素朴な疑問! 電柱に巻かれた2色のしましまカバーって何の意味があるのか?
バイクのニュース / 2024年4月21日 11時10分
街中でごく当たり前の光景としていつも目にしている「電柱」。しかしよく注視してみると、黒と黄色のしましま模様のカバーが取り付けられたものが設置されているのに気づきます。このカバーには、一体どのような役割があるのでしょうか。
■黒と黄色のしましまカバーは「電柱標識板」と呼ばれるもの!
電柱をよくよく見てみると広告チラシが貼られていたり、時には落とし物がかけられていたりします。また、黄色と黒のしましま模様のカバーが巻き付けられたものを目にすることも少なくありません。
では、このカバーには、いったいどのような役割があるのでしょうか。
黒と黄色のしましま模様のカバーの正式名称は、「電柱標識板」という
電柱に巻かれている黒と黄色のしましま模様のカバーの正式名称は、「電柱標識板」と言います。なぜ電柱標識板が電柱に巻かれているのかというと、昼夜間にわたって電柱の所在を明確にして、歩行者や車両に電柱の存在を知らせるためです。周囲に電柱の存在を示し、歩行者や車などが電柱に衝突するのを未然に防いでいるようです。
実は交通事故でもっとも多い事故は、工作物への衝突です。交通事故総合分析センターの公表する情報によると、工作物による事故の中で、電柱への衝突が原因で命を落としてしまう場合が非常に多く、車両同士の正面衝突よりも致死率が高いという研究結果があるそうです。
そのため電柱標識板は、黄色と黒を合わせた目立つ色のものを使用して存在を知らせ、注意喚起をおこなっています。
また、電柱標識板が黄色と黒を使用していることにも意味があります。
工事現場や踏切など、立ち入ると危険な場所でよく見かける黄色と黒の組み合わせは、危険を知らせる「警告色」と呼ばれる
工事現場や踏切など、立ち入ると危険な場所でよく見かける黄色と黒の組み合わせですが、これは危険を知らせる「警告色」と呼ばれるもの。黄色は”注意”を表していて、黒色を一緒に使用することで黄色を目立たせ、視認しやすくしているようです。
ちなみに、電柱標識板の黄色部分は反射材を使用しており、夜間でも視認できるよう工夫されています。
■危険を知らせるだけじゃない!他にも道路に設置されている安全・防止アイテム
また電柱には、他にも安全のために取り付けられているものがあります。
たとえば、地面から電柱上部へ向かって斜めに伸びているワイヤーを見かけたことがある人もいるでしょう。このワイヤーは電柱が倒壊するのを防ぐために設置された「支線」というものです。
地面から電柱上部へ向かって斜めに伸びているワイヤーを「支線」という
支線にも電柱標識板のように、車両や通行人に存在を知らせて注意を促す「支線ガード」と呼ばれるカバーが取り付けられています。この支線ガードは、支線に人や車両がぶつかって大きなケガをしないよう防いでくれる役割も担っているようです。
また、その他にもぶつかった際の衝撃を緩和してくれるアイテムが存在します。たとえば「クッションドラム」と呼ばれるアイテムは、わき見運転や前方不注意などで建物や設備に衝突するのを防いだり、衝突の際の被害を軽減してくれます。
主に高速道路などの分流部によく設置されており、その名の通りドラム缶のような形のものから、四角や三角などさまざまな形のものがあります。
なおクッションドラムも、電柱標識板と同様に黄色と黒の警告色のデザインが採用されていますが、中には”注意”を表す黄色に加えて”危険”を知らせる赤色を組み合わせた警告色のものもあるようです。
また、車線逸脱を防止するために車線境界に設置された「車線分離標」のように、警告色である赤色を使用した交通安全用品もあります。これは、車線のセンターラインや歩道と車道の間、Uターン禁止場所などに等間隔で設置されている赤色のポールを指します。
車線分離標は「ソフトコーン」や「ラバーポール」、「ポールコーン」など、さまざまな呼び名/商品名があり、赤色以外にも緑色のものや、茶色、グレーなどもあります。
赤色の車線分離標は道路の分岐や合流地点などの注意喚起に用いられており、緑色は高速道路の本線などで使用されています。そして茶色やグレーなどは景観に配慮されたもので、観光地などで使用されていることが多いようです。
またポールの先端には反射シートが貼られているので、夜間走行時でもヘッドライトの光を反射して存在を知らせてくれます。加えて、緊急車両などが倒して進めるように柔らかくできており、すぐに復元する素材でできているそうです。
しかし柔らかいからといっても、ぶつかると車両に傷がつかないわけではないようですので、接触しないよう十分注意して走行することが大切でしょう。
※ ※ ※
普段何気なく見ている街の風景の中には、事故を未然に防ぐためにさまざまな道路設備があります。万が一事故が起きてしまっても、できるだけ被害を軽減するための設備もたくさんあるので、今後バイクで走行するとき目を向けてみるのも面白いかもしれません。
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