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スポンサーとしてついていた!? バイクとタバコの関係

バイクのニュース / 2024年5月15日 9時10分

昔のレーシングマシンの多くには、タバコのロゴやカラーリングなどがされていたと言います。ではそもそもなぜ、タバコメーカーがレーシングチームのスポンサーとなることが多かったのでしょうか。

■バイクにタバコのスポンサー?一体なぜ?

 レースで使用されているバイクにカラーリングされているスポンサーのロゴには、さまざまなものが存在します。

 今現在では、バイクのエンジンオイルやエナジードリンクなどのロゴが入ったレーシングマシンを多く目にしますが、ロードレースが大ブームとなっていた80年代から90年代は、多種多様な企業がレーシングチームのスポンサーをしていました。実際、バイクと関係がないような化粧品メーカーやアパレルメーカーなどが、スポンサーとしてついていることもあったようです。

ロードレースが大ブームとなっていた80年代から90年代は、多種多様な企業がレーシングチームのスポンサーをしていたロードレースが大ブームとなっていた80年代から90年代は、多種多様な企業がレーシングチームのスポンサーをしていた

 中でも、タバコメーカーのロゴやカラーリングがされたレーシングマシンは非常に多く存在したため、「バイクレースといえばタバコのスポンサー」というイメージを抱いている人も少なくはないのではないでしょうか。

 それだけたくさんのタバコメーカーがスポンサーについていたということになりますが、そもそもなぜ、タバコメーカーがレーシングチームのスポンサーとなることが多かったのでしょうか。

 実は、タバコメーカーがレーシングマシンのスポンサーとして力を入れることになった背景には、ヨーロッパでおこなわれていたタバコの宣伝への規制が深く関係しているようです。

 ヨーロッパでは、50年代頃からタバコに関する宣伝が規制されており、テレビや新聞などで広告を打ち出すことができなくなっていたそうです。

 そうした中で、宣伝規制がかかっていない上に絶大な人気を誇っているレーシングマシンに目をつけたタバコメーカーは、レーシングチームのスポンサーになってバイクにタバコのカラーリングをして宣伝効果を上げようと考えたとのこと。

 これが、タバコメーカーのスポンサーカラーが始まったきっかけとなり、瞬く間にレース界に広がったようです。

タバコのスポンサーカラーのイメージが強いホンダの「ロスマンズ」タバコのスポンサーカラーのイメージが強いホンダの「ロスマンズ」

 タバコのスポンサーカラーのバイクといえば、今でも根強い人気を誇るホンダの「ロスマンズ」が挙げられます。そしてヤマハといえば「マルボロ」と言う人も多く、「ラッキーストライク」に至っては多数のバイクメーカーをスポンサーしていたという経歴も。

 レースを観ると必ず目に入ってくるという点からも、「レース又はバイクといえばタバコのスポンサーカラー」という関係を深く脳裏に根付かせている理由であると考えられます。

 また、バイクレースのスポンサーについているタバコメーカー数は、先に挙げたメーカー以外にも非常に多くあるという点からも、タバコの宣伝規制がかかっていないレーシングマシンへの広告に、各タバコメーカーは非常に力を入れていたということがうかがえます。

■今ではすっかり見なくなった…なぜタバコ広告がなくなったのか?

 一昔前は、「レースといえばタバコ」というイメージを根付かせるほどの宣伝効果を得ていましたが、今現在ではタバコがスポンサーとなっているバイクを見かけることはなくなってしまいました。

 その理由は、WHO(世界保健機関)が発効した「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」が関係していると言います。

WHOが発効した「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」が、レースの世界からタバコのロゴが消えた事に関係しているWHOが発効した「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」が、レースの世界からタバコのロゴが消えた事に関係している

 この条約はタバコによる健康被害や犯罪などのトラブルを防ぐためのもの。公共の場での喫煙の制限やたばこの販売を規制する内容の他に、「たばこの広告、販売促進及び後援(スポンサーシップ)を禁止し又は制限する」と明記されています。これによって、レーシングマシンにスポンサーとしてタバコのロゴなどを載せることができなくなりました。

 そして2006年には、モータースポーツに関する国際ルールを制定している「国際自動車連盟」通称「FIA」も、タバコ広告及びスポンサーを禁ずる旨を全てのモーターレースに通達。2006年以降のレースから、タバコのスポンサーカラーが全て消えることになったそうです。

※ ※ ※

 バイクにタバコのロゴやカラーリングが多かった理由は、レーシングマシンに広告を打ち出すことは規制されていなかったことに目をつけたタバコメーカーが、こぞってスポンサーをしたためであるそうです。

 今ではタバコメーカーがレースのスポンサーをすることは許されていません。しかし、「バイクといえばタバコ」というイメージはいまだに根強いため、今でも宣伝効果は薄れていないと言えるかもしれません。

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