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プレミアムクラスのクロスオーバーモデル、スズキ「GSX-S1000GX」の実走燃費を計測する

バイクのニュース / 2024年6月23日 11時10分

市街地、高速道路、快走路で、気になるバイクの燃費を計測する企画、the「燃費」に、2024年シーズンに向けてスズキがリリースしたクロスオーバーモデル「GSX-S1000GX」を連れ出しました。「GSX-R」由来のパワフルな4気筒エンジンを載せたツアラーモデルの燃費やいかに……。

■世界で人気のカテゴリー、スズキが実現したモデル

 いま、世界のバイクファンの注目を集めつつあるのがプレミアムクラスの「クロスオーバー」モデルです。スズキによれば、プレミアムクラスの販売総数がおよそ20万台で、そのうちクロスオーバーモデルが占める市場が3万台程度と1割を超えています。

実際の燃費はどうなのか? スズキ「GSX-S1000GX」(2024年型)を走らせる筆者(松井勉)実際の燃費はどうなのか? スズキ「GSX-S1000GX」(2024年型)を走らせる筆者(松井勉)

 このモデル達の特徴は、アップライトなポジションながら、スポーツバイクと同様の前後17インチワイドラジアルを装着し、パワフルなエンジン、最先端の電子制御技術を搭載しているなどです。

 スポーツバイクとアドベンチャーの良いとこ取りというキャラクターで、オフロード性能はアドベンチャーバイクほど求めないという立ち位置なのです。

 スズキの新型「GSX-S1000GX」も、「グランドクロスオーバー(GX)」を意味するその名前から解るように、「GSX-S1000GT」をベースに、スズキでは初搭載となるセミアクティブ電子制御サスペンションをはじめ、専用のスタイルで世界観をキッチリと造り上げています。

 水冷直列4気筒DOHC4バルブエンジンは、最高出力110kWと最大トルク105N.mを生み出し、スムーズネス、扱いやすさはすでに定評のあるユニットです。カウル、電子制御など多くの装備を持つため、車重は232kgとなっています。

 その燃費スペックは、60km/h定地燃費値(2人乗り)が20.8km/l、WMTCクラス3-2の燃費値が17.0km/lとなっています。ハイオクガソリン指定の燃料タンク容量は19Lと、長距離移動を速く、快適に、さらにリッチな時間を、というバイクと言えそうです。

 the「燃費」企画では、市街地、高速道路、快走路とシーンを分けて実走行燃費を計測しています。過去記事で他モデルと比較できるよう毎回同じルートを交通の流れに合わせて走行しています。平均燃費、距離はトリップメーターに表示された値を記載しています。

 標準装備のETC2.0車載器にカードを入れて、サクッと燃費計測に出かけたのです。

■リッター4気筒あるある!? 渋滞気味では燃費が伸びず

 the「燃費」の市街地計測は、都内外苑周辺から出発します。青山一丁目交差点から国道246号で赤坂、皇居方面へ。桜田門を経て大手町のオフィス街に入り、一時停止が多くある路地を巡ってから銀座方向へ。そのまま晴海を経て最終的に首都高湾岸線沿いを走る国道357号の東雲付近まで、12.5kmで計測しています。

「GSX-S1000GX」は、ライディングフォームが高いアイポイント、かつリラックスしたもので市街地走行がラク。前後に150mmのストロークをもつサスペンションと電子制御セミアクティブの組合せも印象的。

 スズキドライブモードセレクター(SDMS)で「C(コンフォート)」を選択すれば、サスペンションの動きも滑らか制御となり、アスファルトの継ぎ目、マンホールの段差も見事に吸収してくれます。それでいてブレーキング時に大きなピッチングを出すことも無く、まるで舗装したての道路を走っているかのよう!

