つ目のデメリットとして、車検に通らないこと。これは、251cc以上のバイクに乗っている人に当てはまります。

 車検では、安全性に大きく関与するタイヤを厳しくチェックしており、偏摩耗は安全性を損なうので、車検に通りません。つまり公道を走れなくなってしまうため、偏摩耗は早めに対処しておくことが重要です。

偏摩耗になるときは、タイヤの空気圧が高すぎるか低すぎる状態であることがほとんど偏摩耗になるときは、タイヤの空気圧が高すぎるか低すぎる状態であることがほとんど

 では、偏摩耗にならないためにはどうすればよいのでしょうか。

 まず、タイヤの空気圧を適正に保ちましょう。偏摩耗になるときは、タイヤの空気圧が高すぎるか低すぎる状態であることがほとんど。そのため、1か月に1回は空気圧を確認し、適正値にすることが大切です。

 タイヤの空気圧を適正に保っていても偏摩耗が起きる場合は、アライメントがずれている可能性があります。アライメントを戻すためには専門知識や工具が必要となるので、バイクショップやディーラーに依頼するようにしましょう。

 また前述のように、偏摩耗は乗り方の癖によっても起こるケースがあるので、乗り方にも気を配りたいところ。癖を直すのは一筋縄ではいかないかもしれませんが、意識して乗ることを心がけましょう。また、日ごろからスピードを出しすぎたり急ブレーキをかけたりしないことも重要なポイントです。

 なお、すでに偏摩耗になっている場合は空気圧を適正に保ってもアライメントを正しても、タイヤが直ることはありません。

 偏摩耗になっていることに気づいたら、早めにバイクショップやディーラーに相談をして、タイヤ交換をしてもらいましょう。タイヤ交換後は、偏摩耗にならないように空気圧チェックや運転の仕方に気を付けることが大切です。

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