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特殊な構造のスーパーカブC100「スライド式スロットル」をメンテナンス 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフ Vol.2

バイクのニュース / 2024年6月26日 7時10分

どんなバイク、どんなモデルでも、自分自身にとって思い入れがあるバイクには、ある種違った感情がありますよね!? 自分自身の生誕年は「記念すべき年」ですが、そんな自身の生誕年に想いを馳せて「1962年型スーパーカブC100」と暮らしているぼくなのです。

■スロットル操作の不具合は気持ちが悪い

 財務状況が悪かった当時の本田技研が、起死回生で発売したモデル、それがスーパーカブC100でした。初期モデルの発売は昭和33年、1958年モデルでした。この年は、長嶋茂雄さんが東京読売巨人軍へ入団した年で知られていますが。バイク業界にも期待の新人が登場した年でもありました。

 発売と同時に爆発的な受注が入り、埼玉県の埼玉製作所大和工場だけでは生産が追い付かず、1960年の一時は、静岡県の浜松製作所でも生産されたのがスーパーカブC100でした。

偶然に購入した最初のC100をメンテナンスしていると、分解した部品のあちこちに「製造年月」らしきスタンプや打刻が記されていることに気が付きました。これは間違いなく昭和39年の10月に生産された部品だと思われます。偶然に購入した最初のC100をメンテナンスしていると、分解した部品のあちこちに「製造年月」らしきスタンプや打刻が記されていることに気が付きました。これは間違いなく昭和39年の10月に生産された部品だと思われます。

 ホンダの将来をスーパーカブに賭け、スーパーカブ専用工場の建設用に、三重県鈴鹿市内に大規模な土地を購入。本田技研工業鈴鹿製作所がスーパーカブ専用工場の名を掲げて操業開始したのは1960年でした。同年3月にはエンジン工場が稼働し、9月から徐々に完成車の生産が始まり、10月からは本格的に1961年モデルの量産体制に入ったそうです。

 あまりにも生産数が増えてしまい、鈴鹿製作所の完成車工場が稼働しはじめたタイミングから、フレーム番号(通し番号)の頭文字がアルファベットになり、車両管理がなされるようになりました。

製造年式などまったく考えずに購入しましたが、分解メンテナンスしていくうちに「あれっ!?」なんて思うようになりました。エンジンパーツは裏側にハンコが押されていることが多いようです。このC100は、最初に購入した1964年、昭和39年型です製造年式などまったく考えずに購入しましたが、分解メンテナンスしていくうちに「あれっ!?」なんて思うようになりました。エンジンパーツは裏側にハンコが押されていることが多いようです。このC100は、最初に購入した1964年、昭和39年型です

 ぼくが最初に購入したC100は、頭文字が「M」でした。様々な資料本や流出したメーカー資料から「M」打刻は、1964年の9月以降に、完成車出荷されたようです。確かに、部品を分解すると、表から見えない部分に「39.10」とのスタンプや打刻が押してありました。資料からの推定製造年月が大外れではないこともわかりました。

 ある程度の製造年がわかるのなら、自分自身の「生誕年、生誕月に限りなく近い車両が欲しいなぁ……」なんて思うようになり、再度、様々な資料を参考に、おそらくこのあたりでは!? と割り出した頭文字が「F」となったわけです。

スライドスロットルを構成する各小物パーツを分解点検しました。グリスアップされていますが、このグリスが固着すると逆に接着剤のようにネチョネチョと粘ります。そうなると滑りを悪くしてしまうので、ここは分解洗浄しますスライドスロットルを構成する各小物パーツを分解点検しました。グリスアップされていますが、このグリスが固着すると逆に接着剤のようにネチョネチョと粘ります。そうなると滑りを悪くしてしまうので、ここは分解洗浄します

 ここでのレポートは、最初のM号を購入直後に行ったメンテナンスになります。今時の強制開閉式とはまったく違った、特殊構造なのがスーパーカブのスロットルですが、ほぼ固着状態だったのがM号でした。

ダウンドラフト仕様のキャブレターは当時の京浜気化器製でした。スロットルバルブが真横からねじ込まれていたので、キャップを緩めて取り外します。スロットルバルブ外周の磨耗が激しく、できれば新品部品へ交換したいところですダウンドラフト仕様のキャブレターは当時の京浜気化器製でした。スロットルバルブが真横からねじ込まれていたので、キャップを緩めて取り外します。スロットルバルブ外周の磨耗が激しく、できれば新品部品へ交換したいところです

 真っ先にこの部分はメンテナンスしないと、エンジン始動時には苦労するし、走らせても、決して気持ち良く楽しい走りはできないと考えました。

 旧型スーパーカブは、現代のような強制開閉式で軽いスロットル操作ではなく、ハンドルパイプの溝をスライドする鋳物部品と内側がスパイラル状に加工されたインナーパイプを組み合わせた「スライド式スロットル」を採用しているのが大きな特徴でした(1970年代以前の実用モデルにはこのタイプのスロットルが多いようです)。

 しっかりメンテナンスされていれば、重い操作感ではないはずですが、現代の感覚では、違和感があるスロットル操作と言えます。M号のスロットルは、固着寸前で重く、明らかにメンテナンスが必要でした。

 新品部品のワイヤーケーブルに交換すれば、確実に良くなるとは思いますが、ここではぼくの座右の銘でもある「現状最善」を目指して、スロットルのコントロール性を、分解・洗浄・擦り合わせ・グリスアップ・組み立ての順で、高めてみます。

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