 本題の燃費ですが、市街地で信号待ち、渋滞での1速移動が多かったこの日、燃費値が伸びることはなく、12.5kmの距離を40分弱で移動して13.3km/lとなりました。

 この取材後、自宅までの20.7kmを別のルートで走行した参考データとしては16.0km/lを記録。道路状況によって変わるという好例だと感じました。

■高速道路計測では、移動アベレージで意外に変わる

 高速道路での燃費計測は2区間で計測しています。1区間目(往路)はアクア連絡道「木更津金田IC」から館山道の南端「富浦IC」直近のコンビニまでの53.8km、2区間目(復路)は「富津中央IC」から館山道に流入し、「木更津JCT」からアクア連絡道を経由して「木更津金田IC」までの25.3kmで、合計79.1kmの距離です。

高速道路の移動はクルーズコントロールも使って快適そのもの。日本の高速道路事情に合わせてETC2.0車載器を標準装備する高速道路の移動はクルーズコントロールも使って快適そのもの。日本の高速道路事情に合わせてETC2.0車載器を標準装備する

 往路は制限速度80km/hから始まり、館山道に流入してからは100km/hへ、南下して「富津中央IC」を過ぎると片側1車線となり、制限速度は80km/hから70km/hへと下がります。

 復路では、100km/h制限からはじまりアクア連絡道に入ると80km/hとなります。両区間とも館山道ではアップダウンの連続という特徴を持ちます。

「GSX-S1000GX」の高速道路移動は、クルーズコントロールを使いながら楽勝の一言。おそらく海外ではパワフルなエンジンを活かして150km/h巡航だって楽勝でしょう。

 ETC2.0車載器も標準装備なので、増加するインターチェンジ出入口の「ETC専用」化の波にも動じません。

 燃費の傾向としては、移動速度が次第に低くなる往路が21.3km/lで、復路が19.5km/lと移動速度によって明確に変化するタイプでした。平均では20.4km/lとなっています。

■走りの手応え、満足感にナットク!

 ツーリング先のワインディングを想定した快走路での燃費計測は、次の3区間で行なっています。

 1区間目は「富浦IC」出口直近のコンビニをスタートし、国道127号から県道296号にアクセス、そして「安房グリーンライン」を南下して房総半島の南端エリアまでの22km。

 2区間目は房総半島南端にほど近い海岸線から千倉まで海岸線沿いを移動し、国道410号、県道34号を経由して「大山千枚田」までの38.8km。

 3区間目は「大山千枚田」から県道34号、県道182号などを経由し館山道「富津中央IC」入口までの25.8kmで、合計86.6kmの距離で計測しています。

 どの区間も平坦部分とアップダウンを織り交ぜたルートで、ワイディングも楽しめる房総ツーリングの代表的な道です。

一般道、郊外の快走路ではスポーツ性能も十分に楽しめる一般道、郊外の快走路ではスポーツ性能も十分に楽しめる

 性能重視に造られた「GSX-R」用エンジンをベースに、ツーリング適性を高めた「GSX-S1000GX」のエンジンは、房総の道の流れに合わせて走る限り、その性能の2~3割を使っているに過ぎない印象です。流れが良いと加減速も少なく持ち前のコーナリング性能もあり、ツーリングペースでも楽しめることが解りました。

 結果は、1区間目が21.2km/l、2区間目が20.3km/l、3区間目が21.3km/lとなっています。

 直列4気筒1000ccクラスエンジンのため、50km/hも出ていれば6速だけで走れるのですが、適宜ギアセレクトをした方が燃費値は良いようで、信号待ち、速度変化があるにもかかわらず、60km/h定地燃費値の20.8km/lを超える平均20.9km/lを記録したことには驚きました。

■4気筒で時流の先端に乗る、ならばこれはアリ、なバイク

 ツーリングを含めたバイクのスポーティさと快適性、最先端装備での満たし。そのどれもが揃う「GSX-S1000GX」では、市街地、高速道路、快走路を合わせて距離178.2kmの総平均が18.2km/lとなり、WMTCの燃費値17km/lを軽く超えてきました。途中、60km/h定地燃費値を超えることもあり、性能と燃費のバランスに偽りなし。楽しいバイクでした。

ツーリング想定のthe「燃費」計測ルートを走り終え、ゴール地点の千葉県木更津エリアに到着ツーリング想定のthe「燃費」計測ルートを走り終え、ゴール地点の千葉県木更津エリアに到着

■スズキ「GSX-S1000GX」(2024年型)燃費結果
総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)
走行距離:178.2km
市街地:13.3km/l
高速道路:20.4km/l
快走路:20.9km/l
平均:18.2km/l

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