説明できる？ バイクの「息つき」症状とは

いくらバイクをメンテナンスしていても、何かしらの車両トラブルが発生する可能性はゼロではありません。「息つき」も数ある車両トラブルのうちの一つですが、具体的にはどのような症状なのでしょうか。

■バイクが呼吸!?「息つき」っていったい何？

　同じバイクに長く乗っていると、多かれ少なかれ不具合が発生することがあります。

　なかには、「アイドリングで一瞬エンジンが止まりそうになる」や「アクセルを回したときに一時的に失速する」といったケースも。このような症状がみられた場合、バイクのトラブルのひとつである「息つき」が起こっている可能性があります。

　息つきは一時的な現象ではありますが、放っておくとバイクのコンディションがさらに悪化して頻繁にエンストをしたり、重大なエンジントラブルに見舞われたりすることもある危険な不具合。

　そんなバイクの「息つき」とは、具体的にはどのような症状なのでしょうか。

バイクの息つきは、エンジンが一瞬だけ止まりそうになる症状

　バイクの息つきは、エンジンが一瞬だけ止まりそうになる症状。アイドリング中にガクンとエンジンが停止しそうになったり、走行中にスピードを上げようとしても一時的にエンジンの回転数が下がるようなパターンが、息つきにみられる症状で、ちょうど人が一呼吸おくようにエンジンが停止することから、「息つき」と呼ばれるようになりました。

　息つきが起こる原因はいくつか考えられますが、まず挙げられるのが燃料供給や吸気系統のトラブル。燃料ラインや燃料フィルターが詰まっていると、ガソリンの流れが悪くなるためアクセルを回してもエンジンに十分な燃料が供給されません。これにより、エンジンが正常に動かず息つきが起きることがあるようです。

　また吸気系統の不具合では、エアフィルターの汚れや吸気マニホールドに侵入した異物によって空気の流れが悪くなり、エンジンに適切な空気が送り込まれなくなります。

　他にも、エアフィルターをメーカー純正品以外のものに交換した際など、空気の流れる量が多すぎたり少なすぎたりして、適量の空気が吸気できずに息つきが起こることも。エンジンを正常な状態にキープするには、これらのパーツの定期的なメンテナンスと点検が重要になります。

「息つき」はスパークプラグが劣化していたり、イグニションコイルの不具合など点火系統のトラブルが原因であることも少なくない

　スパークプラグが劣化していたり、イグニションコイルの不具合など点火系統のトラブルが原因であることも少なくありません。

　たとえば、スパークプラグにカーボンが付着して真っ黒に汚れていると、燃料と空気の混合気をうまく点火できないため、シリンダーが正しく機能せずに息つきの原因になってしまうというわけです。なお点火系統のトラブルでは、息つき以外のエンジンの不具合が発生することも。エンジンがかかりにくくなったり、回転数が不安定になったりするなどのエンジンの不調がみられたら、点火系統のトラブルを疑った方が良いでしょう。

　点火系統のパーツはエンジンの調子を左右するため、定期的なメンテナンスはもちろん、劣化しているようであれば交換する必要があります。

　またインジェクション車の場合は、電子制御系のトラブルが息つきの原因になることがあります。ECU（エンジンコントロールユニット）の不具合やセンサーの故障が主な原因で、エンジンの燃焼噴射量や点火のタイミングなどの制御がうまくいかず、アイドリングの不調などが起こり、息つきの原因になることがあります。

　バイクに息つきの症状が現れても、一瞬のことなのであまり気にならない人は多いと思いますが、そのまま対処せずに放置すると頻繁に息つきが起きたり、突然エンジンが止まってしまったりする可能性もあるため、症状がひどくなる前に、なるべく早く対処して安心して運転できるようにしておきましょう。

エアフィルターも汚れていると、エンジンへの空気がしっかりと送り込まれなくなり、エンジンの出力低下を招く原因になる

　息つきの症状がみられた際は、まず原因を特定することが先決。

　燃料ラインや燃料フィルターが汚れていたり、ゴミなどの詰まりが生じていたりすると、ガソリンの流れが悪くなりエンジン本来の性能を発揮できません。

　とくに燃料フィルターにゴミが溜まっていないか定期的にチェックして、必要に応じて清掃または交換をおこなうことで、エンジンを正常な状態にキープできます。

　またエアフィルターも同様に汚れていると、エンジンへの空気がしっかりと送り込まれなくなり、エンジンの出力低下を招く原因になります。エアフィルターは消耗品なので、確認して汚れているようであればクリーニングもしくは交換するようにしましょう。