堂々たる体躯がユーザーを魅了! トヨタ三代目「ソアラ2.5GTツインターボL」とは
バイクのニュース / 2024年6月2日 17時10分
モータースポーツ界の生き字引、現役レーサーの木下隆之氏の新連載コラム「木下隆之のヒストリカルパレード(通称:ヒスパレ)」連載第13回目は、1991年に登場した三代目「ソアラ2.5GTツインターボL」、発売当時の世間の状況を踏まえ解説します。
■三代目ソアラは高級感が溢れていた
初代ソアラのデビューは1981年、特に北米市場で販売を伸ばしていたトヨタが、さらなる利益拡大のために開発したのが発端です。
当時米国はアメリカ企業の保護主義を強化しており、輸入台数の制限を敷いていました。その対抗手段として、利益率の高い高級モデルの創造を急いでいたのです。それが高級なパーソナルクーペ、ソアラなのです。
トヨタ「ソアラ2.5GTツインターボL」(写真提供:Mクラフト)
ライバルはメルセデスSクラスクーペ、BMW6シリーズなどでした。欧米の最上級クーペに正面から挑んだトヨタ初のモデルと言っていいでしょう。
世界のどのモデルより静かで振動が少ないソアラは、大ヒットしました。日本経済も右肩上がりでしたから、成功者の象徴として都会らクルーズする姿を頻繁に見掛けましたね。
セレブ感溢れるソアラは、バブル経済とも親和性があります。金余り日本をフォローに1986年の誕生した二代目もヒット作となりました。その勢いを1991年に三代目が受け継いだのです。
全長は4860mm、全幅は1790mmで堂々とした風格を持つ車体であった(写真提供:Mクラフト)
今回撮影したソアラは、三代目の1991年式になります。「ソアラ2.5GTツインターボL」。直列6気筒2.5リッターツインターボV型8気筒4リッターがラインナップしていましたが最高出力と最大トルクで勝る2.5ツインターボが人気だったのです。
全長は4860mm、全幅は1790mm。令和の最近でこそ5メートルに迫る最高級クーペはありますが、当時としてはとても堂々たる体躯だったのです。
1991年はバブル経済が泡と消えた頃でもありますから、販売は初代ほど華やかではありませんでした。高級感ある走り味や、湧き上がるようなパワーを備えていましたから、評判はとても高いのですが、販売価格もそれなりに高価でした。
当時の希望販売価格は330万円を超えていました。上質な乗り味を実現するために電子制御アクティブサスペンションを組み込んでいたのですが、そのオプション価格は約200万円、最高級グレードは約750万円でしたから、バブル経済が過ぎ去ったこの時期には厳しいものでしたね。
実はこの三代目ソアラは、高級な装備を充実させていただけではなく、先進的でかつ贅沢な作り込みをしています。いわばオーバクオリティ。次世代にフルモデルチェンジされるのは2001年になります。当時としては長寿モデルとなったのは、品質が高かったからでもあったのでしょうね。
最高出力280馬力を発揮した直列6気筒DOHC・ターボエンジンを搭載(写真提供:Mクラフト)
そんなですから、いまドライブしても極端な古さを感じることはありません。メインテナンスがしっかりされていれば、最新のモデルと操縦性に大きな違いはありません。デビューから30年以上が経過していますが、いまでも十分に通用する魅力的なモデルですね。
◾️トヨタ「ソアラ2.5GTツインターボL」
<エンジン>
形式:1JZ-GTE
種類:直列6気筒DOHC・ターボ
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
総排気量(cc):2491
圧縮比:10.0
最高出力(ps/r.p.m):280/6200
最大トルク(lg-m//r.p.m):36.0/4600
燃料タンク容量(リットル):78
<寸法・定員>
全長(mm):4860
全幅(mm):1790
全高(mm):1350
ホイールベース(mm):2690
最低地上高(mm):140
乗車定員(名):5
※ ※ ※
1991年に発売されたスズキ「Goose350」は、高剛性の鋼管ダイヤモンドフレームの車体に350cc油冷4サイクル単気筒SOHC 4バルブエンジンを搭載。
スズキ「Goose350(1991)」
足回りにはフロントに倒立フォーク、後輪にガス封入式ショックアブソーバー、ニューリンク式リヤサスペンションを採用し、安定したコーナリング性能を実現させていました。また、車名のGooseは、現在開催されているマン島TTレースのGooseneckコーナーから命名されています。
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