ホンダ「レブル500」のフトコロの深さに驚く! じつはかなりの実力車だった
バイクのニュース / 2024年7月7日 11時10分
2017年に新登場となった「Rebel 500(レブル500)」は、ロー&ロングでシンプルな車体構成、前後にワイドタイヤを履き、排気量471ccの直列2気筒エンジンを搭載するクルーザーモデルです。250ccクラスの「Rebel 250」と同時発売され、車体の多くを共用しています。どんな乗り味なのでしょうか。試乗しました。
■乗ってナットク、そーとースゴイ!
なんていいエンジン! なんて楽しいバイク! ホンダ「Rebel 500(レブル500)」に乗っている間、そんな幸せ気分を味わう筆者(松井勉)でした。なんでしょう、この鼻歌気分なノリモノは……。
ホンダ「Rebel 500」に試乗する筆者(松井勉)
大ヒット作「レブル250」と共用する車体に排気量471ccの直列2気筒エンジンを搭載した「レブル500」は、シート高は「レブル250」と同じ690mmです。跨ぐ、と言うより、もう腰を下ろすレベルでベタ足環境が整います。
車重は「レブル250」よりもおよそ20kg増の191kgで軽いとは言いません。でも低重心の恩恵か、サイドスタンドから起こすのも、押したり引いたりの取り回しもラク。跨がったままスイスイ動ける印象です。
燃料タンクは「レブル250」同様スリム。タンクの脇からエンジンがはみ出ない細身の車体に、2気筒エンジンの存在を忘れそうなくらいです。
低いシートから少し前方にあるステップにより、膝は90度に曲げて足を載せる印象。直立した上半身と、肩から前にまっすぐ伸ばした位置にあるグリップに手を添えるような自然な乗車姿勢です。ステップに載せた右足が、わずかに幅広なクランクケースカバーにあたるかな、という点が「レブル250」との違いでしょうか。
排気量471ccの直列2気筒エンジンを搭載。エンジンやフレーム、ホイールなどをブラックアウトすることにより、シンプルさとタフな印象を演出
そのエンジンは、スペックに強烈なナニかを持っていませんが、それがどうした、というほど心地よく、扱いやすいのです。180度クランクを採用した昔ながらの等間隔爆発の直列2気筒エンジンで、グルグルグルグルという機械音と、それに呼応する排気音。ボア×ストロークがほぼ同等の長さを持つスクエアタイプなので、スムーズな回転フィールも特長です。
振動や極太な低速トルクで「どうや!」と攻めてくるような粗ぶったところはありません。没個性? いや、それが低回転から開けていった高回転まで、相当な実力車です。
例えば交差点では、赤信号での停止から青に変わって発進、という場面で、アシスト&スリッパー機構装備の恩恵で軽く操作できるクラッチレバー、操作時に感じる半クラのゾーンが滑らかで、繋がり始めからググっと動き出すあたりまで、乗り手の感覚とズレがありません。じつに見事な動力伝達をするのです。
エンジンも同様、アイドリング付近から回転トルクをしっかりと生み出す連携によって、それこそ停止線をスタートして横断歩道に前輪が掛かる前にクラッチをフルにエンゲージして走り出せるほど。それもアイドリングでこなしてくれます。
それゆえ、クラッチから指を離したあと、アイドリング付近からこの2気筒エンジンが持つ味わいを楽しめるのです。これが「レブル500」という個性にドンズバ。そのエンジンを400としたモデルでも同様の風合いを楽しめますが、500はアクセル操作に呼応した力感、トルク感、増速感が三拍子で気持ち良いのです。アクセル、クラッチ、そして後輪が路面を蹴る感触。発進するだけでご機嫌です。
そこから市街地速度へと加速する車体は、50km/hでトップ6速の守備範囲に入っています。回転計が無いため回転数は未知ですが、エンジンと対話しつつもつフレキシブルさと対話しながら走ることで感性がしっかりと刺激を受けます。45km/hあたりでもまだ粘ります。
アクセルを優しく開けるとグルグルグルと加速をしつつ速度を増していきます。このあたりも気持ち良いのです。あー、60km/hでどこまでも走りたい、そんな一面を持っています。
■フトコロの深さ、侮りがたし……
マッタリもイケますが、コーナリングも楽しめます。130というワイドな前輪は、鋭いレスポンスでコーナリングを開始するわけではありませんが、安定感、安心感のある動きは誰でも引き出せるコーナリングの世界を持ち、流すようにワインディングを切り取れば、「レブル500」ならでは、と言うか、「レブル250」よりも少し重厚感がありつつも、ぜんぜん重さを感じさせない走りの世界がそこにありました。
ホンダ「Rebel 500」(2023年型)カラー:マットジーンズブルーメタリック
「バイクでスポーツする」、これをどう解釈するかですが、走る悦びだとすれば、間違いなく純度の高いそれがありました。
高速道路は言うに及ばず余裕があり、追い越し加速も苦になりません。見た目はクルーザーですが、乗った印象を総合すると、このバイクは良質なミドルクラスバイク、と言えそうです。
「レブル250」と同じ車体なので、「レブル1100」のような押し出しはありません。その代わり、現在ホンダがラインナップしているモデルの中で、希望小売価格比較で見ると、ビックリの直列2気筒モデルで最安なのです。「CBR400R」や「NX400」はもちろん、まさかの「CBR250RR」よりもロープライス!
クルーザースタイルではあるものの、コーナリングや高速道路での走りはミドルクラスのネイキッドバイクといった趣を見せる
それでいて、どんなスキルレベルのライダーにも悦びを与えてくれる深い造り込み。さらにさらに、日帰りツーリングで一般道を多用すれば平均燃費が40km/l近かった、という小食ぶり。
「CL500」と同じ直列2気筒、侮りがたし。薦めて間違いなし、推しです。そんな「レブル500」だったのです。
※ ※ ※
ホンダ「レブル500」の価格(消費税10%込み)は83万6000円です。カラーバリエーションは、取材車両の「マットジーンズメタリック」のほか、「パールディープマッドグレー」の2色設定です。
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