32年ぶりに改称「グッドライダーミーティング」から「ベーシックライディングレッスン（BRL）」へ

バイクの安全運転講習会として開催されてきた「グッドライダーミーティング」が、32年ぶりに名称や方向性を変更し、新たに「ベーシックライディングレッスン」として全国で開催が始まっています。

■名称変更、新たな安全運転講習会を開始

　バイクの基礎を学べる講習会は、警察などが主催する二輪車安全運転講習会や、バイクメーカーが主催するバイクスクールなどがありますが、バイクメーカーや販売店、関連団体で構成される日本二輪車普及安全協会（通称、二普協＝にふきょう）が主催してきたのが「グッドライダーミーティング（GRM）」でした。

「ベーシックライディングレッスン（BRL）」の実技講習に先立ち、慣らし走行に向かう受講生とホワイトエンジェルス（神奈川県警女性白バイ隊員）たち（写真／日本二輪車普及安全協会）

「グッドライダーミーティング」は1991年から二輪車安全運転講習会として32年間、全国で開催されてきました。それが2024年から「ベーシックライディングレッスン（BRL＝Basic Riding Lesson）」に名称を変更し、内容も初心者や一般公道走行に不安な人、リターンライダー、運転技能は低いがバイク仲間が欲しい人に向けてリニューアルし、実施することになりました。

「グッドライダー」の名称が使われはじめた1991年は、空前のバイクブームの時代。ロードレースブームから始まったレーサーレプリカブーム、峠小僧やローリング族、カワサキの「ゼファー」から始まったネイキッド車ブーム、スーパークロスや林道に憧れたオフロード車ブーム、みつばち族と呼ばれた北海道ツーリングブームなど、ありとあらゆるバイク文化がブームとなった時代です。

　そしてバイクブームは、同時に交通事故が多発した時代でもありました。

「グッドライダー」の取り組みが始まる少し前の1989～90年は、二輪車と原付による事故死者数が年間2500人を超えるという状況でした。ちなみに昨年、2023年の交通事故死者数は全体で2678人、二輪車と原付は508人となっています。

　そのような時代に「安全運転講習会」のような警察をイメージさせる堅苦しいネーミングだと、本当に来て欲しい層に来てもらえないため、親しみを持てるネーミングで参加を促したかった、という目論見で「グッドライダー」の名称を付けたのではないでしょうか。

　とはいえ「グッドライダーミーティング」は、いったい何をする集まりなのか？　そのネーミングからは伝わりにくいということもあり、今回の名称変更に至ったようです。

　また、「グッドライダー」のネーミングは、防犯登録の名称にも用いられていた歴史があり、防犯登録の方は2022年から「グッドライダー・防犯登録制度」から「二輪車防犯登録制度」に名称が変更になりました。

「グッドライダー・防犯登録」のステッカー

　神奈川県では2024年4月20日（土）に、神奈川県運転免許試験センターで2024年度第1回目の「ベーシックライディングレッスン」が開催され、37人の受講生と約15人の二輪車安全運転指導員、神奈川県警察本部・交通部交通総務課・交通事故防止対策隊の白バイ隊員2人、ホワイトエンジェルス（女性白バイ隊）2人が参加しました。

　青空のもと、車両や服装の点検、ブレーキやバランスの実技、視覚や視野についての安全運転ガイダンスなど講習が行なわれました。

　日本二輪車普及安全協会の宮本義信さんによれば、「ベーシックライディングレッスン」への改称は「バイクって楽しいと思ってもらえるよう、体験型の講習会で技能を高めていただき、末永くバイクライフを送って欲しいという観点から、より初心者やリターンライダー、運転がまだ不安な方に特化しました」とのこと。

　神奈川県の場合、「初心者優先受付Day」や「レディースDay」の開催も予定されています。

　また、経験を積んだライダーたちは、「ベーシックライディングレッスン」以外にもさまざまなレベルのスクールなどが各地で開催されているので、「ぜひご自身のスキルにあった講習会を見つけて参加して欲しい」ともおっしゃっていました。

　止まる・走る・曲がるといった基礎的な技術も、道路で練習することは難しいものです。比較的安価な「ベーシックライディングレッスン」（神奈川県の場合は参加無料・保険料200円）でみっちり練習したり、専門家のアドバイスを受けるなど、ライディングの不安を克服してみてはいかがでしょうか。