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【マン島TTレース2024】予選5日間のスケジュールは相次ぐ変更 各クラスの総合結果と決勝レースの見どころ

バイクのニュース / 2024年6月5日 12時10分

1907年から始まり、現存する世界最古のバイクレースとして知られる「マン島TTレース(Isle of Man TT Races)」が、2024年で118年目を迎え、5月27日に開幕しました。会期の前半に設定された予選5日間の模様と、各クラスの予選総合結果をお伝えします。

■天気などの影響で、スケジュールが翻弄される

 1907年から始まり、118年目を迎えた「マン島TTレース(Isle of Man TT Races)」が2024年5月27日に開幕しました。

 予選ウィークは約2週間の会期の前半、5月27日(月)から31日(金)まで毎日設定されていますが、天気やコース閉鎖前の交通事故の影響でスケジュールが何度も変更になりました。

スーパーバイクTTでBMW M 1000 RRを駆り、予選総合1位となったデイビー・トッド選手(写真/小林ゆき)スーパーバイクTTでBMW M 1000 RRを駆り、予選総合1位となったデイビー・トッド選手(写真/小林ゆき)

 初日の27日(月)はマン島の祝日(Bank Holidayと呼ばれる)で、当初は朝10時40分からニューカマー(初参戦者)の先導付き走行から始まる予定でしたが、午前中まで雨が残る天気予報の影響で18時スタートに延期されました。この時期のマン島の日の入りは22時ごろで、夜も昼間のように明るいのでこの時間の走行が可能となっています。

 予選2回目の28日(火)は、やはり雲行きが芳しくなく、18時30分予選スタートの予定でしたが朝からディレイの可能性が予告されました。16時15分に予定通りの開催が発表されて公道閉鎖も行なわれましたが、マウンテンエリアの雲行きが悪く、結局18時30分にこの日の走行中止が発表されました。

 29日(水)は予定通り予選が開催され、30日(木)は直前にTTマウンテンコースのマウンテンエリアで公道閉鎖前に起きた交通事故の影響で中止になりました。

 31日(金)は2回の予選セッション中止を踏まえて、本来の午後の予選に加えて、夜の予選セッションも追加されることになりました。また、6月1日(土)の決勝レース前に設定されていたウォームアップラップ1周は、スーパーバイクとスーパースポーツクラスの予選(2周)に変更されました。

2023年のマン島TTレースでは全てのレースで表彰台に登ったものの、優勝に手が届かなかったディーン・ハリソン選手。2024年はホンダUKに移籍して勝利をものにするか?(写真/小林ゆき)2023年のマン島TTレースでは全てのレースで表彰台に登ったものの、優勝に手が届かなかったディーン・ハリソン選手。2024年はホンダUKに移籍して勝利をものにするか?(写真/小林ゆき)

 今年のTTレースはソロ(2輪車)、サイドカークラスともに中堅ライダー/チームの実力が拮抗。また、若いライダー/チームの健闘も目立ちます。

 一番の話題は、なんと言ってもマイケル・ダンロップ選手が伯父ジョーイの持つマン島最多勝利記録を更新するかどうかです。

 北アイルランド出身の彼は昨年、現役最多勝利数を持つジョン・マクギネス選手の23勝を更新し、25勝まで勝利を重ねました。今年も順調に勝利を重ねることができるのかが見どころです。

 また、昨年スーパーバイクTT/シニアTTで圧倒的な強さを見せたBMWのピーター・ヒックマン選手ですが、ホンダにスイッチしたディーン・ハリソン選手、BMWのジョシュ・ブルックス選手、BMWのデイビー・トッド選手らが軒並み平均時速130マイル(208km/h)を超え、誰が勝ってもおかしくない状況です。

 大ベテランのマクギネス選手は、52歳を迎えてもまだまだトップクラスのライダーとして君臨しています。TTレースの前哨戦でもある北アイルランドの公道レース「ノースウエスト200」ではスーパーストッククラスで3位に入る健闘を見せました。TT予選では全盛期に劣らぬ平均時速131.589マイル(210.542km/h)を記録し、王者の貫祿は健在です。

2023年のマン島TTレースで、サイドカーTTを2レースとも制したバーチャル兄弟組は、弟のレース引退でパッセンジャーを変更してのエントリー(写真/小林ゆき)2023年のマン島TTレースで、サイドカーTTを2レースとも制したバーチャル兄弟組は、弟のレース引退でパッセンジャーを変更してのエントリー(写真/小林ゆき)

