変更可能?バイクのヘッドライトの決まりごと
バイクのニュース / 2024年4月12日 12時10分
バイクに乗るときに欠かせないヘッドライト。自身の位置を周囲へ示すことができ、安全のために必要な存在となっています。ライダーと歩行者を守るための必需品であるヘッドライトには、どのような規定があるのでしょうか。
■点灯義務だけじゃない?バイクのヘッドライトに関する規定のあれこれ
バイクを愛する人にとって、ヘッドライトはバイクを印象付ける顔であり、安全のために欠かせない存在です。ヘッドライトは法規を遵守するための必需品で、日夜を問わずライダーと道行く人々を守る盾となっています。
バイクはその小さな体躯から認識されづらい存在ですが、ヘッドライトを点灯することで、ほかの車両や歩行者に自身の位置を明確に示すことが可能です。
ヘッドライトを点灯することで、ほかの車両や歩行者に自身の位置を明確に示すことが可能
ヘッドライトに関する法規や保安基準は時間と共に進化しており、安全性の向上に貢献しています。また光量や色、点灯方法に関する基準も定められており、これらを遵守することで夜間はもちろん、昼間でも安全に道路を走行することができるというわけです。
では、すべてのバイク乗りにとって必須の知識とも言えるライトの決まりごとには、どのようなものがあるのでしょうか。
日本では1998年4月1日に施行された保安基準の改正により、新たに製造されるバイクへの常時ヘッドライト点灯が義務化されました。この改正は、昼間であってもヘッドライトを点灯させることで、ほかの車両や歩行者に対してバイクの存在をより明確に伝え、交通事故のリスクを低減させることを目的としています。
そのため新しい車両では、エンジンを始動すると自動的にヘッドライトが点灯する、オートライトシステムが装備されていることがほとんどです。
1998年4月1日以降に製造されたバイクは、エンジンを始動すると自動的にヘッドライトが点灯する、オートライトシステムが装備されている
このシステムは、ライダーがライトのON/OFFを意識する必要がないため、ヘッドライトの点灯忘れ防止に大きく役立っていると言えます。このような技術の進化は、バイクの安全性を高めるうえで非常に有効であり、今後もさらなる改善が期待されるでしょう。
また、ヘッドライトの点灯義務に加え、光量や発光色に関する基準も非常に重要です。バイクのヘッドライトの明るさに関する基準は、夜間の視認性を確保し、安全性を高めるために設けられています。
具体的には、光量が15,000カンデラ(cd)以上でなくてはいけないというもので、この基準値は対向車や歩行者に対して警告を与えつつ、ドライバー自身が十分な視界を得られるように設定されていると考えられます。
そして現在、バイクのヘッドライトには、白色のLEDやHIDランプが広く採用されており、これらは従来のハロゲンランプに比べて明るさが大幅に向上しています。特にLEDランプは、消費電力が少ないにもかかわらず高い光量を実現しており、夜間はもちろんのこと、日中の視認性を高めるうえでも効果的です。さらに、長寿命であることからメンテナンスの手間が少なくなるため、結果としてコストパフォーマンスも向上します。
しかし、過度に明るいヘッドライトは対向車両のドライバーを眩惑させる恐れがあるため、光量は国土交通省が定める基準値内に収める必要があります。
■ヘッドライトの発光色について
発光色にも法律で規定された基準があり、2005年以前に製造されたバイクでは、ヘッドライトの色は白色または淡黄色に限定されています。
2006年以降に製造されたバイクでは、ヘッドライトは白色であることが規定されている
これに対して、2006年以降に製造されたバイクでは、ヘッドライトは白色であることが規定されています。色光は波長の特性上、暗い環境下での視認性が高いため、ドライバーがより遠くまで明確に見ることが可能です。
また、見落とされがちなポイントですが、車検時は光軸についても注意しなくていけません。
光軸とは、ヘッドライトが放つ光の中心線のこと。光軸の調整ができていないと、ライトが適切な範囲を照らさず視認性が低下したり、対向車や歩行者の目を眩ませたりする原因になります。そのため、光軸に関しては左右方向に270mm以内、上方向に100mm以内、下方向に地上からヘッドライトまでの距離の20%以内と厳しく定められています。
そして最後は、ヘッドライトの個数に関する決まりです。保安基準では、ハイビームとロービームは2個以下、ヘッドライトの合計は4個以下のように決められています。
このように、バイクのヘッドライト関連の規定は細かく設けられているため、カスタムを考える際には安全基準をしっかりと理解し、法令を遵守しなくてはいけません。
※ ※ ※
バイクのヘッドライトに関する規定や基準は、単に車両の構造に関するものではなく、ライダーやほかの道路利用者の安全を守るために不可欠と言えます。これらの規定を遵守することで、より安全な交通環境の実現に寄与することができるでしょう。
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