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【MotoE第5戦オランダ大会】レース1は、転倒とペナルティ続出の展開に

バイクのニュース / 2024年7月1日 17時10分

2024年シーズンの電動バイクレース『FIM Enel MotoE World Championship』の第5戦オランダ大会が、6月28日から29日にかけて、TT・サーキット・アッセンで行なわれました。

■波乱に満ちたレース展開に

 電動バイクレース『FIM Enel MotoE World Championship』(以下、MotoE)第5戦オランダ大会のレース1は、波乱のレースとなりました。転倒のほか、ペナルティを科されるライダーが続出したのです。

【MotoE第5戦オランダ大会】レース1でのオスカル・グティエレス選手(#99)とニコラス・スピネッリ選手(#29)のポジション争い【MotoE第5戦オランダ大会】レース1でのオスカル・グティエレス選手(#99)とニコラス・スピネッリ選手(#29)のポジション争い

 MotoEは、毎戦2レースが行なわれます。土曜日の昼にレース1が、MotoGPクラスのスプリントレースが終わった後の夕方に、レース2というスケジュールです。

 レース1がどのように「波乱」だったのか、まとめてみましょう。

 まず、転倒を喫したのは合計5名のライダーです。1周目で交錯したアンドレア・マントヴァーニ選手とマッテア・カサデイ選手。最終ラップで交錯したエリック・グラナド選手とケビン・ザンノーニ選手。そして、ニコラス・スピネッリ選手が6周目に単独で転倒を喫しています。MotoEは全18名のライダーがエントリーしているので、約3分の1のライダーが転倒したことになります。

 さらに、今回はそのクラッシュによって、マントヴァーニ選手とグラナド選手がペナルティを受けました。マントヴァーニ選手はレース2でのダブル・ロングラップ・ペナルティ、グラナド選手はレース2でのロングラップ・ペナルティです。(※ロングラップ・ペナルティ:レース中、コースに設定された特定のエリアを通過しなければならない。通常のコースよりも大回りとなるため、ペナルティを消化するとラップタイムは数秒ロスとなる。「ダブル」は、それを2回行なわなければならない)

 さらに、2位表彰台を獲得したアレッサンドロ・ザッコーネ選手は、タイヤの空気圧が、ミシュランが推奨した範囲を下回っていたため、失格となりました。

 このレース1で転倒や接触が多かった理由として、優勝したエクトル・ガルソ選手は「僕はフロントタイヤとかなり格闘していたんだけど、たぶんそれで多くのライダーが転倒したんじゃないかな」と語っており、ガルソ選手はフロントタイヤのマネージメントの難しさがあったと考えています。

レース2はエクトル・ガルソ選手(#4)、グティエレス選手(#99)を含む複数名のライダーによって、激しい2番手争いが展開されたレース2はエクトル・ガルソ選手(#4)、グティエレス選手(#99)を含む複数名のライダーによって、激しい2番手争いが展開された

 こうしたレース展開で、オスカル・グティエレス選手の表彰台は印象的なものでした。今季、MotoEにフル参戦を開始したグティエレス選手は、レース1では3番手でゴールし、ザッコーネ選手の失格によって2位を獲得。レース2でも2位を獲得しました。どちらも4列目11番手という後方から追い上げ、ポジションを上げてポディウムを獲得したのです。

 電動バイクレースで争われるMotoEは、内燃エンジンのバイクのレースとは異なる走り方、そして非常に短いレース周回数(今回のオランダ大会は7周で行なわれました)で争われます。参戦1年目のMotoEルーキーは苦戦することが多いのですが、グティエレス選手は今季の序盤からオランダ大会までに、すでに1勝を含む6度の表彰台を獲得しています。

 グティエレス選手はレース1後のパルクフェルメのインタビューで、こう答えています。

「昨日はちょっと難しい日だったので、今日ここにいられて嬉しいよ。でも、トップ争いができるペースがあるのはわかっていたんだ。1コーナーはちょっとしたカオスでクレイジーだったけど、うまく切り抜けたと思う」

 なお、レース1で2番手でゴールしながらも失格になったザッコーネ選手は、レース2で見事に優勝を飾り、オランダ大会での速さを結果に結びつけました。レース2は2位がグティエレス選手、3位はガルソ選手が獲得しています。

 MotoE第6戦ドイツ大会は、MotoGP第9戦ドイツGPに併催で、7月5日から6日にかけてザクセンリンクで行なわれます。

■FIM Enel MotoE World Championshipとは

 2019年にスタートした電動バイクによるチャンピオンシップ。2019年から2022年まではWorld Cup(ワールドカップ)として開催されていたが、2023年よりWorld Championship(世界選手権)となった。MotoGPのヨーロッパ開催グランプリのうち数戦に併催され、各土曜日に2レース開催で全8戦16レースが行なわれる。バイクはドゥカティ「V21L」のワンメイクで、タイヤはミシュラン。9チーム18名のライダーが参戦している。

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