2ストロークエンジン車は、なぜあまり見かけなくなったのか?
バイクのニュース / 2024年4月22日 9時10分
かつて2ストロークエンジンを搭載したバイクは数多くあったものの、現在では、新車で買える2ストバイクはほぼ皆無。では、なぜ2ストロークエンジンを搭載したバイクは市場から姿を消したのでしょうか。
■忽然と市場から消えた...! 2ストバイク、なぜ生産終了したのか
市販のバイクに使用されるレシプロエンジンの形式は、4ストローク、2ストロークの2種類に分けられます。現在では4ストロークが主流ですが、かつては2ストロークが注目を浴びていたことも。
2000年代初頭までは2ストロークが注目を浴びていた
2ストロークエンジンは、現在主流の4ストロークエンジンと比べて最高出力が大きくなりやすいという特徴があります。それは、4ストロークエンジンが1回の燃焼あたりに4つの工程を踏む一方、2ストロークエンジンは1回の燃焼あたりに2つの工程で済ませているから。
4ストロークエンジンが吸入、圧縮、燃焼、排気をそれぞれ順番におこなっているのに対し、2ストロークエンジンは吸入と圧縮、燃焼と排気をそれぞれ同時におこなうことで工程を半分にしています。
つまり、同じ回転数で動いている場合、2ストロークエンジンは4ストロークエンジンと比べて2倍燃焼していることになります。もちろん、燃焼効率などを考慮すると単純にパワーも2倍になるというわけではないものの、4ストロークエンジンに比べて2ストロークエンジンの方がパワーが大きくなりやすいのは事実。
そんな2ストロークエンジンは、限られた排気量の中で最大限のパワーを発揮したい小排気量モデルや、純粋なスポーツモデルのエンジンとして長い間愛されてきました。また、多くの2ストロークエンジンは、ある特定の回転数付近で激しく出力が増加する出力特性があり、そのピーキーさも人気を集める理由となっています。
2ストロークエンジンは、特定の回転数付近で出力が増加する特性があり、ピーキーさも人気を集める理由となっている
出力が増加する回転数一帯は「パワーバンド」と呼ばれ、スポーツ走行をする場合は常にこの回転数を保って走行することが求められます。4ストロークエンジンにもパワーバンドは存在しますが、2ストロークエンジンほどの大きな出力の盛り上がりはありません。
このように特有の魅力がある2ストロークエンジンですが、現在、国内で2ストロークエンジンを搭載したバイクの新車販売(レース専用車を除く)は、されていません。街中を走っていてその姿を見かける機会も随分減ってしまいました。
■環境問題に対応しきれなかった2ストロークエンジン搭載モデル
2000年代初頭にはまだまだ沢山走っていた2ストバイクですが、なぜ姿を消してしまったのでしょうか。それは、2ストロークエンジンには「環境に悪い」という致命的な弱点があったから。
2ストロークエンジンは、未燃焼ガスの放出が多いという特徴がある
まず、2ストロークエンジンは4ストロークエンジンに比べて給排気が不完全なため未燃焼ガスの放出が多いという特徴があります。エンジンオイルが一緒に燃焼されるという構造もあって排気ガスは汚くなり、燃費は悪くなりやすい傾向があります。
2ストロークという言葉を聞いたことがない人でも、一度くらいは街中で甲高い排気音を響かせながら、白煙を出して走るバイクを見かけた経験はあるはず。故障したバイクが走っているわけではなく、それが2ストバイクの特徴です。
このような性質を見れば容易に想像できる通り、年々厳しくなる排ガス規制に2ストロークエンジンが適応するのは困難。1998年の排ガス規制や2006年の排ガス規制をきっかけに、2ストバイクは生産終了に追い込まれました。
国内向けのモデルとして最後まで生産されていた2ストスポーツモデル「RZ50(2000型)」
国内向けのモデルとして最後まで生産されていた2ストスポーツモデルは、ヤマハ「RZ50」。「RZ350」や「RZ250」の弟分として1981年から1990年まで販売され、一旦生産終了したのち二代目が1998年から2008年まで販売されました。
※ ※ ※
国内メーカーの公道向け2ストバイクは軒並み生産終了してしまっており、新車で購入することはできません。一方海外メーカーに目を向けてみると、いまだに2ストのバイクを生産しているメーカーもいくつかあります。
最新の排ガス規制「EURO5」に対応した2ストロークエンジンを搭載するバイクもあり、今後2スト=環境に悪いというイメージが変わる可能性も否定はできません。
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