Sosa Metalworks初の電動バイクカスタム そこに込められた創り手の想いとは?
バイクのニュース / 2024年6月25日 17時10分
米国カリフォルニアを拠点とする電動バイクメーカー「Ryvid」は、ラスベガスにあるSosa Metalworks(ソーサ・メタルワークス)が製作したカスタムバイクを公開しました。
■軽量なワンオフ・アルミ外装
米国カリフォルニアを拠点とする電動バイクメーカー「Ryvid(ライヴィッド)」は、ラスベガスにあるSosa Metalworks(ソーサ・メタルワークス)が製作したカスタムバイクを公開しました。
Sosa Metalworksが手掛けたRyvidの電動バイク「Anthem」カスタム
航空宇宙産業をルーツに持つRyvidは、最大120kmの航続距離、最高速度120kmを発揮するネイキッドタイプの「Anthem(アンサム)」や、モタードスタイルの新型モデル「Outset」などを開発・製造する電動バイクブランドです。
また、カスタムを担当したSosa Metalworksは、2012 年にクリスティアン・ソーサ氏が弟のロベルト氏ともに創設したショップで、高い板金技術に定評のあるカスタムビルダーとして知られています。
Anthemをベースにしたカスタムバイクは、2023年に開催されたOne Motorcycle ShowでRyvidの創設者であるDong Tran氏とクリスティアン・ソーサ氏が出会ったことがキッカケで始まったプロジェクトで、高さ調節可能な電子制御シート機能と取り外し可能な充電器内蔵バッテリーというAnthem最大の特徴をそのままに、Sosa Metalworksの持てるアイディアと技術を投影。
クリスティアン・ソーサ氏はこれまでガソリンエンジン車をベースにカスタムを施してきたため、新しいマシンを手掛ける際にはエンジンとミッションに焦点を当て、ベースとなるモデルが将来どのように発展するかを想像しデザインしてきたといいますが、今回はベースモデルが電動バイクであるため、同氏がよく使う曲線的なデザインに比べ、よりシャープで直線的なラインを選択。
Ryvidの電動バイク「Anthem」
外装はよりモダンなマシンに仕上げるため、スチールよりも加工が難しいアルミが使用されており、併せて軽量化も図ることでパフォーマンスの向上にも焦点が当てられています。
今回のカスタムを製作するにあたり、クリスティアン・ソーサ氏はその拘りについて次のうように話します。
■Sosa Metalworks/クリスティアン・ソーサ氏
Sosa Metalworksが手掛けたRyvidの電動バイク「Anthem」カスタム。アルミ外装とすることで軽量な車体を維持しています
「Ryvidプロジェクトでは、ほとんどの作業を手作業で行いましたが、設計と製作のプロセスには、これまでやったことのない高速切削CNCテーブルも取り入れました。すべてのパーツをカットした後、パワーハンマーで手作業で成形しましたが、ハンマーで叩くのは時間がかかるけど、自分のゾーンに入ることができるため、この工程で一番好きな部分なんです。
この技術のおかげもあって、同カスタムは設計を含めて3週間ほどで完成しました。
カスタムバイクを製作していると、たまに想像以上にいいものができることがあります。バイクを組み立てているとき、こんなにうまく組み立てられて、こんなによく見えるなんて……と。クラシックな雰囲気がありながら、ラインによってとてもアグレッシブで、少し未来的な印象を受けると思います。
私は昔からモーターサイクルが大好きで、それは私にとって常にガソリンエンジン車が常でした。
しかし、Anthemに乗って、ガソリンエンジン車よりも実際の走りに集中することを学びました。まったく違う乗り方になります。キックスタートで動くバイクに乗るのも好きですが、バイクに飛び乗ってスロットルをひねるだけで動き出すのにも美学があると思います。
Sosa Metalworksが手掛けたRyvidの電動バイク「Anthem」カスタム
Anthemはとても軽い(313ポンド/約142km)ので、乗っていて本当に楽しいですし、重量をできるだけ軽くするためにアルミを使ったのも、そのためです。
私は一度に1台のバイクしか作りません。プロジェクトからプロジェクトへ飛び移ることはほとんどありません。ひとつのプロジェクトが完成するまで集中したいんです。
通常、クライアントの予算に合わせて作業するので、それにかけられる時間を計ることができます。しかし、決して手抜きはしません。この仕事を25年以上やってきて、その経験の利点のひとつは、身につけた技術によって物事をより早くこなせるようになり、身につけた道具や機械によってさらにスピードアップできるようになったことです。これらのおかげで、デザイン面や職人技により多くの時間を割くことができるのです」。
※ ※ ※
ベースモデルを問わず、自身が育んできた技術を注ぎ込むことで得られた個性的なスタイル。そこからは創り手のものづくりに対する実直な姿勢が強く伝わってきます。
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