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スズキ「GSX-8R」の実走燃費を計測! 運動神経抜群でツーリングにも優しい優等生

バイクのニュース / 2024年6月8日 11時10分

スズキの新型「GSX-8R」は、日本では2024年1月に発売開始となり、先に登場した「GSX-8S」と車体の主要部分を共通とする、排気量775ccの並列2気筒エンジンを搭載するスポーツモデルです。その燃費を実走で計測してみました。

■スポーティなルックスで、ゆったりツーリングも快適!

 旬なバイクの燃費を計る企画、the「燃費」。今回の相棒は2024年登場の話題のミドルクラスモデル、スズキ「GSX-8R」です。このバイクで市街地、高速道路、そして快走路の燃費を計測してきました。

実際の燃費はどうなのか? スズキ「GSX-8R」(2024年型)を走らせる筆者(松井勉)実際の燃費はどうなのか? スズキ「GSX-8R」(2024年型)を走らせる筆者(松井勉)

 ひと目でスポーツマインドが伝わるデザイン、排気量775ccの並列2気筒エンジンが造るスリムな車体が特徴です。跨がってみると、市街地からツーリングまで気軽に行けそうな軽めの前傾姿勢で、ルックスから想像するより意外とコンフォートなのです。

 じつは2023年に発売された「GSX-8S」、「V-STROM 800DE」などと同時に開発され、車体とエンジンを共用する兄弟車なのです。どのモデルにも共通するのが、乗りやすく、ゆったり走っても、アクセルを開けて加速感を味わっても、どんな場面でも楽しめる多彩さが際だった部分です。それだけにthe「燃費」取材も楽しみしかありません。

 とはいえ、ここはガチンコの実走燃費一本勝負企画です。そのルールは市街地、高速道路、快走路を毎回同じルートを走って計測。交通の流れに合わせたペースで、けして低燃費記録を狙ったような走りはしません。休日のグループツーリングをイメージした走りとも言えます。

 スペック表にある「GSX-8R」の燃費データは、国土交通省届け出値・定地燃費値が34.5km/l、WMTCクラス3-2の燃費値が23.4km/lとなっています。

 文中にある距離、燃費値は、車体に搭載されたメーター内にあるトリップメーター、平均燃費計の数値を記載しています。

 ではさっそく、「GSX-8R」の実走燃費を紹介しましょう。

■午後の市街地、兄弟モデルよりやや良好な記録

 the「燃費」の市街地燃費計測は次のルートで行なっています。都内、外苑付近をスタートして、青山1丁目交差点で国道246号へ。左折して赤坂方面から皇居へ。お堀沿いに桜田門を抜け、丸の内のオフィス街を回り銀座~晴海方向へと走り、豊洲を抜けて首都高速湾岸線と平行して走る国道357号の東雲付近までを走ります。

「GSX-8R」は穏やかな前傾姿勢のため、市街地でも前方視界が取りやすいのが特徴です。エンジンが持つ低回転から滑らかでトルクフルなエンジンが、このバイクに良質な市街地適性を与えています。

 この日、スタートから市街地計測を終える東雲まで36分ほどかかりました。丸の内から銀座周辺で信号待ちが多く、アイドリング時間が多かったにもかかわらず、市街地燃費は18.1km/lを記録しています。

 ちなみに、兄弟車で過去にthe「燃費」で計測した「V-STROM 800DE」は、同じルートで17.4km/lでした。

■ついに来た! ETC専用出入り口の波

 続いて高速道路燃費計測は、次の2区間のルートで行なっています。「木更津金田IC」からアクア連絡道に流入し、「木更津JCT」から館山道へ。そのまま終点まで南下し、「富浦IC」直近のコンビニエンスストアまでの53.4kmを区間1とし、区間2はツーリング燃費計測を終えた館山道の「富津中央IC」からアクア連絡道の「木更津金田IC」までのおよそ25kmです。

高速道路でも豊かなトルク感でラクラクとクルージングできる高速道路でも豊かなトルク感でラクラクとクルージングできる

 今回、区間2のスタート地点となる「富津中央IC」がETC専用化されたため、ETCを装備しないテスト車は、区間1のみでの計測となりました。2025年には都市部が、2030年には全国的にETC専用化が進む中、the「燃費」取材にも影響を与えたカタチです。

 高速道路計測区間の特徴を紹介します。アクア連絡道はやや平坦なものの、館山道はアップダウンが連続し、平坦路がほぼありません。同時に館山道を南下すると「富津中央IC」と「富津竹岡IC」間で車線が片側2車線から1車線となり、制限速度も100km/hから80km/h、そして70km/hと変化してゆきます。

 高速道路を走る「GSX-8R」は、パワー的に余裕の塊です。6速のままアップダウン区間でもラクラク制限速度を維持し続けます。80km/hや70km/hとなってエンジン回転が低下しても、6速のまま流し続けるトルク感はなかなか。低いウインドシールドがもう少し高ければ、さらに快適でしょう。とはいえ、ラクラクとクルージングをします。

 この日記録した高速道路燃費は区間1のみとなりますが、53.4km走行して27.7km/lでした。

■ツーリングペースで走るワインディングが楽しい!

 ツーリングシーンを想定した快走路の燃費計測は、次の3区間で行なっています。区間1は、高速道路燃費計測を終えた「富浦IC」近くのコンビニエンスストアから、国道127号~県道296号を経て「安房グリーンライン」を経由し、房総半島南端エリアの海岸線までの22km。

the「燃費」の計測ルート。房総半島最南端エリアにてthe「燃費」の計測ルート。房総半島最南端エリアにて

 区間2は、房総半島南端エリアの海岸線から国道410号と平行するように海岸線を走る道を千倉方面へ。千倉の市街地で国道410号にアクセスし、そのまま北上。県道34号との交差点で西に向かい、「大山千枚田」までの38.8km。

 区間3は、「大山千枚田」から県道34号~県道182号「もみじロード」を抜け、国道465号~国道127号を経て館山道「富津中央IC」入り口までの25.8kmです。

 どの区間も平地とアップダウンのあるワインディング、交通量が多い場面、少ない場面が混ざり合ったもので、房総ツーリングを楽しめるルートです。イエローラインの道が多く、前走者のペースに合わせて走る時もライディングポジションが楽なので疲れが溜まりません。また、低回転でも滑らかでトルクフルなエンジンにより、ゆったりとした気分で走行を楽しめます。

 開ければ速いのに、急かすことのないエンジン特性、それが燃費記録にも表れています。

 区間1は28.4km/l、区間2は30.3km/l、区間3は30.1km/lでまとめたことで、ツーリング燃費計測は合計86.6kmを走って平均29.6km/lとしています。

 スズキの775cc直列2気筒エンジンはツーリング適性に優れ、燃費の良さを兼ね備えた秀逸なバイクだと言えそうです。

■「GSX-8R」は、いつでもどこでも楽しいバイクだった

 今回、高速道路燃費のサンプルが少ないのは残念ですが、結果的に計測区間合計152.3kmを平均26.9km/lとなりました。

ツーリング想定のthe「燃費」計測ルートを走り終え、ゴール地点の千葉県木更津エリアに到着ツーリング想定のthe「燃費」計測ルートを走り終え、ゴール地点の千葉県木更津エリアに到着

■スズキ「GSX-8R」燃費結果
総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)
走行距離:152.3km
市街地:18.1km/l
高速道路:27.7km/l
快走路:29.6km/l
平均:26.9km/l

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