【MotoGP第6戦カタルーニャGP】Moto2小椋藍選手が優勝にカムバック!! タイヤマネージメントで10番手から追い上げ

MotoGP第6戦カタルーニャGPが、2024年5月24日から26日にかけて、スペインのバルセロナ-カタルーニャ・サーキットで行なわれました。Moto2クラスに参戦する小椋藍選手（MTヘルメット - MSI）は、今季初優勝を飾りました。

■ついに、表彰台の最上段へ

　Moto2クラスに参戦する小椋藍選手（MTヘルメット – MSI）が、2戦連続で表彰台に立ちました。前戦フランスGPは、2位の場所に。そして今回は、表彰台の1番高い場所に……カタルーニャGPで、優勝を飾ったのです。

【MotoGP第6戦カタルーニャGP】Moto2クラスで今季初優勝を果たした小椋藍選手（中央）、2位のセルジオ・ガルシア選手（左）、3位のジェイク・ディクソン選手（右）

　これは、MTヘルメット – MSIに移籍して初、そして、2022年日本GP以来の優勝でした。2023年シーズン、Moto2クラスでチャンピオン争いを期待されていた小椋選手は、シーズン開幕前に負った左手首の骨折による出遅れが響いて、3度の表彰台を獲得したものの、未勝利でランキング9位に終わったのでした。

　今大会の決勝レースを4列目10番手からスタートした小椋選手は、素晴らしいスタートを切って、1コーナーを3番手で通過します。

　その後、いくつかポジションを落としたものの、小椋選手は冷静に状況を理解していました。周囲のライダーのリアタイヤのグリップが落ちて後退し始める中、小椋選手はペースを維持します。

　15周目にトップを走っていたフェルミン・アルデグエル選手（ベータ・ツールス・スピードアップ）がトラックリミット違反によりロングラップ・ペナルティを科され、これの消化中に転倒を喫したとき、小椋選手は2番手に浮上します。

　小椋選手は、自分のペースが前を走るチームメイト、セルジオ・ガルシア選手（MTヘルメット – MSI）よりも良いと分かっていました。

　そして残り4周、1コーナーのブレーキングでガルシア選手をパスすると、差を広げてトップでフィニッシュラインに飛び込んだのです。

【MotoGP第6戦カタルーニャGP】Moto2クラス小椋藍選手（#79／MTヘルメット - MSI）は10番手からスタートし、前戦のように追い上げのレース。終盤にトップをとらえた

　レース終盤まで、小椋選手のペースはライバルたちに比べて落ちませんでした。その理由を、MotoGP.comのインタビューでこう説明しています。

「たぶん序盤に僕は彼（ガルシア選手）よりも落ち着いていたので、それが違いを生んだんだと思います。10番手スタートで、とても難しい週末でした。優勝できるなんて、思わなかったです」

　前戦フランスGPは、ガルシア選手が優勝し、小椋選手が2位でした。そして今回は、小椋選手が優勝し、ガルシア選手が2位でした。2戦連続でMTヘルメット – MSIがワン・ツーフィニッシュを果たしたのです。

「2戦連続でチームとしてワン・ツー。ほんとに良い日になったな、と思います。最後は前の2台が逃げていたけど、そこに追いつけるとは思っていなかったです。今回はよくタイヤをマネージメントできたと思います。嬉しい日曜日になりました」

　この結果により、小椋選手はチャンピオンシップのランキング3番手に浮上しました。ランキングトップのガルシア選手とは、21ポイント差です。

　MotoGP第7戦イタリアGPは、5月31日から6月2日にかけて、イタリアのムジェロ・サーキットで行なわれます。

■Moto2クラスとは……

　Moto2クラスは、トライアンフ「ストリートトリプルRS」の排気量765ccの3気筒エンジンをベースに開発されたオフィシャルエンジンと、シャシーコンストラクターが製作したオリジナルシャシーを組み合わせたマシンによって争われる。タイヤは2024年よりピレリのワンメイクとなった。クラスとしてはMotoGPクラスとMoto3クラスの中間に位置する。