コンセプトモデルが出たのに!結局発売されなかったバイクがあるって本当?
バイクのニュース / 2024年6月4日 10時10分
メーカーがどのような技術やデザインに力を入れて開発しているかを具現化した車両である「コンセプトモデル」。モーターサイクルショーなどのイベントの度、バイクメーカーも多くのコンセプトモデルを展示しており、後にそれが商品化することも少なくありません。しかし中には、話題になったにもかかわらず発売されなかったものもあるようです。
■乗ってみたかった…コンセプトモデルが出たのに発売されなかったバイクとは
モーターサイクルショーへ足を運ぶとお目にかかることができる「コンセプトモデル」と呼ばれるバイクがあります。バイクのコンセプトモデルは、今バイクメーカーがどのような技術やデザインに力を入れて開発しているかを具現化したバイクのことで、主に市販化されていないバイクのことを指します。
コンセプトモデルには、近々販売することを視野に入れたものもあれば、市販化が難しい奇抜なデザインで芸術的なもの、夢のような技術がつまったものなど過去に多く出展されており、見ているだけでも心躍る作品が多く存在します。
市販化されるコンセプトモデルもある中、市販化されてもおかしくないデザインや性能を持ち、人々の脳裏に焼きつくほどの衝撃を与えたにもかかわらず、市販化されなかったコンセプトモデルも存在するようです。
では市販化されなかったコンセプトモデルとして、どのようなモデルが挙げられるのでしょうか。
◆ホンダ「スーパーモノ」
1995年に発表されたホンダ「スーパーモノ」
まずひとつ目の車種はホンダらしからぬデザインのバイクで、市販化されるのではないかと話題騒然になったスーパーモノが挙げられます。
スーパーモノは1995年に発表されたコンセプトモデルで、ドゥカティのような「トラスフレーム」と呼ばれる三角形を複数つなぎ合わせたような骨組みに、「ビッグシングル」と呼ばれるスリムかつコンパクトなエンジンを搭載したバイクです。
ビッグシングルはヤマハのSR400などで採用されているエンジン形式のこと。ビッグシングルを採用したスポーティなデザインのバイクは数少なかったため、スーパーモノの市販化を期待した人の数は多かったそうですが、市販化はされないままとなったようです。
◆ホンダ「EV06」
東京モーターショー2007に出品されたホンダ「EV06」
そして同じくホンダから2007年に発表されたコンセプトモデルに、EV06というモデルが存在します。
こちらはすでに発売されているホンダのゴールドウィングのエンジンを使用していて、見た目をネイキッド化したデザインであったため、市販への実現化が高そうであったにもかかわらず市販化に至らなかったモデルなのだそうです。非常に重量感があり他にないデザインを持つEV06ですが、実はオートマチック車。楽に安定した走りを魅せてくれるのではないかと期待された一台です。
◆ヤマハ「XS-V1 sakura」
東京モーターショー2007に出品されたヤマハ「XS-V1 sakura」
上述のEV06と同年に出展されたヤマハのXS-V1 sakuraは、コンセプトに「日本の美と情感を資格化」とあり、車種名にある桜色を細部まで施してデザインをこだわりぬいた一台です。
クラシックなデザインであるだけでなく、市販化も現実的なバイクであったため反響が大きかったようですが、販売されることなく今に至りました。
◆スズキ「Gストライダー」
1991年の東京モーターショーに出品されたスズキ「Gストライダー」
また、EV06と同様のオートマチック車で、ビッグスクーターとして印象が強かったものの市販化されなかったバイクに、スズキのGストライダーというコンセプトモデルがあります。
一見すると、ホンダのNM04に似たデザインであるため真新しく見えないかもしれませんが、こちらのコンセプトモデルが出展されたのは2003年であるとのこと。NM04が発売される10年以上前に発表されていたため、出展された当時は斬新なバイクだと感じた人は多かったようです。
◆スズキ「XF4」
1991年の東京モーターショーに出品されたスズキ「XF4」
さらに、同じくスズキから出展されたコンセプトモデルに、XF4というバイクがあります。出展されたのは1991年と古いモデルではありますが、バイクなのに二輪駆動という、クルマでいう四輪駆動のような驚きの機能が搭載されています。
それだけでなく、釣竿を収納できるホルダーも装備しているという、遊び心満載なバイクでした。そのため、昨今のアウトドアブームに出展していたら反響が大きかったのではないかと思わせる機能が充実した一台と言えそうです。
◆ホンダ「ブルドッグ」
2015年の大阪モーターサイクルショーに出品されたホンダ「ブルドッグ」
アウトドアブームである今、出展していたら……と思わせるコンセプトモデルは他にもあります。
それはホンダが2015年に出展したブルドッグという名のバイク。ワイドなタイヤに低重心で悪路も安定して走れそうなデザインのブルドッグは、小物を収納できるスペースがあるだけでなく、キャンプツーリングも想定してキャリアが取り付けられているそうです。
なお、発表されてからまもなく10年が経とうとしていますが、市販化の兆しは見えないままです。
※ ※ ※
バイクメーカーが今持っている技術を駆使し、企業の構想をめいっぱい盛り込んだコンセプトモデルは、市販化が難しい未来的なデザインのものもあれば、市販化を実現してほしいと思える親しみやすいデザインのものまで幅広くあります。
どれも未来を見据えて設計されたものであるため、今の時代に公開していたら市販化されたのでは…と思わせるバイクが数多く存在するのが、コンセプトモデルの魅力でもあります。
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