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ライダーの感情を色で可視化 ヤマハが開発する「感情センシングアプリ」とは?

バイクのニュース / 2024年6月12日 8時10分

ヤマハ発動機株式会社は、身につけて持ち運べるウェアラブルセンシング技術を活用した「感情センシングアプリ」を「人とくるまのテクノロジー展2024」で公開しました。

■“日本全国感動ロードマップ”の構築を目指す

 ヤマハ発動機株式会社は、「人とくるまのテクノロジー展2024」で開発中のスマートフォンアプリ「感情センシングアプリ」を公開しました。

ヤマハが開発する「感情センシングアプリ」ヤマハが開発する「感情センシングアプリ」

 ヤマハと横浜国立大学 島圭介准教授および株式会社ミルウスとの共同研究により開発が進められている感情センシングアプリは、心電データを計測し、喜びやリラックスした状態、緊張など、ライダーの感情を推定しスマートフォンに表示するアプリです。

 同アプリでは感情を「色」で示すことで、ライダーの状態を視覚的に捉えることが可能となっていますが、今後はどのような用途に仕様されていくのでしょうか。

 開発のプロジェクトリーダーを務めるヤマハ発動機の井上 真一さんは感情センシングアプリについて次のように話します。

ヤマハが開発する「感情センシングアプリ」。胸部に装着するベルトには小型のセンサーが備えられていますヤマハが開発する「感情センシングアプリ」。胸部に装着するベルトには小型のセンサーが備えられています

「私どもは人の自律神経の動きに着目して心電で感情を推定するという技術を開発しています。

 感情センシングアプリは、胸部に装着するベルトの裏側に装着されたプラスチックの小型センサーで心電信号を拾ってBluetoothでスマートフォンに送信することで利用可能となります。ちなみに、こちらのセンサーは汗をかいても問題ありません。

 仕組みとしては心電のピークとピークの間隔をいろんな計算式で計算して、その特徴から感情を推定しています。

 心電は、人がアクティブな状態、身体が起きている状態ですと比較的正確に計測できるんですが、退屈していたり眠気、安心状態、いわゆる弛緩した状態ですとアバウトになってきます。

 また、同アプリではバイクで走ったルート上に、推定した感情を色で表示することも可能です。

ヤマハが開発する「感情センシングアプリ」。プロジェクトリーダーの井上 真一さんも実際に使用し「感情ツーリングマップ」を作り上げていますヤマハが開発する「感情センシングアプリ」。プロジェクトリーダーの井上 真一さんも実際に使用し「感情ツーリングマップ」を作り上げています

 私も実際にツーリングでアプリを使ってみましたが、オーシャンビューの綺麗な箇所では感動や喜び、安心などを表す青〜緑、脇道から軽自動車があまり良くないタイミングで飛び出してきた箇所では緊張やイライラ、興奮を示す赤〜黄色が表示されています。

 これがいわゆる『感情ツーリングマップ』と読んでいるもので、SNSなどで共有する際にも感情を可視化できるため、より感動や楽しさが伝わりやすくなるのではないかと考えています。

 また、ツーリング時の食事の際の感情も表示されますし、こうしたデータを統計していってコミュニティを広げ、データを集積していくことで“日本全国感動ロードマップ”を完成させていきたいですね。

■四輪への技術転用や精度向上にも注力

 続けて、井上 真一さんは感情センシングアプリの可能性や将来性について次のようにも話します。

イベント当日は、プロジェクトリーダーの井上 真一さん自らの状態を「感情センシングアプリ」で表示。シンプルな構成で優れた視認性を実現していますイベント当日は、プロジェクトリーダーの井上 真一さん自らの状態を「感情センシングアプリ」で表示。シンプルな構成で優れた視認性を実現しています

「この研究は2019年くらいから開始していますが、コロナ禍の影響もあり開発が遅れてしまいましたが、2023年5月にようやくプレスリリースを出せるまでに至りました。

 会場にお越しの方々にもたくさんてもらえましたし、『車載機器が豊富な四輪に技術転用して、インフォテイメントやADAS(先進運転支援システム)と組み合わせればもっと色んなことが出来そうだよね』という声も頂いております。

 また、現在は実証実験中ですが、社内で実験に協力してくれたメンバーからは平均点で75点くらいの評価を頂いています。

 推定したデータには当然、ハズレもありますが『大体、合っているよね』という声が多かったですね。

 まだまだ精度を上げる手段はあるので、より良いものへ仕上げていきたいです」。

※ ※ ※

 企業目的である「感動創造」の核となる基礎研究に人間研究を位置づけてるヤマハ。その一つである感情センシングアプリがどのように進化を遂げ、ユーザーにフィードバックされるのか期待が高まります。

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