 サイドカーは昨年の勝者、バーチャル兄弟チームの弟でパッセンジャーのトム選手がTTレースからの引退を発表しました。そのため、今年はパートナーをケビン・ルソー選手に代えての参戦となります。

 ドライバーのベン・バーチャル選手は、デイブ・モリニュー選手が持つサイドカー最多勝利の17勝に次ぐ14勝を挙げており、どこまで迫れるのかポイント。しかし、バーチャル/ルソー組は31日の予選中にクラッシュ、選手にダメージはないとの情報ですが、決勝までに復帰できるかどうか……。

 また、サイドカー選手だったニック・クロウの息子たちで昨年、着実に実績を残したライアン/カラム兄弟チームもまた、今年の最右翼となっています。予選総合では世界チャンピオンのバーチャル組を上回り、予選トップに立ちました。

 中排気量クラスは多彩なメーカーのバイクがエントリーしています。

 スーパーツインクラスはイタリアのパトン「S1-R」をはじめ、ヤマハ「YZF-R7」、カワサキ「Z650」や「Ninja 650」、アプリリア「RS 660」などがエントリーしています。

 スーパースポーツクラスは、スーパースポーツ・ジェネレーションのカテゴリーも走れるため、排気量600ccの4気筒エンジン車だけでなく、トライアンフ「ストリートトリプル765 Moto2 Edition」、ドゥカティ「パニガーレV2」、スズキ「GSX-R750 M2」、カワサキ「Ninja ZX-636R」などもエントリーしています。

 なかでも、若手最速のデイビー・トッド選手が予選全体の3位のタイムをマーク。ドゥカティの実力を発揮しています。

スーパースポーツTTにドゥカティ「パニガーレV2」で出場し、予選総合3位に付けたデイビー・トッド選手(写真/小林ゆき)スーパースポーツTTにドゥカティ「パニガーレV2」で出場し、予選総合3位に付けたデイビー・トッド選手(写真/小林ゆき)

【マン島TTレース2024 予選総合結果】

■スーパーバイクTT

1位
#8 デイビー・トッド
BMW Motorrad「M 1000 RR K66」
ラップタイム16:54.080
平均時速133.942マイル

2位
#10 ピーター・ヒックマン
BMW Motorrad「M 1000 RR K66」
ラップタイム16:54.767
平均時速133.851マイル

3位
#6 マイケル・ダンロップ
ホンダ「CBR1000RR-R Fireblade」
ラップタイム16:57.963
平均時速133.431マイル

■スーパーストックTT

1位
#10 ピーター・ヒックマン
BMW Motorrad「M 1000 RR」
ラップタイム16:48.837
平均時速134.638マイル

2位
#8 デイビー・トッド
BMW Motorrad「M 1000 RR」
ラップタイム17:01.447
平均時速132.976マイル

3位
#6 マイケル・ダンロップ
ホンダ「CBR1000RR-R Fireblade」
ラップタイム17:03.776
平均時速132.674マイル

■スーパースポーツTT

1位
#6 マイケル・ダンロップ
ヤマハ「YZF-R6」
ラップタイム17:44.072
平均時速127.649マイル

2位
#2 ジェイミー・コワード
トライアンフ「ストリートトリプル765 Moto2 Edition」
ラップタイム17:47.748
平均時速127.210マイル

3位
#8 デイビー・トッド
ドゥカティ「パニガーレV2」
ラップタイム17:48.991
平均時速127.062マイル

■スーパーツインTT

1位
#6 マイケル・ダンロップ
パトン「S1-R」
ラップタイム18:34.424
平均時速121.882マイル

2位
#10 ピーター・ヒックマン
ヤマハ「YZF-R7」
ラップタイム18:43.617
平均時速120.885マイル

3位
#2 ジェイミー・コワード
カワサキ「Z650」
ラップタイム18:48.343
平均時速120.378マイル

■サイドカーTT

1位
#3 クロウ/クロウ
ホンダ「LCR」
ラップタイム18:59.584
平均時速119.191マイル

2位
#1 バーチャル/ルソー
ホンダ「LCR」
ラップタイム19:08.447
平均時速118.271マイル

3位
#2 ファウンズ/ウォルムズリー
ホンダ「DDM」
ラップタイム19:12.673
平均時速117.837マイル

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