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「チームスズキCNチャレンジ」って一体なに!? 鈴鹿8耐テストをモータースポーツ総合エンターテイナーの濱原颯道が徹底レポート

バイクのニュース / 2024年6月20日 11時10分

国内外で活躍するモータースポーツ総合エンターテイナーの濱原颯道選手がライダーとして参加した、「チームスズキCNチャレンジ」での鈴鹿8耐テストをレポートしてくれました。

■モータースポーツ総合エンターテイナーが鈴鹿8耐に復帰!

 皆さんこんにちは。モータースポーツ総合エンターテイナーを、勝手に名乗っている濱原颯道です。今回はバイクのニュースでも何度か取り上げている「チームスズキCN(シーエヌ)チャレンジ」について書こうと思います。

 普段色んなバイクに乗っている僕が、どうして特定のメーカーについて書くのか、それは僕自身が今年、チームスズキCNチャレンジから鈴鹿8耐に参戦するからです!なので、書ける範囲で書いていきます。

 今回のチームスズキCNチャレンジは、さまざまなサステナブル要素のアイテムを使ってレースに参戦します。燃料、タイヤ、ブレーキ関係、オイル、カウルなど、それらのアイテムに何かしらのサステナブル要素が含まれています。

 使用するマシンはもちろん、スズキ「GSX-R1000R」。基本スペックはEWCに参戦するヨシムラ SERT Motulと同じマシンで、そのバイクをベースにサステナブル要素のアイテム達を上手く機能させられるよう、スズキがマシンを解析してモディファイしていると言った感じです。

鈴鹿8耐テストで鈴鹿サーキットを走る濱原颯道選手鈴鹿8耐テストで鈴鹿サーキットを走る濱原颯道選手

 そのため今回はチームスズキとしてエントリー。スズキの社員を中心に構成されるチームで、いわゆるファクトリーチームです。

 今回の8耐に携わるスタッフはレース経験のない若手から、MotoGPに携わっていた超プロフェッショナルなスタッフまで、様々な経歴の方がいます。

 プロジェクトリーダーは、MotoGPに参戦していたスズキのファクトリーチームをまとめ上げていた佐原さん。

 凄くないですか? そんなチームから僕が出場出来るなんて。チームを運営する中で、超プロフェッショナルな方はもちろんこの業界にとって大事な存在なのですが、同時に若手を育てていかないと今後のバイクレースの為にならないので、人材育成も兼ねているプロジェクトだと僕は思っています。

 それもあってか、みんな久しぶりにレースができるって事で、スタッフさん達もみんな楽しそう。「早くレースやらせてくれ!」みたいな、熱い人が多いと感じました。

 そんな感じで、スタッフの育成と、サステナブル要素なマシンの両方を実戦で開発していき、カーボンニュートラルの実現に向け、今後の開発を続けて行くために重要な活動をするのがチームスズキCNチャレンジです。

チームスズキCNチャレンジのスズキ「GSX-R1000R」と濱原颯道選手チームスズキCNチャレンジのスズキ「GSX-R1000R」と濱原颯道選手

 今回は、そんなチームで鈴鹿8耐のテストに初参加。僕自身、最後にキチンとしたスーパーバイク用マシンに乗ったのは、2022年の全日本ロードレース最終戦、鈴鹿ラウンドです。なので、スーパーバイク用マシンで鈴鹿サーキットを走るのは、約1年半ぶりでした。

 全日本ロードレースにフル参戦している時は特に何も思わなかったのですが、鈴鹿サーキットは時速300キロ出ます。普段からバイクに乗りまくっている僕でも、非現実的な速度域の世界に復帰するには凄く時間が掛かるのでは?と、とても心配でした。

 そのため走り出しは、本当にリハビリ感覚。しかし、計測1周目に2分14秒台が出て、僕としては「1周目は2分22秒くらいかな」と思っていたのですが、想像よりもタイムが出てビックリ。

 そして計測2周目には2分11秒台まで出て、そこで思い出したのが、どのメーカーのリッタースーパースポーツでも、サーキットではそれなりに速く走れるってこと。

 その中でもGSX-R1000Rはサーキットではもちろん、峠などのワインディングも乗りやすいバイクなんです。

走行の合間にピットでセッティングを相談する濱原颯道選手走行の合間にピットでセッティングを相談する濱原颯道選手

 乗りやすいって事は、誰にでも受け入れ易いフレンドリーな車体特性だと僕は思っています。それがサーキットという、凄く速い速度域、そしてハイグリップな路面とタイヤ。そう言った状況でもGSX-R1000Rの素の良さを実感することが出来ました。

 フレンドリーな車体特性という事もあって、周回を重ねるごとにマシンの性格を把握する事ができ、初日のベストタイムは2分10秒1。僕の想定より2秒ほど速いタイムで初日を終えることができました。

 ロングランもしましたが、僕的にはかなり手応えのあるアベレージタイムで終えることができ、満足な結果です。

■レースの未来を担う「チームスズキCNチャレンジ」

 テスト2日目は、朝イチの走行で初日と違った好感触があり、「ちょっと攻めてみようかな」と思って乗り出しました。

 そしたら計測1周目に2分08秒フラットというタイムが出てさらにビックリ。正直、ここまでタイムが詰まるとは思っていなかったので、自分自身にも驚きです。

 何故かと言うと、バイク自体のサーキットでのシェイクダウンも今回が実質初めてだったのと、僕自身が普段乗っている環境の速度域が低いこと。その2つが僕の中では、不安要素としてありました。

 しかしバイクの詳しい乗り味の事などは書けませんが、1年半のブランクがあった僕がすんなりとライディング出来たのは、GSX-R1000Rの素性の良さと、チームスタッフのまとまりの高さのおかげだと思います。

 久しぶりに「僕、レースをしているな。楽しいな!」と、思う事ができました。

チームスズキCNチャレンジのスズキ「GSX-R1000R」チームスズキCNチャレンジのスズキ「GSX-R1000R」

 初回のテストの感想は以上です。いつも僕が書いている記事に比べて、事細かく書いている部分は少ないかと思いますが、許して下さい(笑)

 ちなみに、チームスズキCNチャレンジは今回の8耐にエントリーしますが、さまざまなサステナブルアイテムを採用したマシンなので「実験的」という意味のエクスペリメンタルクラスというカテゴリに分類され、賞典外枠となります。

 レースというと、順位が全ての世界と思っている人がほとんどだと思います。しかし賞典外という、順位の付かない枠での参戦。「何のために参戦するの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

 ですが、今後レースを続けて行くにあたって、環境の事や再生出来るものは再生して行くなどの要素がないと、世間から冷たい目で見られてしまうかも知れないのです。レースという物がこの世で当たり前では無くなってしまう可能性もあります。

 そんな中、スズキはいち早く「今後、バイクの魅力を未来に残し続けていけるようにするには」と考え、今回のようなサステナブル要素のものを使い、鈴鹿8耐という過酷なレースに参戦することを決意。

 環境に良い上に速くて耐久性もあるものなんて、理想中の理想じゃないですか?

 その、レースに携わる全ての人にとっての「理想」のためにも、僕は全力を尽くして取り組んでいきたいと思います。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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