安全性は大丈夫? オフロードヘルメットを原付やSSモデルなどでも被っていいものか?
バイクのニュース / 2024年6月6日 9時10分
その名のとおりオフロード車用に開発されたヘルメットである「オフロードヘルメット」ですが、どのバイクに乗る場合でも被ってよいのでしょうか。
■オフロード用のヘルメットって、どのバイクにも使っていいの?
バイク用のヘルメットは大きく4種類に分けられます。まず顔全体をカバーするフルフェイスヘルメット、あごの部分がないジェットヘルメット、帽子のように頭頂部を中心にガードするハーフヘルメット。これら3種類は、排気量や車種によって使われる傾向にへだたりがあるものの、一般的に幅広く利用されているヘルメットといえます。
オフロードヘルメットは、主にオフロード車用に開発されたヘルメット
そして残りのひとつが、「オフロードヘルメット」。その名のとおりオフロード車用に開発されたヘルメットなので、ネイキッドバイクやスクーターなどに乗っている一般のライダーには、あまり馴染みのないヘルメットかもしれません。
オフロードヘルメットは、他のヘルメットにはない特徴があります。通常のバイク用ヘルメットは、風の抵抗をなくすため出っ張りの少ない丸みをおびた形状が主流です。一方、オフロードヘルメットは、前頭部に長く伸びたバイザーが装備してあり、前を走るバイクが巻き上げた泥や砂などから目元を守る役割があります。
また、チンガードと呼ばれる口元が前に長く伸びた形状になっているのも特徴。オフロード走行は運動量が多く激しいライディングになりやすいため、呼吸のしやすさを考慮して前方に突き出た形をしています。
本格的なオフロードヘルメットになるとシールドの装備がなく、眼を保護するゴーグルをヘルメットを被ったまま装着できるように作られている
なお、本格的なオフロードヘルメットになるとシールドの装備がなく、眼を保護するゴーグルをヘルメットを被ったまま装着できるように作られています。これは、オフロードのスポーツ走行で泥やホコリが巻き上げられた時に、シールドよりもゴーグルのほうが対処しやすく、帽体内に熱気がこもりにくいというのが理由です。
そんな、オフロード走行に特化したオフロードヘルメットですが、バイクに乗り始めようとしているけど、手元にオフロードヘルメットしかないという人もいるかもしれません。
■どのバイクに乗る場合でもオフロードヘルメットを被って公道を走行してもよいのか
オフロードヘルメットは、安全性は十分に確保されており、公道を走行する時の使用も法律上で認められています。そのため、車種に関係なく大型車から原付まで、どのバイクで使っても問題ありません。
オフロード車以外のバイクのオフロードヘルメットの着用を禁止しているわけではない
そもそもオフロードヘルメットは、メーカーがオフロード走行に適したヘルメットを開発したもの。法律で、オフロード車以外のバイクのオフロードヘルメットの着用を禁止しているわけではなく、あくまでもメーカーが推奨しているだけといえます。
公道を走るときに着用するバイク用のヘルメットについては、道路交通法施行規則第9条の5(乗車ヘルメットの基準)で、以下のように定められています。
1:左右、上下の視野が十分とれること。
2:風圧によりひさしが垂れて視野を妨げることのない構造であること。
3:著しく聴力を損ねない構造であること。
4:衝撃吸収性があり、かつ、帽体が耐貫通性を有すること。
5:衝撃により容易に脱げないように固定できるあごひもを有すること。
6:重量が二キログラム以下であること。
7:人体を傷つけるおそれがある構造でないこと。
この規定は、原付を含めたすべてのバイクが対象。つまり、上記の基準を満たしていれば、どんな形でもバイク用のヘルメットとして使用してもOKということになります。
ただし、オフロードヘルメットは林道や山道、オフロードコースなどの走行を想定して作られていますが、公道を走行するときのことはあまり考えられていません。そのため、一般道を走るときは不便な点があることを覚悟しておく必要があります。
たとえば、バイザーがあるので高速道路を走るときは風の抵抗を受けてあおられやすい一面があります。また、シールドがないゴーグルタイプは、雨や風が顔に直接あたるので、冬は寒かったり、走行中に飛び石や虫が顔にあたる可能性があり、ケガを負う危険性があります。
デュアルパーパスヘルメットは、オフロード走行から街乗りまでバイクを楽しみたい人向け
なお、ヘルメットの種類にはオン/オフどちらにも対応できる、デュアルパーパスヘルメットというものもあります。これは、シチュエーションに応じてバイザーやシールドの脱着が可能で、ヘルメットのスタイルを変えられるのが特徴です。オフロード走行から街乗りまでバイクを楽しみたいという人は、デュアルパーパスヘルメットを選ぶのもよいかもしれません。
ちなみに、バイク用のヘルメットにはいくつかの安全規格があります。日本で販売されているバイク用のヘルメットには、「PSCマーク」と「PSマーク」が付けられていることがほとんど。また、ヘルメットに限らず、さまざまな製品で見かけるのが「JIS規格」のマークです。
これらのマークが付いたヘルメットは、安全基準に適合した製品である証です。法律でマークの付いたヘルメットの着用が定められているわけではありませんが、PSCマークがないものは乗車用ヘルメットとして法律で販売が禁止されています。
海外製のマークのない製品には粗悪なヘルメットも少なくありません。事故が起きた際に大切な頭部を守るためにも、安全規格のマークの付いたヘルメットを着用するようにしましょう。
※ ※ ※
オフロードヘルメットは、オフロード車用に開発されたヘルメットですが、法律上は車種に関係なく大型車から原付まで使用することができます。ただし、公道での走行では使いにくい面もあるので、余裕があれば快適に使えるフルフェイスタイプやジェットタイプのヘルメットの購入を検討したほうがよいでしょう。
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