スポーティーで気持ちの良い走り! FELO「FW-03」が既存の電動スクーター観を大きく変える!?
バイクのニュース / 2024年6月17日 17時10分
中国の電動バイクブランドFELOのすスクーターモデル「FW-03」に試乗した佐賀山敏行さんが、その魅力を紐解きます。
■オフロードタイプの電動スクーター
いま、国内で高い注目を集めているのは、中国に拠点を置く電動バイク専門ブランド「FELO」です。以前に小さな車体がかわいらしい原付スクーター「M壱(M1)」を紹介しましたが、今回はクラスを1ランクアップした原付二種スクーター「FW-03」です。
FELO「FW-03」に乗る筆者(佐賀山敏行)
クラスは1ランクですが、車格は数ランクアップしているのではと思わせるほど、大きな差があります。M壱が原付クラスのなかでも小さい車格なのに対し、FW-03は原付二種にしては大きめなので、なおさらそう感じるのでしょう。同じ電動スクーターでありながら、違いの大きさやバリエーションの豊かさに、FELOのメーカーとしての期待が広がります。
さて、FW-03を眺めてみると、M壱同様、なんだかホンダの過去のバイクを思い出してしまいますね。とりあえずそれは置いておいて、FW-03はその見た目どおり、オフロード走行も得意とするスクーターです。スクーターでオフロードというと意外な気もしますが、よくよく考えると同様のコンセプトを持つモデルは多くあることに気づきます。
ホンダ「ADV160」、ヤマハ「BW’S」シリーズ、SYM「ADX125」など、ニッチのようでいて、じつは一定数のファンがいるのがオフロードタイプのスクーターだといえるでしょう。
■シンプルな装備が未来感を演出
FELO「FW-03」(68万2800円/消費税10%込)
FW-03をさらに詳しく見ていきます。スタイリングは前述の通り、ホンダが30年前に出した「EZ-9」を彷彿とさせるもの。しかし、EZ-9はコース専用車両で、FW-03は公道モデルです。当然ながら、灯火類やナンバープレートなどを装着しています。
未来感のあるデザインを持たせるなら、灯火類がない方がスッキリして、より未来感=非現実感を持たせやすいのですが、FW-03はデザイナーの妙技によって、秀逸なルックスに仕上げられています。
ヘッドライトをはじめとする灯火類はLEDで、ナンバープレートはスイングアームに装着されたリアフェンダーにマウント、メーターは5インチTFT液晶ディスプレイを採用しています。このように各パーツは丁寧にアプローチされていて、デザインコンセプトを崩していません。シンプルだけどインパクトの強いデザインは、所有欲を満足させてくれそうです。
パワーユニットは定格出力1000W、最大出力5kWを誇るモーターを採用。バッテリー容量は4176Whで、着脱不可のリチウムイオンバッテリーを搭載しています。最大航続距離は50km/h走行で160km。当然、実際の走行ではこれより少なくなると思いますが、回生エネルギーシステムを採用しているため、どこまで航続距離を維持できるのかも気になるポイントです。
■ニーグリップ可能でレベルの高いスポーツ走行!
FELO「FW-03」に乗る筆者(佐賀山敏行)
車体に跨ります。そう、スクーターではありますが、FW-03は通常のバイクのように跨るようにして乗ります。フットスペースもなく、足はステップに置きます。やや幅広のハンドルもあって、スクーターではなく、通常のバイクに乗っているような感覚。ライディングポジションは小ぶりなモタードのようです。
イグニッションをオンにしますが、それだけではアクセルを回しても走りません。右ハンドルにあるスイッチボックスのボタンを押してから、スタートです。こうした安全配慮は嬉しいポイントといえるでしょう。
走り出すと、そのパワーに思わず笑みが。内燃機搭載車と同様の違和感のないパワーの出しかたは秀逸で、電動だからといって急激にパワーが出たりといった扱いにくさは一切ありません。それでいて、125ccエンジンモデルよりも常に少し高めのトルクを感じるので、余裕のある走りを満喫できます。
ニーグリップで車体をしっかり支えて、リーンアウト気味にコーナーを回れば、まさにモタードに乗っているよう。思わず左足でギアをカチャカチャしたくなりますが、もちろんスクーターなのでギアはありません。しかし、オートマチックのイージーライドでこのコーナーが楽しめるのは高評価ポイントです。シートもフラットなので、前後への体重移動がラクなのも、コーナーを思う存分楽しめる一因となっています。
FELO「FW-03」。フロントブレーキは油圧式ディスク
ただ、やっぱりスクーターなのでのんびり走ろうと思って、シートのやや後ろ側に座ったところ、コーナー特性が大きく変わりました。このバイクは、どちらかというと前荷重でスポーティーに乗る方が断然楽しいようです。
気になるのはオフロード走行ですが、今回は都心での試乗だったため、試すことは叶わず。サスストロークはそこまで長くはなさそうなので、実際にどこまで走れるかは未知数です。
ブレーキも良くできていて、特に左ブレーキに装着されているコンビブレーキは秀逸。前後の制動力のバランスが優れていて、左レバーを使えば、車体姿勢を維持したままスーッと止まります。コンビブレーキがついているため、ABSはなし。ダートを走りたいと思っている方には嬉しいポイントですね。
走行性能とは関係ありませんが、メーターのギミックもよくできていて、タコメーターの代わりにアンペアメーターを装備しています。アクセルを開けると50A、60Aというふうに数値が上がり、アクセルを閉じると数字も下がります。そして、回生ブレーキが作動すると数値はマイナスに! このギミックによって、もともとスポーティーなFW-03がよりスポーティーに感じられます。
■電動の楽しさを凝縮したスポーツスクーター
FELO「FW-03」と筆者(佐賀山敏行)
電動スクーターというと、給油いらずでエコ、だけど走りの楽しさはやっぱりエンジンには叶わない……なんて思っている人も多いのではないでしょうか。しかしFW-03はバイク本来の魅力をしっかりと持った秀逸なモデルでした。誤解を恐れずに言えば、エコを売り物にしたものではない! ということです。
FW-03はカーボンニュートラルな未来を見据えつつ、しっかりとバイクの楽しさを追求した1台だと言えるでしょう。
FELO「FW-03」(68万2800円/消費税10%込)
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