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バイクのタイヤは、なぜ溝があるの? その理由と交換時期を検証する

バイクのニュース / 2024年7月6日 9時10分

バイクのタイヤを選ぶ際、重要な要素となってくる溝の形状や深さ。実はこの溝こそが、安全な走行のための大切な役割を担ってくれているのです。いったいどのような理由から、タイヤに溝がついているのでしょうか。

■重要な役割ばかり!? タイヤにはなぜ溝がついているの?

 バイクのタイヤを選ぶ際、溝の形状に注目したことはあるでしょうか。タイヤ選びでは、サイズだけでなく、溝の形状や深さも重要な要素となります。溝の形状によって、「スポーツタイヤ」や「オフロードタイヤ」といった種類に分類されているため、用途に応じたタイヤを選ぶことが重要です。

タイヤ選びでは、サイズだけでなく、溝の形状や深さも重要な要素となるタイヤ選びでは、サイズだけでなく、溝の形状や深さも重要な要素となる

 ポイントは溝の深さ。これが浅くなってくるとタイヤの交換が必要となり、溝がしっかりとした深さを保つことで、走行中の安全性が確保されるというわけです。そのため、定期的なメンテナンスは欠かせません。

 では、そもそもなぜバイクのタイヤには、溝がついているのでしょうか。

 バイクのタイヤといえば、縦横に刻まれた溝が印象的です。まるで田んぼの畝(うね)のようにも見えるこの溝は、決して飾りではありません。実はこれこそが、次のように安全な走行を支える重要な役割を担っています。

◆排水性の向上によるハイドロプレーニング対策

 バイクにとって、最大の敵と言えるのが雨。雨天時には路面が水で覆われ、タイヤと路面の間に水膜が発生しやすくなります。これが進行すると、タイヤが路面から浮き上がってしまう「ハイドロプレーニング現象」が起こり、最悪の場合は転倒事故に繋がる可能性があります。

 そこで、タイヤの溝が活躍します。 溝は路面の余分な水を効率的に排出し、タイヤと路面の間に水膜を作らないようにすることで、ハイドロプレーニング現象の発生を抑制するのです。

◆グリップ力の確保

 タイヤの溝は排水性だけでなく、グリップ力向上にも貢献しています。乾燥路面であっても、路面には微細な凹凸が存在していますが、溝があることでこれらの凹凸にタイヤがしっかりと接地し、安定したコーナリングやブレーキングを可能としているそうです。

◆異物除去

 溝は、走行中に路面に落ちている小石や砂などの異物を効果的に除去する働きを持ちます。異物がタイヤと路面の間に挟まると、スリップやパンクの原因となる可能性がありますが、溝があることでこうした異物をスムーズに排出することができ、安全な走行をサポートしてくれます。

◆騒音低減

近年では環境への配慮から、騒音性能もタイヤ選びの重要な要素となっている近年では環境への配慮から、騒音性能もタイヤ選びの重要な要素となっている

 タイヤの溝は、タイヤと路面の摩擦音や風切り音を低減する効果もあります。近年では環境への配慮から、騒音性能もタイヤ選びの重要な要素となっています。溝の形状や配置を工夫することで、静粛性を高めたタイヤも開発されています。

 一方で、溝のないサーキット走行用のスリックタイヤなどは、排水性やグリップ力が極めて低く、公道での使用は大変危険です。スリックタイヤは、道路運送車両法で公道使用が禁止されている点は覚えておくとよいでしょう。

■必要なタイヤの溝の深さも法令で定められている

 日本の法定で定められているタイヤの溝の深さは1.6mm。 万が一この深さを下回っていた場合は速やかにタイヤ交換が必要です。特に法定限度ギリギリまで使用したタイヤを装着したまま走行するのは、非常に危険な行為と言えます。

タイヤの溝の減り具合を示す目安はトレッドウェアインジケーターで判断するタイヤの溝の減り具合を示す目安はトレッドウェアインジケーターで判断する

 タイヤメーカーでは法定限度よりも浅い溝での交換を推奨しています。一般的には溝の深さが3mm〜4mmになったら交換時期と言われているので、定期的にタイヤの溝の深さを確認しましょう。

 ちなみに、タイヤの溝の深さは以下の方法で確認できます。

 まずひとつ目の方法は、トレッドウェアインジケーターを探すというもの。タイヤの側面には、トレッドウェアインジケーターと呼ばれる小さな突起があります。これがタイヤの溝の減り具合を示す目安です。

 もし、このインジケーターがタイヤの表面とフラットになっている、または消えてしまっている場合はタイヤ交換時期となります。

 ふたつ目の方法として、100円玉でチェックする方法が挙げられます。前述のトレッドウェアインジケーターが分かりにくい場合は、100円玉を使って簡単にチェックすることができます。

 まず100円玉を溝に差し込み、「1」の字が完全に隠れるかどうかを確認します。もし「1」の字の一部でも見えてしまう場合は、溝の深さが4mm以下となるため、交換時期であることがわかるというわけです。

より正確に溝の深さを測定したい場合は、デプスゲージを使用するより正確に溝の深さを測定したい場合は、デプスゲージを使用する

 なお、より正確に溝の深さを測定したい場合は、デプスゲージと呼ばれる専用工具を使うのもおすすめです。デプスゲージを溝に当ててスライドさせるだけで、現在の溝の深さを数値で確認することができます。

※ ※ ※

 バイクのタイヤを選ぶ際には、サイズだけでなく溝の形状についても用途に合わせて適切なものを選ぶ必要があります。また、タイヤが消耗してきた際には適切な深さが残っているかを十分に確認して、安全運転を心がけましょう。

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