バイクのブレーキフルード、交換しないとどうなる?
バイクのニュース / 2024年6月8日 9時10分
ブレーキフルードの交換は、基本的に2年に1回のペースでおこなうことが推奨されています。では、交換を怠ってしまうとどうなるのでしょうか。
■交換しないままの使用はNG!劣化したブレーキフルードが危険な理由とは
現在、新車のバイクの大半に採用されている油圧ブレーキ。その油圧ブレーキの要となるのが、ブレーキフルードと呼ばれる液体です。
ブレーキフルードは消耗品であり、バイクの使用頻度に関わらず2年に一度に交換することが推奨されています。では、その交換を怠ってしまうとどのような悪影響があるのでしょうか。
ブレーキフルードは消耗品であり、バイクの使用頻度に関わらず2年に一度に交換することが推奨されている
バイクのブレーキフルードに交換時期が指定されているのは、ブレーキフルードが、時間経過に連れて劣化していくものであるためです。ブレーキフルードは使用していくうちに、空気中の水分を吸収し、本来の性能を失っていきます。
ブレーキフルードに求められる重要な性能のひとつは、「沸点の高さ」。長い下り坂での減速や、スポーツ走行での急ブレーキの際には、摩擦熱によってブレーキパッドやローターが加熱します。
場合によっては数百度の高温になることも。その熱がブレーキフルードにも伝わるため、ブレーキフルードは非常に沸騰しやすい環境にあると言えます。
油圧式ブレーキは、液体の「圧力を加えてもほとんど体積が変わらない」という性質を利用して、ブレーキレバーを握る力を液体を通じてブレーキキャリパーに伝える仕組みです。
ブレーキフルードが沸騰して気体になると、圧力に応じて体積が大きく変化するようになります。
油圧式ブレーキは、ブレーキレバーを握る力を液体を通じてブレーキキャリパーに伝える仕組み
レバーとキャリパーの間に気体があることで、レバーを握る力を伝えることが難しくなり、最悪の場合ブレーキが全くと言っていいほど効かなくなってしまいます。このように、ブレーキフルードが沸騰してしまうことによってブレーキが効かなくなってしまうことを、「ベーパーロック現象」といいます。
このように、ブレーキが全く効かなくなってしまうことを避けるため、ブレーキフルードは沸点が非常に高くなるよう工夫して製造されています。
しかし、ブレーキフルードが水分を吸収してしまうと、その沸点は非常に低くなってしまいます。バイクに一般的に使用されるDOT4という規格のブレーキフルードの場合、新品の時点での沸点は230℃以上ですが、1〜2年ほど経ち、吸湿率が3.7%になった際の沸点は155℃以上と非常に低くなります。
交換推奨時期を超えても同じブレーキフルードを使用し続けた場合、ブレーキフルードの沸点がさらに低くなってしまうことは想像に難くありません。車検のあるバイクは車検整備ごとに、車検のないバイクでも法定点検などのタイミングで定期的に交換するように心がけると良いでしょう。
ブレーキフルードは車検のあるバイクは車検整備ごとに、車検のないバイクでも法定点検などのタイミングで定期的に交換するように心がけると良い
また、ブレーキフルードを交換する際に、手順を誤ってしまうと空気が混入してしまい、ブレーキの効きに悪影響が出てしまいます。一見うまく作業できたように見えても、いざ乗った時にブレーキが効かず、事故に繋がってしまう可能性もあります。
止まらなくなってしまう不具合は、走らなくなってしまう不具合と比べて何倍も危険。作業に慣れている人とおこなうか、プロに任せるようにし、慣れていないうちは決して一人でおこなわないよう心がけるとよいでしょう。
※ ※ ※
ブレーキフルードは次第に空気中の水分を吸って劣化し、沸点が低くなっていきます。沸点が低い状態ではベーパーロック現象が起きやすくなり、万が一の際に止まることができず、事故を起こしてしまうことも。
必ず二年おきに交換するよう心がけることで、安全なライディングを楽しむことができます。
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