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バイクの水平対向2気筒エンジン、転倒の際にエンジンが壊れたりしないの?

バイクのニュース / 2024年4月18日 10時10分

BMW製のバイクに見られる水平対向2気筒エンジンは、左右に大きく張り出した形をしています。転倒時には真っ先に地面と接触するような形状ですが、壊れてしまうことはないのでしょうか。

■左右に張り出した個性的エンジン!転んだ時に壊れないのか

 バイクのエンジンのシリンダー配列にはさまざまな種類があります。単気筒、2気筒、4気筒など気筒数の違いや、V型2気筒、直列2気筒など配置場所の違いなどを考慮すると、現在市販されているだけでも10種類以上。

 その中でも一際異彩を放つのが水平対向2気筒エンジン。

1923年にBMW社として初となるバイク「R32」を発売して以降、水平対向2気筒エンジン(ボクサーエンジン)を搭載したバイクを生産し続けている1923年にBMW社として初となるバイク「R32」を発売して以降、水平対向2気筒エンジン(ボクサーエンジン)を搭載したバイクを生産し続けている

 現在、国内で新車購入できる水平対向2気筒エンジンを搭載したバイクはBMW製のみです。BMWは1923年に同社として初となるバイク「R32」を発売して以降、水平対向2気筒エンジンを搭載したバイクを生産し続けてきました。

 現在でもRシリーズとしてアドベンチャー、ロードスポーツ、クルーザーなど幅広いジャンルで水平対向2気筒エンジンを採用したバイクを生産しています。

 水平対向エンジンの大きな特徴は、左右に張り出したシリンダー。ホンダ「GB350」のような一般的なバイクであれば縦に配置されるシリンダーが、横に寝た状態で左右にそれぞれ配置されています。

 また、水平対向エンジンは左右のシリンダーがそれぞれの振動を打ち消すため、振動が少なくなりやすい傾向にあります。空冷エンジンの場合はふたつのシリンダーに等しく走行風があたるため、均等に冷却することができます。

 そんな水平対向エンジンの独特な魅力に惹かれ、購入を検討している人も多いでしょう。しかし水平対向エンジンのバイクを見た時、多くの人が疑問に感じることがあります。

■転倒時のエンジンへのダメージは?

 左右に貼り出した形をしているシリンダーは、転倒時に真っ先に地面と接触することが予想されるもの。バイク用のエンジンは精密部品で構成されており、転倒時のダメージで走行不能になってしまうのではないか、と不安に感じる人は多いはず。

BMWの水平対向2気筒エンジンは、シリンダーヘッドカバーがレース用のバイクなどに取り付けられるエンジンスライダーのような役割を果たしているBMWの水平対向2気筒エンジンは、シリンダーヘッドカバーがレース用のバイクなどに取り付けられるエンジンスライダーのような役割を果たしている

 実際、転倒した時のエンジンへのダメージは大きいのでしょうか。販売店の担当者は、以下のように話します。

「BMWのエンジンは万が一転倒した時に道路の上を滑りやすいようになっています。そのため転倒した際でも衝撃を受け流すことでダメージを受けにくく、表面のカバーだけが削れることが多いです。むしろ、貼り出したエンジンがあることによって、転倒した際に脚や身体が挟まりにくく、脱出しやすくなるという特徴もあります」

 BMWの水平対向2気筒エンジンにおいては、シリンダーヘッドカバーがレース用のバイクなどに取り付けられるエンジンスライダーのような役割を果たしているとのこと。また、転倒時に脱出しやすいというのは大きなメリットかもしれません。

 もちろん、シリンダーヘッドカバーの交換には最低でも数万円の費用が必要になるはず。シリンダーヘッドカバーに傷をつけないよう、何らかの対策をしたいという人もいるでしょう。

 先ほどの担当者は次のように話します。

オプションとして販売されているシリンダーヘッドカバーオプションとして販売されているシリンダーヘッドカバー

「シリンダーヘッドカバーを保護したい場合、車種ごとに金属製のパイプでできたエンジンガードのオプションがあります。装着はあくまで任意ですが、エンジンに傷が入るのを避けたい人は購入してもよいかもしれません」

 エンジンガードは教習車や白バイにも装着されている、転倒時のダメージを軽減するためのパーツ。左右に大きく張り出しているため、走行中バイクを左右に倒しにくくなってしまいますが、頻繁にスポーツ走行をしない場合は装着を検討してみるのもよいでしょう。

※ ※ ※

 転倒したからといって、すぐにエンジンが壊れてしまうということはないようです。100年以上にわたって生産されていることを考えても、実用に耐える耐久性があることは容易に想像できます。

 もちろん、転倒した場合シリンダーヘッドカバーの部分に傷が入ってしまうことは避けられません。不安な場合は、エンジンガードを装着することで、エンジンをダメージから守るようにするとよいでしょう。

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